経済衰退の原因
自民党の総裁候補の主張では、日本の経済が競争力を失われた原因は民主党の経済政策の失敗にあると言う主張のようだ。本気でそう考えているとしたら、自民党には間違っても経済政策は任せられない。日本経済が競争に後れをとったのではない。世界全体の経済停滞の影響が主原因だ。民主党をそんな所で攻めた所で、自分の経済分析の甘さを主張しているようなものだ。基本はどこの国でも、平等に競争すれば、同じような経済レベルになる。日本だけがずば抜けているという考えがおかしい。日本が一番でなければならないという間違いを自覚すべきだ。それが分からないようでは、経済政策は無理だ。むしろ、安倍新総裁の保守主義は歴史認識で、世界から袋叩きにあう。前回慰安婦問題で欧州議会から、批判を浴びたことを忘れたのだろうか。私にはそれで体調を壊したように見えたのだが。
先日、東京からの帰り、辻堂駅で電車が止まってしまった。車内放送ではこの先の信号機の故障だとか言っている。30分ほどしたらやっと出発になったと思いきや、急停車である。「緊急停止があります。という車内放送の方が先にあって、ドドット止まった。それでも立っていた人は勢いで倒れかかった。今度は信号に人が入ったと言う。10分ほどして、点検が終わりましたので、発車と言う事で出たかと思いきや、再度急停止する。今度は茅ヶ崎駅で人がホームから落ちたと言う。その救出を行うので、と言う事で現場検証まで終わるのに30分。東京に出掛けているが、毎日どこかで事故や故障である。昔はこんなことはなかった。現代日本人に特別な資質がある訳でもない。労賃は高い。資源はない。日本人の暮らしかたを、創造力の発揮できるように変えなくては駄目だ。
海外に工場を進出して、そこから海外に販売する。果たしてそういう会社は日本の企業なのだろうか。韓国のサムスンは韓国企業とは言い切れない。経済の側面から見れば、韓国を食い破って世界企業として飛び立っている。税金が有利な地域や国がある。テニスのボルグ選手は出身国スエーデンの税金が高いと言うのでモナコ国籍に成ったことがある。若く引退してしまいその後、どうしたことか分からなくなった。そう言うその場の都合を選択する人は長くは成功しない。企業と国家と言うものを考えると。経団連では、原発再開を力説している。ところが、尖閣問題では国際司法裁判所に判断してもらうと言う意味のことを発言している。ここでは私と同じ考えだ。経団連は公正とか、安全を考えている訳ではない。自分達の企業がどうすれば儲かるかだけを考えている。そんな節操のない人たちが世界の競争に勝てる訳が無い。儲かると思えば何でもやる日本人と見られていることに気づくべきだ。
そんな利己的なことでは成り立たないということは、田んぼをやっている人には当たり前に分かる。日本の経済が衰退してきたのは稲作から離れて時間が経過したということである。企業であろうと、国であろうと、利己的な行動ばかりすれば、見捨てられる。稲作はそういう人間の暮らしを学ぶ場である。日本人は田んぼと言う、先祖伝来の場所で、地域全体の融和と近隣地域との調整の中でしか、存在することが出来なかった。敵に勝っても意味が無い。与えられた条件の中で、観察を行い、工夫をして、その技術を洗練させた。それは個人のものでなく、全体のものになった。そして世界最高水準の農業生産性の高い、循環する農法を確立した。その人間の資質が先進諸国に一気に追いつくことが出来た主たる原因である。武士道精神など関係が無い。技術教育もそうした、豊かな感性を携えた人間を対象に行ったから効果があった。教育だけを先鋭化した所で、危うい人材だけが増加することに成る。