穂揃い期以降の水管理
9月30日豪雨がある。その翌朝5時30分の写真。手前の倒れているところは冬水田んぼ。やはり倒伏しやすいようだ。天候によるがまだ回復する可能性はある。
9月の自給作業である。第一はいよいよ稲が佳境に入る。8月21日に稲は穂揃いが揃えば、後は粒張りを目指す事になる。この時期最も難しいのが水管理である。間断灌水という事が言われる。それは正しいことなのだが、矛盾したことでもあるだけに悩ましい。稲は一部の入水口などまだ受粉を続けている。ここには水が必要である。しかし、受粉が終わった稲は日に日に重さを増してゆく。穂は頭を下げて止葉の下に隠れてゆく。ここぞとばかり葉は光合成を行いでんぷんを溜めてゆく。この重さに耐えきれなくなって、稲は倒れかねない。10俵を超える稲作ではそれが普通である。地面を固めなければならない。水を切らなければならない。大雨もあれば、強い風も吹く。毎年9月初旬は信仰心のまるでない私が神頼みしたくなる、気が気でない毎日になる。
苗床後の3番田んぼは3か所倒れた。この段階でも苗代の縞模様が残っている。ただ倒れたところは、代を掻かなかった通路部分もある。通路部分が色が黄色いところだ。一か所は水口付近。一か所はいつも底が抜けて穴が開くところいるところ。
今年は8月の長雨で、稲は紋枯れ病が起きている。今までに3株が枯れたので引き抜いた。まだ枯れるものは出そうだ。ただ、8月後半で天候が回復したので、かろうじて頑張り切れるかもしれない。一部だけれど毎日一回えひめAIを撒いて見ている。結果が良ければ、また報告する。イモチとか、紋枯れ病、縞葉枯れ病、いずれも湿度と関係がある。葉が濡れ続けるのも良くないし、土壌の乾燥状態も良くないと考えている。茂った稲の中が蒸れるのは仕方がないことなのだが、この矛盾する様々な事象の中、間断灌水を続ける。地面を固めなければならない。稲の健康の為だけを考えると、深水の継続が良いはずだ。田んぼの中にスカスカに稲を植えて、50㎝角ぐらいだろうか。20センチくらいの深水をする。干しなど行わない。これが植物の稲としてはいいのだと思う。しかし、そうも行かないのはここは自給の為の田んぼだからだ。農業というのは植物の生理をゆがめるところがある。何としても収量を上げて、自分の食糧を確保しなくてはならない。最小の労力で、最大の生産量を上げなくてはならない。その為に、矛盾に満ちた間断灌水を、様々な困難の中行っている。
1,2,4と倒れたところがあるが。このくらいなら立ち上がるか。分かりにくいが2番田んぼが一番大きく倒れた。
例えば、上段と下段の田んぼだけは水を入れて、中段の田んぼには水を入れないとか。水が繋がっているのだからそんなことは出来ない話なのにやらざる得なくなる。病気で茎がやわになり始めた、稲を何とか倒さず最後まで持ちこたえさせたい。祈るような気持ちだ。昨年は8月25日だったか、大風が吹いて一気に稲が倒された。何とか回復した場所もあったが、全体としては倒れたままになった。辛かった。現在の予定では9月20日から水を切ろうと考えている。穂揃いから1か月水があれば大丈夫だろう。そして、9月末ぐらいから稲刈りを始める。雨続きで穂揃いが遅れていた喜寿糯が8月27日に穂揃いになった。背丈は120㎝はある。どう見てもこれで倒れなければ大豊作の状態である。今のところこちらは倒れそうにもない。もち米だけは十分に配れそうだ。お米は一家族100キロが目標ラインだから、もうひと頑張りである。
10番田んぼ 右半分が4本植え、左半分が1本植。何故か1本植の方が止葉の緑が濃い。何故だろうか。根の活動力がまだあるという事ではないか。
大豆は何とか成長を続けている。あれだけ発芽が悪かったのだが、発芽した株の生き良いは良い。草も成長がすごいのだが、捕植した株でも枯れた株は今のところない。捕植した株がどこまで追いつくか、まだ危ういところだ。最初の株はすでに花がついている。きゅうりはわずかだがとれている。トマトは食べるくらいは何とか出来る。ニガウリ、オクラも食べるだけは何とか続いている。長ネギがなかなか良くできている。みんなの協働の畑だが、農家の畑とそん色がない。私としてはかつてない立派な出来だ。土寄せしてどうなるか今から楽しみである。小豆は何故か、やたら蔓が伸びた。たぶん長雨の性だと思う。時々徒長した蔓をつまんでやっている。今年はタマネギの苗作りに本気で取り組みたい。セルトレーで作るのが良いという事だが、土づくりはどうしたらいいのだろうか。