関西電力に聞きたいこと。
関西電力によると、今年が猛暑で夏のピーク電力で16、3%の電力不足になるという事だ。日本全国で言えば、3%の電力不足になると政府は発表した。原発をすべて止めて、この程度の不足なら、何とかなりそうで良かったと思う。要するにピーク電力をどう下げるかが目標だろう。そして蓄電の方法と節電の対応になる。どうせ、暑い盛りの何日の事でもない。その為に慌てて原発の再開に飛びつくほどのことではない。今の政府と電力会社の作戦は、なし崩し的に原発を再開して、国民を慣れさせようという、戦略が丸見えである。だから、暑い夏に電力不足は人間の生死にかかわる、とまで官房長官は主張しているのだ。ついこの前までは冷房がない時代だった事を忘れたのか。何故、政府や経団連はこのように愚かに、杜撰に原発再開に持ち込もうとするのか。それは、安全というものをとことんやれば、手立てがない事を知っているからである。
原発事故以来、13か月半が過ぎた。関西電力には、今までに電力増強の為に、「どんな手を打ったのか聞きたい。」どれほ先の見通しのない経営者でも、簡単に原発の再開が出来るとは考えないだろう。代替発電対策を考えるのが、普通の経営感覚である。火力発電所を作るとか、大規模のソーラー発電所を作るとか、あるいは、社会全体に対してピーク電力対策に対する、電力の削減を投げかける。こうした事を何もしてこなかったと思えるのは何故だ。和歌山の火力発電所がまた故障である。昨年も何度もあった。わざとやっている気がしてくる。せめてこうしたことの対策ぐらいきちっと出来ないのか。小中水力発電所の新規の建設等、少しは考えたのだろうか。大型ビルや工場の非常用発電装置の活用など、徹底して当たっているのだろうか。昨年の夏は国民を脅かし、原発再開に道を開くための「広告節電」の傾向が強かった。炎天下に冷蔵の自動販売機が置かれている間は、節電など本気とは思われない。あんなものを認めておいて、国民に節電を呼び掛けるなど詐欺行為だ。
関西電力のホームページに供給力確保の取り組みというページがある。これを読んで、それなりにやってはいるのだと納得できる人が居るだろうか。私には何もしていないということが読める。指をくわえて、原発の再稼働を願っていたというだけのことである。それは安全を軽視して原発を運転することが唯一採算性に優れていると、思い込んでいたのではないかという事だ。自然エネルギーへの転換など、どこを見てもない。敦賀原発では、早急に廃炉に向けて進めなければならない。42年経過した一号機は耐用年数が過ぎたので再開しないのが基本。今度は2号機は活断層の上に建てられているかもしれないという事だ。今まで活断層が動かなかったことを幸運だったとしなければならない。浜岡原発だって条件は同じである。日本の国土で原発を作れる条件は、殆どないと言っても良い。敦賀の活断層を指摘しても、今まで聞く耳がなかっただけだ。地震国日本、津波国日本。この条件の中で、日本人は生きて行くしかない。
電力会社はこの1年を無駄に過ごした。競争のない会社だから安穏としているのだ。これが、競争があり、新しい自然エネルギーの電力会社に、負けてしまうとなれば少しは努力をする。何もしないでぼーとしていて、夏は電気が足りないので、原発の再稼働をお願いします。責任は私どもにはありません。と言っていれば済むと考えている。競争のない電力会社に自浄作用は期待できない。本来であれば、「一年間このような十分努力をしています。それでもこれだけ足りません。来年は必ずご迷惑をかけないので、夏のピーク電力の間だけ我慢して下さい。」これが、本来の企業としての電力会社の取るべき態度である。まるで、電気が足りない事を自分の会社の能力不足の為だという理解がない。