アベ氏の謝罪は本物か
安倍氏は4日の内閣改造後の記者会見冒頭、森友学園、加計学園、防衛省日報、の3つの国民の不信に対して、深々と頭を下げ謝罪した。総理大臣が国民に謝罪をするという姿を私は初めて見た。是非ともこの謝罪が演技ではなく、誠実なものであってもらいたい。と書きながらも、残念ながらいつもの口先だけの演技だったようだ。謝罪したのであれば、何故森友学園の名誉学園長を引き受けていたのか。総理夫人に参考人として国会に出席させなければならない。教育勅語の暗唱を何故評価したのか。100万円は寄付しなかったのか。総理大臣夫人の行動規範をどう考えるか。など国民に丁寧に説明する責務がある。何も、つるし上げようというのではない。総理大臣夫人がどうあるべきかは、国民全体で考えなければならない問題であろう。家計学園の申請を1月20日まで知らなかったというのは、大半の国民が疑っているところだ。国民に納得できるように説明する義務がある。自衛隊と防衛省の関係を把握していなくてはならないのは稲田元大臣である。その人を国会に呼んで事実をしゃべってもらう。当たり前のことをしない謝罪など、演技に過ぎない。
加計学園の獣医学部については、1年先送りして獣医師のこれからの必要数を精査する。獣医学部に対する補助金の在り方を再検討する。地方再生と高等教育の無償化についても、全国平等な形でどのようなものであるべきか再検討する。防衛省の日報が不自然に隠されようとしたのか、ジュバに戦闘はなかったと判断した根拠はどこにあったのか。日報問題が出てきて、部隊は引き上げたのではないのか。自衛隊という武力集団に対する、政治の統制が出来ているのか。徹底した調査が必要である。稲田大臣は日報について、いつ知り。どうするべきだと考えたのか。そしてそれに対して自衛隊内部では、防衛省に対してどのような対応をしたのか。厳密に調査すべきだ。今後、自衛官は日報に真実を書くことは出来ないと考えただろう。もしまたPKOで国外に自衛隊が行くことがあれば、その時は現地の状況、自衛隊の行動、これを日本の国民に報道できる、報道機関、あるいは第3者機関の同行を義務付ける必要がある。
北朝鮮はミサイル訓練をグゥアム周辺で行うとしている。アメリカの報復もエスカレートしそうだ。先制攻撃を出来るように、日本も攻撃的武力を保持するべきだという意見が出てきている。たぶん安倍内閣や自民党の議員がそういう考えに傾いてきているのだろう。ミサイルに対して、迎撃するという事は完全に行うことは不可能である。アメリカが先制攻撃をするべきだと考えるのは、迎撃の限界を認識しているからだ。防衛する側が完全な防衛に備えるなど不可能である。1発でも日本に到達すれば、もう終わりである。現状は深刻な危機的状況と考えなければならない。日本が核武装し先制攻撃を出来るようにしたとしても、北朝鮮が自滅的な最終手段に出ることを防ぐことなど出来るわけがない。イスラム国の自爆テロを完全には防げないこと以上に深刻な問題なのだ。アメリカが北朝鮮に核爆弾を落そうとしたとしても、その時は日本も核爆弾が落とされている確率も高いのだ。
この状況を前にして、出来ることは日本の核武装ではない。日本が世界に対して核放棄を呼びかけることだ。それ以外にもう道はない。それを主張できる最も適任の国が日本だ。平和憲法がある。被爆国である。日本が核保有国に核削減を呼びかけるこれ以外に、世界の崩壊を止める手段はなくなりつつある。このまま、北朝鮮の軍事緊張が高まれば、核戦争が起きても不思議ではない。もちろん、そんな平和的手段は無駄なことに過ぎないと鼻先で笑われる理想主義である事は承知している。しかし、その理想主義の摸索以外道はない状況に至っている。どれほど日本が武力強化しようとも、北朝鮮の核ミサイルは防げないのだ。日本が先制攻撃したとしても、反撃で日本に核ミサイルが来る可能性があるのだ。核保有国は徐々に増加している。許されないという事では、アメリカも北朝鮮も変わらない。人類は核戦争など出来ない状況だという事を気づく必要がある。武力によらない平和の模索が理想論である以上に、軍事力による平和の維持は困難になったという事を認識する必要がある。