参議院選挙で民主主義は終わるのか。

   

 
 
 参議院選挙では与党が3分の2を獲得すると言われている。残念ながらそんな気もする。何しろ若者ほどアベ支持なのだ。これでは日本に戦後芽生えた民主主義政治の終わりになる。民主主義は情けない終焉だったのか。いたたまれない思いを込めて、反アベの一票を入れたい。
 
 何故、民主主義は失敗したのか。それは自分のことしか考えない人の方が多かったからである。追い込まれた若者の功利的判断につながっている。戦後社会は軍国主義の失敗が身にしみた結果もたらされた理想主義である。一人一人が成長して、民主主義社会という理想を達成しなければならないと、世界全体が政治的意識に目覚めたのだ。
 
 ところが、民主主義はマキャベリが指摘したとおり、衆愚政治に陥る。例えば、老人が増えれば、年金を優遇する政党が勝利する。減少する次世代は少数派である。貧困層に陥居る比率は高まる。そうなると自分だけは富裕層になりたいということになり、他人どころではないという事なのだろう。
 
 少数派である若者は政治的無関心になる。あるいは自分の利益だけを考えて社会全体のことは考えなくなる。その典型がトランプである。最近トランプはよくやっている。日本でもああいう政治家に登場して貰いたい。こういう危険な考え方が生まれている。
 
 中国の習近平。ロシアのプーチン。アメリカのトランプ。ヨーロッパ各国に次々と誕生する、極右政党。経済競争に勝利するためには、民主主義どころではないだろうという判断。弱者は自己責任。こういう考えが蔓延しはじめている。
 
 日本では第2次世界大戦の後の、謝罪の意識に基づく反省が消えかけているのだろう。安部氏の態度にはそのことが良く表れている。民主主義は100年は持たないものだと、すでにギリシャ時代に言われていた。
 
 資本主義の競争主義が激化している。わかりやすいのは日韓経済戦争である。経済がどちらが強いかで勝負は決まる。アメリカの仲裁はない。アメリカはアメリカ一国主義でゆくと言っているのだ。ここでは、正義とか、論理とかは、すでに関係がない。関係がないところが衆禺と言われるゆえんである。
 
 大衆が感情的に動き出すのである。論理的正しさなど、どちらでも良くなっている。その次に来るのが軍国主義である。軍事独裁でなければ、勝てないと言うことになる。どれほど日本が頑張っても、日本は軍事大国にはなれない。北朝鮮のような状況に陥る。
 
 アベ政権は鵺である。全く実態がない。強権政治を目指しては居るのだが、民主主義の仮面は維持したままである。国家主義的であるかと思えば、トランプアメリカの配下に徹している。そもそも実態とか核心部分とかは存在しない。
 
 打算的政権なのだ。打算的であるのが、日本の大衆である。このように調査結果が出たので、そのように動いているのが、アベ鵺政権。アンケート政治と言った方がわかりやすい。ビックデーター政治である。
 
 その結果人間あべ氏の発言は一貫性はまるでない。鵺てき混沌がアベ政権なのだ。その時々都合の良い側面を表している。アベ氏は常に台詞をしゃべっている。アベ劇団座長、脚本は外注。座長アベ氏に何をしゃべらせれば効果的かを、コンピューターが教えている。
 
 鵺という実態のつかみにくい、複合体。有利不利の方向は鵺のコンピューターが判断しているのだろうが、どこにゆくためかが見えない点である。旗印の憲法改正ですら、本当のところ意味不明にしか見えない。その先にある社会像は示されたことがない。
 
 外国人労働者の問題は深刻である。外国人労働者がひどい労働条件で働いていることは、日本人の共通認識であろう。しかし、それの方が日本にとってトクなのだから、仕方がなかろうというのが、衆禺の判断になる。外国人労働者は選挙で意思を反映できない。反映できないものは計算にも入らない。
 
 沖縄に民主主義がかろうじて残っているのは、人口構成がバランスが良いからである。若者の意見も得票に影響する。石垣島自衛隊反対署名は若者が動いた。辺野古反対の住民投票を動かしたのも若者である。若者にあきらめ感が少ないのだろう。若者が減少すると、民主主義は終わるもののようだ。
 
 アベ政権は今度の参議院選挙に勝利すれば、トランプ・アベ政権になる。何でも好き放題になるだろう。民主主義を主張しても、無視されるだけだろう。石垣自衛隊も、辺野古米軍基地も強行されるだろう。石垣で自衛隊反対の人は、自民党に投票してはならない。公明党に投票してはならない。もし、与党票が減少すれば、中山市長も考えが変わるかもしれない。
 
 立憲民主党に投票する。あるいは反自衛隊の野党である。野党の無能を言いつのる、裏安部支持者が蔓延している。これに惑わされてはならない。民主主義政治を作りだすのは国民である。立憲民主党は支持されればそれに答える力はある。
 
 いよいよ、参議院選挙はまともに行われる最後の選挙になるのかもしれない。ここで、3分の2を与党に取らせたら終わりだ。その深刻さは表現されていない。それが、アベ政権のビックデーター政治なのだろう。静かに静かに民主主義は終わろうとしている。
 
 
 
 

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