日本政治の右傾化
野田政権は政策の方向を失っている。3党合意による消費税の増税法案も、野田政権の行動力を示したとは言えなくなっている。これを機に民主党を離れた勢力は、反原発というよりどころを持って、まとまろうと動き始めている。反原発の動きがどこまで広がっているかは未知数であるが、政権を脅かすためには、立ち上がれ日本以外の野党勢力には、反原発を必要な政策と間違いなく見ている。今や民主党と自民党と公明党と言う、体制翼賛政党として団結して原発推進を現実路線と言う姿。当然のことながら、政党内部には反原発を主張する人たちもいる。原発問題を、国民がいつものように忘れてくれることを期待して時間稼ぎをしても、状況はより困難化。消費税もその意味で、野田政権は実行力を示そうと、無理をしたのだろうが。消費税を3党合意と言う形での進め方が失敗で、民主党はさらに支持率が下がる。
そこで、民主党は靖国神社の参拝。憲法改定を、集団的自衛権の見直しを、自民党のお株を奪って主張するのではなかろうか。オスプレーの日本の基地への配置、沖縄の基地軽減どころか基地の強化。日米同盟の強化。中国やロシアを仮想敵国とし、領土問題の顕著化。こうした領土問題が出て来る時には、背景として国民の愛国心を煽り、国防の強化、軍事力の強化、日米同盟の強化。を計ろうと考えての事と思わなくてはならない。立ち上がれ日本が尖閣問題を強調するのは、そうした流れである。慌てて、野田政権も尖閣買い取りを主張したり、ロシアに北方領土の交渉に出掛けたり、国民の愛国心を刺激しようとしている。この流れの中で、何か領土もに関する接触事件があれば、過激な行動など仕掛ける可能性も高い。北朝鮮に関しても、核開発を始め、いつでもが言おう上の問題として、緊張を高める仕掛けはあるだろう。もちろん自民党は民主党以上の右傾化政党であることが売りであるから、本家を主張して右傾化競争に入る可能性は高い。
原発推進を主張する政党には、愛国心を呼び覚ます以外の政策は考えられないと言うこともある。反原発勢力にはその受け皿となる、民主的政治勢力がない。平和勢力に力量がないということか。私は支持していうのだが、社民党の存在感の薄さ。このままでは、自分達の反原発感情からほど遠い所に日本の政治が行くばかりだという、怒りや、やり場のない気持ちが、反原発デモに人が集まり始めた理由だと思う。野田政権の打ち出した原子力規制委員会のメンバーの人選が、原発推進派を選ぶという驚くべき政策を打ち出しても、それに対して、疑問を主張するのは、同じ民主党の一部の議員という構図。反原発を主張する人が多数派の状況の中で、こんな対応をする馬鹿げた政府はあるだろうか。規制委員会が本来の目的の、安全性の強化をしたらまずいと考えていることを表明したようなものだ。
民主党の右傾化と言う事もあるが、自民党の極右化の穴埋めのような右へのずれ込み。どちらかと言えば経済優先思想から来たもの。経済競争の敗北と、資本の日本からの離脱への恐怖感。基本理念を失ってしまった政党の流れ着く淀み。3党連携による憲法改定の画策。集団的自衛権の明記。天皇の元首化。危機のすり替えを行う可能性が高い。