石垣島でのインディカ米

      2019/06/15

「第41回 熱研市民公開講座」というものに参加させていただいた。石垣の田んぼの話というのでは、聞かないわけにはゆかない。石垣島を世界で一番美しい島にしているのは、田んぼだ。それは最近はやりの絶景という意味の美しさではない。西表なら絶景かもしれない。石垣は人間の暮らしが作り出している景色がある。もうこういう姿は他には少なくなってきている。人間と自然とのかかわり合いの中で生まれた田んぼの景色である。それが私には美しい風景である。主食がお米であれば、そのお米が身近に作られている安心。この安心が美しいの原点だと私は思っている。原始の自然は近寄りがたい畏敬の対象にすぎない。石垣島では今田植えの準備が進んでいる。1期目の田植えは2月中である。台風が来る前に収穫できればというのが石垣の田んぼである。

石垣にある、国の外郭団体の機関の熱帯農業研究所の開催する市民講座である。福田善通主任研究員の方が話をされた。徳島出身の方だそうで、何で石垣くんだりまで来たかといえば、とつい口走ったのでヒヤッとした。筑波の方に研究所の本農場はあるといわれていた。それでも何とかつくろって、来たくて転勤を希望したといわれていた。国の研究員では、石垣に来るというのは流された感があるのだろうか。私の感覚からいえば、石垣で給与をもらい、稲の研究が出来るということは、理想の暮らしに思える。この熱研の研究は世界の農業技術援助の基礎力を高めようということなのではないか。素晴らしい意図だと思えるが、一体、どの程度の成果が上がっているのだろうかと思う。ここで聞いた実践ではない研究では役に立つような感じではなかった。いもち病の研究ということをやっているのだそうだが、遺伝子レベルの研究のようだ。稲の病気は実践の重要性が高い。熱帯各地にある、植物資源を保存するというようなこともやっているのだろうか。今回そういうことを含めて、参加させてもらった。

50名くらいの参加だっただろうか。農業の集まりなのに、若い人や、女性がいることにまず驚いた。研究者と思われる方が、5,6名遠方より見えているようだった。地元の泡盛の酒造会社の方もいた。石垣ではヒトメボレが作られているのだそうだ。どう考えても東北の品種を作るのでは上手くゆくわけがない。どうも、沖縄県や石垣市の出した方針らしい。これが収量の低い原因ではないかということである。何故そんなことになったのかわからないが、考えるまでもない。反収5俵である。なぜ暑いところでは収量が減るのか。長野県のようなところのほうが収量は高い。福田氏の推測では、日照の関係があるというのである。日照が長い熱帯地域では、稲の植物体全体の生育が十分にゆかないうちに、穂が出てしまうということである。だから熱帯では、穂が出るまで、11か月もかかる稲の品種も栽培されているそうだ。私の栽培経験では、晩生品種と早稲品種と比べると、自然を生かした農業には晩生品種のほうが向いているという感触がある。栽培期間が長いほうが、ゆっくり生育がであっても、肥料の少ない自然栽培を可能にする。早稲品種は不十分な16枚葉が揃わない内に穂を出してしまうことがある。

質問が熱心で矢継ぎ早であるのにはびっくりした。実際に石垣で田んぼをされている方を刮目してみた。石垣の農業は生きている。希望がある。付加価値を付けた稲作をやらなければだめだということは、みなさん考えておられる。黒米の高価格のお土産パッケージ。泡盛を石垣島のお米で作る試み。元気一杯であった。安心、安全の話も結構出ていた。お土産には、身体にやさしいがいい。インドレストラン、タイレストランへの販売。こういう話は農協の集まりでも出ているのだろうか。このシンポジュームには、県や市の農業関係の職員は紹介さえなかったが、対立があるのだろうか。本来であれば、農業、行政、農家の連携がなければ進むことではない。インディカ米を作るとしても苗の生産をどうするのか。ヒトメボレの苗は農協から買えるのだろう。農協にしても、売れないインディカ米の苗を作るわけにはゆかない。そこで農家自身の努力で、6次産業化か。そういえば、この稲の品種改良をしている福田さんは、自分を0次産業にあたるといわれていた。

熱研では何千という作物を保存のため、研究のために栽培をしているそうだ。それを筑波でも同じことをしている。それがどう違ってくるか比較データーがあった。まだ不十分で何が何やらわからない段階のようだが、もう少し、データーの取り方を工夫すれば、熱帯と温帯の稲の生育の違いが見えてくる気がする。

 

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