久野川のセシューム測定
久野川の水にはセシュームが含まれている。この事を確認した。正確に言えば、日本中の河川はいくらかのセシュームを含んでいるはずだ。それは、福島第一のものとは限らない。箱根山麓では、公的測定でもわかるように、土壌や樹木に平均的に100ベクレル降り注いだのだから、必ず川の水に流れ出ている。案外に早く流れ出て海に大半が出てしまうと考えている。すでに流れでた量の方が多いいかもしれない。濃度の濃い福島の河川では、そういう下流域の変化が出てきている。福島の河川の水の測定は森林総合研究所が調査を続けている。1リットルの水を採取して、その水をセシューム測定をしている。この方法は、ある意味で不検出の証明である。私が知りたいのは、1トンの水に1べクレルのセシュウムがあるかどうかである。つまり、1リットル当たりで言えば、0,001ベクレルの問題である。そうした微量なものでも、稲作には影響があるかもしれないと想像しているからである。しかし、それをどのように計測すれば可能なのかである。まずは、ゼオライトに1トンの水を流しいれてみた。これでは不検出であった。
改めて試みてみた。Kさんの提案で、Yさんが実際にやってくれた方法では、塩ビ管の中にゼオライトを袋状にして、2段に入れて、川の中に入れておく方法である。この塩ビ管の出口から出る水の流量測定を何度か繰り返し、1週間の間の塩ビ管の中を通過した水量を計算した。そして、一段目のゼオライト、2段目のゼオライト、をそれぞれ測定した。この実験では1段目と2段目では違う数字が現れた。確かに川の水にはわずかなセシュームが現時点でも存在する。(数値は一人歩きするので、ブログには書けない。)それは流域面積に対して、100ベクレルをかけて、流量とそこに含まれるセシュームの推定量で、流出の時間計算ができる。我々の問題はその水を利用する田んぼで何が起こるかである。着目点は、今後増えて行くのか、減少して行くのかの測定である。
1反田んぼに1日で5㎥の水を平均で入れるとする。玄米にセシュームを貯める期間を50日とすれば、250㎥の水が入る。もし1立方メートルの水に、1ベクレルのセシュウムが混入していれば、250ベクレルのセシュームが一反に入ることになる。500キロのお米が取れたとして、水からの吸着をかなり高く考えて、極端に半分あるとすれば、キロあたり0,25ベクレルということになる。久野川の水は、不正確ではあるが、これよりさらに低いようだ。しかし、玄米に0,1ベクレルでもあることが分かれば、食べない人は食べない。川崎では、3,8ベクレルのみかんを給食に出したというので問題化している。食べる側は、低ければ低いほどよいということになり、最後は0でなければ厭だということになっている。間違っているとは言わないが、生産者として物を販売するのが耐え難い。削減努力は出来る限りのことをする。その上で一定量以下であれば、喜んで食べてもらいたい。それでも駄目だというなら、道がなく、何とも言いようがない。
お米のセシュームの吸着は土壌からは少なく、お米を形成する時期の水からの吸着ではないかと考えている。あくまで素人考えの推論である。耕作法における対策は、水を半分に減らせば、セシュウムも半分になる。節水方式で行う。また、流入する水をゼオライトや、もみ殻によって吸着させれば、その分減らす事が出来る。水の取り入れ口付近に水路や溜池を作る必要がある。そこに玄米が出来始める時期から水を切るまでの時期を中心に対策をとる。もみ殻やゼオライトは袋に入れて、後で取り出せるようにしておく。取り出したら測定する。又、根が水根になり、表土を張っていると、水からの直接の吸収が起きやすくなるので、根は地中に深く入るように深く耕し、節水方式で管理した方がいいと思われる。後半、水漏れが起きた田んぼで、殆ど玄米にセシュームがないということが分かっている。特に穂ばらみ期以降の水の必要な時期でも、今年は節水した方がいいと考えている。良い方法を考えられる人は教えて欲しい。