笹子トンネル天井崩落事故
驚愕するような、人災である。とっさに原発の安全神話を思い出した。この事故で亡くなられた9名の方の無念に対し、「願以此功徳 普及於一切 我等与衆生 皆共成仏道」 ご冥福を祈らせていただきたい。トンネル自体の経年劣化が原因ではないかと言われている。原発と同じで、事故が起きて見れば、驚くべき工法であり、何時か落ちるのは当然のような天井の構造である。今では床下の方に作るらしい。トンネルを丸く掘る。掘り終わった所に、一定の厚さでコンクリートを打つ。この厚さが十分でなかったのではないかという疑いもあるらしい。乾いたコンクリートにアンカーボルトで天井を吊り下げる。この吊り下げた天井が何故か、コンクリート製で一枚何トンもあるらしい。何故軽いもので出来なかったのだろう。この天井裏が、吸気と排気のダクトに成っていた。軽いダクトを取り付けるのではなぜいけなかったのかが分からない。9月に点検をしていたと言うが、劣化を見落としたということである。
事故の原因を徹底して調査することが、第一である。原発でもそうなのだが、事故原因が明確でない。分からないのか、分かりたくないのか。事故調査というものが、責任問題になるのを避けたいと言う事がある。それは賠償問題にも直結しているから、経済がすべての国では、原因調査というものが見えなくなることが一般的である。今回のトンネル事故でも、中立的第3者機関があり、徹底した調査が行われるということが当たり前のことだ。ところがすでに、会社と政府で合同調査組織を作ると言われている。こういう所に、政府の無能が良く表れている。真実を覆い隠そうという意図が、初めから感じられる。中国の列車事故ですぐ埋めたことを隠ぺいだと、あざ笑っていたが、日本では形式だけは整うが、何が変わると言うのだろうか。原因が分からない限り、対策が打てない。事故はまた起こる。問題は3つ。工法上のこと。直接の事故原因。点検や修繕の方法。
経年劣化と言われる、コンクリート公共事業の結果は山積みなのだ。全国の国道のいたる所の橋が既に老朽化している。トンネルはもちろんのことである。お金が無いから、直せないのである。新しい公共事業どころではない。今あるものの管理を総点検する。危険度の高いものから、手を打ってゆくことが、政府のやるべきことだろう。まず原発である。この国はすべてがぐずぐずになり始めている。東京湾横断道路である。この必要度と、各地の橋の修繕とをどちらを優先すべきかである。やん場ダムのようなものを新たに作ることと、山の管理とをどちらを優先すべきかである。林道を作り管理をしない事が山の崩壊に成る。第2東名高速を作ることと、全国のトンネルを改修することと、どちらが先かである。派手で経済効果があると言われるような公共事業がやたら行われる。それが地元に公共事業を引っ張ってきた、立派な政治家という事に成る。
今起きている経年劣化は、日本のすべての分野に及ぶ、仕組み自体の経年劣化である。責任の所在が曖昧なのだ。原発事故の責任を自ら名乗る者がいない。久野川で4か所の崩壊が起きた。今も坊所川で危険個所がある。そこで畑を耕作する者として指摘をしてきた。そして指摘箇所で当然のごとく事故が起きた。そんなものだと言う事に成って終わる。原因の究明など全く無い。当然のこと責任はだれも取らない。取らないことが普通で、何故そんな責任追及をするのかという顔をしている。責任と原因を明確にすることが次の事故を防ぐのである。すべての公共事業の結果を総点検すべき時ではないか。要らないものを作っていないか。壊れかかっていないか。私は役所ではクレーマー扱いに成っている。要注意人物一覧に入っているらしい。それでも言わない訳にはいかない事が、本当に多い。