土壌放射能
本来なら作付前の4月中に行うべきだった。田んぼの土壌調査の結果が今ごろ出てきている。情報を出さない一番の原因は、政府が国民を信頼せず、風評被害やパニックに陥ると決めつけている所にある。農水省が稲の作付制限対象区域を設定する際の基準とした「土壌1キロ当たり5千ベクレル」の放射性セシウム濃度を超えたのは福島県内の40地点で、面積は推計8300ヘクタールにのぼるという。これからさらに詳しい、土壌放射能汚染地図を作ると言うが、一番深刻な時に何故行わなかったのか。あるいは行って居ながら公表しなかったのか。この間食品から来る健康被害があれば、過半の責任は政府に存在する。
コメの作付けを制限していない地域で、5千ベクレルを超える放射性セシウムを検出した畑が福島県で計9カ所あった。これはまさに行政の間違った政策の結果である。調査した全地点の最大値は同県浪江町で2万8041ベクレル。2万ベクレルの地域で作付がされていたのかが問題だ。福島県を除く5県の最大値は、宮城が丸森町の2215ベクレル、栃木は那須町の3971ベクレル、群馬は東吾妻町の688ベクレル、茨城は利根町の632ベクレル、千葉は流山市の777ベクレル。調査は警戒区域を含む福島県内361地点と宮城、栃木、群馬、茨城、千葉の各県計218地点の計579地点で実施。土壌調査とお米の残留放射能調査を連動して行なわなければ、このデーターは生きてこない。移行計数はかなりのサンプルが集まらないと本当の数値は出ない。やる気があるのか本当に歯がゆい。
立ち入りが制限されている警戒区域や計画的避難区域で、チェルノブイリ原発事故での強制移住基準(1平方メートル当たりの放射性セシウム137が148万ベクレル)を超える汚染濃度が測定されたのは、6市町村34地点に上ったらしい。これは深刻なことだ。このデーターが管総理の発言になったのだろう。20年住めない地域はかなりの面積になる。住民の被曝ひばく線量などを把握するのが狙い。福島県大熊町の1平方メートル当たり約1545万ベクレル。セシウム134と合わせると、同約2946万ベクレルとなった。同300万ベクレル超となったのは、セシウム137で同町、双葉町、浪江町、富岡町の計16地点に上った。高い濃度の地点は、原発から北西方向に延びており、チェルノブイリ事故の強制移住基準を超える地点があった自治体は、飯舘村、南相馬市を加えた計6市町村だった。(以上大半が報道からの転記)
今後さらに詳しく土壌調査をしてゆくらしい。是非神奈川県でも行って欲しい。行わなければ何も見えてこない。お茶の出荷停止がまだ継続されている小田原で土壌調査をしない理由が分からない。実は、理由はわかっている。計らなければ放射能はないことになると考えているのだ。そういう市町村が沢山存在する。行政は本根では事なかれである。経済が中心で、住民の安全など2の次である。そうでなければ計るのが当たり前のことなのに、責任をたらい回しにしている。今回の福島原発の事故で、このことだけは身にしみて記憶しておく必要がある。それは行政と言うものの抜けがたい性格である。建前では安心安全など、何万回でも述べるが、いざとなったら全く当てにしない方が良い。それは人間と言うものはそういう、自分の御都合で動くものである。よほど特別な偉人ない限り、わが身を捨ててというようなことは期待しない方がいいということである。普通の人には、弁解は山のように用意されているのだ。