自給農業は農家を超える。

   

自給農業は農家の農業を超える。品質においても、収量においても、自給農業は専業農家より高いレベルのものになる可能性がある。採算性、労働対価を考えないで済むからである。養鶏を長年やってきたのだが、家庭で10羽程度飼育する家庭養鶏の卵以上の卵を、養鶏業作ることはできないと考えるに至った。笹村農鶏園の卵は販売されているものでは、日本一だと自負しているが、趣味で飼っている人では、私以上の人はいる。ここでいう良い卵とは生命力の強い卵である。現在、養鶏を縮小して80羽くらいになっているが、少なくなればなるほど、鶏は良くなる。米作りでも、野菜作りでも、一番すごいものを作っている人は趣味の人ではないのではなかろうか。絵だってそうだろうと実は思っている。これは、大学の美術部の時、部長だった般若さんが良く言われていたことの影響だ。素人だから、職業の人に比べて、劣るというのでは自給農業はだめだと思う。言うだけでなく、やって実現しなければと考え、研究を続けている。

課題は野菜であった。田んぼは自信がある。品質収量ともに納得している。小麦も、大豆もまあまあだと思う。問題は野菜である。50種ぐらい作るのが、自給農業である。専業農家にはすでにこれが出来ない。農家の野菜よりは品質はいいと思う。由緒が分かるので安心である。自家採種までできる。味の点で手前味噌と同じで格別である。自分の好みの味のものを旬の時期に作るのだから、当然である。価格を考えれば、私のキャベツは500円はするだろう。こういう野菜は専業農家の人にはできない。出来るけどやらないという方が正しい。手間のかけすぎである。たまに行く、お好み焼き屋さんは年間を通して、ほぼキャベツは自給だといわれていた。これがすごい。専業農家には絶対できない実践である。トマトは毎年長く食べている。キュウリが好きだから、長く食べたい。旬を長くしたい。加温までしない農法で、長く食べれる方法を実現しなければならない。5月から10月までは取れるようにできないか、挑戦している。

野菜がなぜ難しいかと言えば、50種あれば50種の違う農業技術があるからだろう。納得できる前に、混乱して忘れてしまう。ハスやクワイの作り方から、大根やニンジンの作り方まで、熟知するのは本当に難しい。やってみなければわからないことなので、時間がかかる。一年一つの野菜をこういうことかと分かっていたら、50年かかってしまう。それが玉ねぎのように、25年作り続けて、まだよくわからないものがある。しかし、やっとわかってきたのがホウレンソウだ。写真のような状態である。今まで食べたホウレンソウで一番おいしかった。叢生栽培である。種を播いてから、何度もくん炭を播き続けた。それだけである。草は取らなかった。面倒だから取らなかったのだが、それで良いようだ。酸性土壌が中和され、土が良くなってきたというのが一番の原因だろう。石灰を入れて酸性を中和するということはしない。石灰は土壌の微生物に良くない。堆肥を何度も入れて、5年目の畑である。

小麦は今年は麦の会と、自分の畑との2か所で作っているが、自分の畑の方がだいぶ出来がいい。土の違いがよくわかる。同じ種を同じ時期に播いたので、違いがよくわかる。麦は一面に播くので、畑の土壌のムラガ分かる。家のわきの畑はだいぶん土が安定してきている。さして堆肥を入れないでも作物が出来るようになってきている。5年間の土作りが成果が出てきたということだろう。それでも客土のところは悪い。麦を一面に播いてみたのは、麦に耕してもらおうという気持ちもある。それで畑は、7月まで使えないということもあり、今年の春は、プランター農法に力を入れている。これが農家を超える農法ではないかと思っている。家の中に入れたり、外に出したり、そんなことは絶対に農家の人にはできないだろう。自給農法技術の確立。

昨日の自給作業:小麦の土よせと追肥1時間 累計時間14時間

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