石垣島ラン栽培の特徴
パフィオ・デレナティー 花径80×65ミリ(開花してから大きくなった)4月9日開花
蘭の栽培を始めた。一月が経過した。石垣島がいかに蘭栽培に向いているのか実感している。以前、山北ではパフィオを本格的に栽培していた。15平米ほどの温室を造って栽培していた。いろいろの角度から考えて理想的な温室を作った。それでも、石垣での栽培の良さと比べると雲泥の差だ。問題は暑さで蘭がどうなるかがこれからの課題である。寒い時期の野外栽培は全く問題が無いと言うことがわかった。問題が無いどころか、栽培適地といえる生育であった。一ヶ月の間に、これほど生育するとは思いもしなかった。バルボフィラム、デンドロキラム、パフィオペディルム、が数株づつある。興味があるのは今でもパフィオペディルムだ。昔はかなりの数の原種を栽培していた。ベラチュラム、コンカラー、ニビウム、ゴデフロエ、リュウコキラム、(ブラキペディラム属)デレナティー、(パービセパラム亜属)リーミヤナム、モケッティアナム、ビクトリアレギネ、グローコフィラム、プリムリナム、チェンバーレイニアナム、(コチロペチュラム属)というような系統が特に好きだった。止めて、30年たつのに、名前を思い出せると言うことに驚く。あの頃は原種の数は70種程度とされていたが、分類の変更や新種の発見などがあり、増えたようだ。東アジア中心に分布する。日本にはないが、石垣も環境としては生息地に近いと思われる。
蘭友会には10年近くは毎月参加していた。毎月咲いた花を持ってゆけると、年末には表彰される。何度かその表彰を受けた。蘭の育種家になりたいと思うくらいだった。その頃には、蘭のボタニカルアートを描いたりもした。山北に移り、鶏を専門にやり出して、蘭の方は止めた。それからは蘭を思い出すことも無い暮らしだった。止めた大きな要因は蘭の原種の栽培をすると言うことは、自然保護の観点から言うと、蘭を絶滅させているような気持ちになったからだ。遠からずパフィオの野生種は無くなるのでは無いかと思われた。それに加わっていると言うことが許されないような気になった。そういう事情が今はどうなったのかはわからないが、メリクロン技術という人工的にフラスコの中で増殖できる技術ができた。そのためだと思うが、価格的には当時より安くなったと感じる。インターネットで購入することができるようにもなった。植物郵送だと、石垣でも送料が大分安く送ってもらえる。加えて生産地の台湾が近い。来年は是非、台湾の蘭園に行ってみようと考えている。
台湾と石垣は気候的にはほぼ同じだから、台湾の蘭園の栽培を見てくると、参考になるに違いないと思っている。香港には野生種があるが、台湾にはない。パフィオ栽培は水が一番の課題である。大体腐らせて枯らす。ところが雨がいくら降り続いても大丈夫だ。雨に長く充てると枯れるという考え方もあるが、経験的に雨は大丈夫だ。雨には酸素がたくさん含まれているので、根腐れすると言うことが起きない。もちろん気温と雨の関係はある。石垣の春は適温でよく雨が降るので栽培にはよいはずだ。今まで水を与えると言うことはほとんど無い。雨の日が一日おきくらいにあれば、水やりはなくてもいい。乾いたときだけ、水をやっている。肥料はほとんどいらないのだが、HB-101というものを、2週間に1回2000倍液を灌水で使う。それが良いのかどうかはまだわからない。すぐ結果が出るようでは良い肥料では無いのだろう。日照の強さが問題になるだろう。ともかく日よけは大事だと思う。蘭を置く場所もほとんど無いので、あまり増やせないのだが、少しの蘭でも眺めるだけで元気になる。
1ヶ月前我が家に来たデレナティーに花芽がつき今つぼみである。環境が適合して順調といえる。ベナスタムのアルバも葉が一枚出た。パフィオで一番大きくて自生地では一メートルの葉もあるという、ロスチャイルディアナムが60センチの葉が伸びた。昔栽培したときより明らかに大きい。今後の課題は気温が上がってきた時にナンプ病が怖い。えひめAIでも作ろうかと思っているが、風がいつもあるので、大丈夫かとも思うが、どうだろうか。石垣には10件に1件くらいは蘭が置いてある。多くはカトレヤやファレノだ。。デンドロビュームをたくさんつるしている家もある。パフィオは少ないように見える。作りにくいのだろうか。