衆議院選挙神奈川17区
今回の衆議院選挙の重大テーマは、「憲法を改定して軍隊を持つのか。」「原発をどうするのか。」この2点である。自民党の国防軍の主張は、25%の支持があればいいという考えだ。公明党を加えて、30%取れれば選挙に勝つという目論見。確かに、4人に1人は憲法改定での主張で自民党を支持するだろう。保守的色合いを強めれば、4人に1人は自民党に投票する。神奈川17区立候補者は5名いる。この選挙区で政策による候補者の選択が行われることは、実質的には初めてのことではないだろうか。たぶん17区だけでなく、全国的にそうなっているような気がする。この選挙区は何と言っても河野洋平氏の選挙区であった。中選挙区制であった時代には、それなりの政策論争もあったと思われるが、小選挙区に成ってからは、もう選択の余地が無いということだった。それが前回の選挙で、民主党のチェンジ選挙の勢いがこの地域にも及び、河野氏後継ということだった、牧島氏を破って神山洋介氏が当選する。他所からの落下傘候補という所が、小田原の人には嫌われた。
しかし、今回の選挙では現職でありながら神山氏はかなり下位だ。原発推進派の民主党候補では、民主党の凋落をもろに受けるだろう。もう一つのテーマである。原発については、ほぼ反対の候補が、2人いる。それぞれに票が分散する。今回は自民党の牧島氏が一歩リードしていると見る。公明党票が加わることが選挙では大きい。公明党の支持者は、国防軍についてどう考えているのだろう。言われたまま自民党の候補に入れるのではないか。国防軍に賛成なら、牧島氏に投票するのは、正しい選択である。公明党も本音では、国防軍が必要というのであれば、それはそれで認める所である。ところが、どうもそうではないようだ。テレビ討論などで、立派な建前論を述べている割に、尻が抜けている。
自民党の牧島氏の個人的な政策という事に成ると、ホームページを読んでも私の頭では、不明である。むしろ意見は不明瞭にすると言うのが、選挙の方針のようだ。明確にすると、平和憲法論者の河野洋平氏の支持を得られなくなる。地域のお祭りや、運動会にはよく顔を出していた。どこにでも顔を出せるだけの人脈ができつつあるのだろう。意見はあるのだが、表明すると選挙に不利になると言うのが、本音と推理する。自民党支持者は政策ではない。利権的結合を重んずる。国防軍など実はどうでもいい、地元に仕事を持ってくる議員が良い議員。そのしがらみ選挙は根強く地域に浸透している。だから、自民党票というものは、政策とは別物と考えた方が良い。もし憲法を改定するなら国民投票である。むしろ勝負はそちらではないか。現在の小選挙区制度では、死に票が多く出て、本当の民意は反映できない。
井上氏露木氏は横一線ではないか。井上氏の不思議なのは、自民党代表の安倍氏の秘書をされていたと言う人が、何故、自民党で無くみんなの党なのかである。どうも秘書時代、農林大臣の身体検査に失敗したと週刊誌記事にはある。自民党公認がすでに、小泉派の牧島氏に押さえられていたので、やむなくみんなの党から出たという感じもする。みんなの党は原発は推進という考えである。井上氏が脱原発を口にするのは、矛盾である。前回の選挙の票の出方から言って、当選まではさすがに厳しい気がしていたが。小田原の建設業はみんなの党が食い込んだようだ。小田原の人であるということは、有利に働くだろう。井上氏が当選はしない程度に、自民党票を食い破ってくれれば、露木氏に当選の可能性が出て来る。露木氏に反原発票がどこまで集まるかである。民主党支持でも、神山氏が反原発で無い以上、反原発を求める人は票を露木氏に集めるしかない。共産党の横田氏は明確に反原発であるが、失礼ながら当選の見込みが無い。この場合、共産党支持の人も、今回は反原発の実現のために、露木氏に票を集める方が賢明ではないだろうか。すべては小選挙区制の問題である。