舟原雨量計
舟原には雨量計がある。雨が降り出すと、何度も見る。見ると言っても出かけるというのではなく、パソコンの画面で見れるのだから、有難い。箱根から南足柄まで雨量の細かな変化が分かる。これでこの後の舟原の雨量の変化、久野川の水量の変化が予測できる。こういうことは農業をやっているものにはどれだけ有難いことかわからない。多分行政も防災に使っているのだろう。ところがこの雨量計が、先日の小田原で時間雨量の新記録が出た時に、舟原は壊れていたのだ。全く肝心の時に役に立たないのだから、がっかりである。危険を押して水源を閉めに行った。その前に見て置こうとして、出来なかった。それでこの雨量計を管理している。神奈川県の方に、連絡を入れた。そうしたらきちっとした対応をしてくれた。以下がその時のメールである。
平素より神奈川県雨量水位情報のホームページをご利用いただき、ありがとうございます。
お問い合わせの舟原観測所(小田原市久野)の雨量値の表示について、回答いたします。
舟原観測所の雨量値は、雨量計から得られた雨量値を無線機を用いて県小田原土木事務所に送信し、県の通信網によりインターネットにて公開しています。
無線機の電源は東京電力の配電網が付近にないため、太陽光発電設備を使用しています。
雨量値が表示されないことが度々あることの原因について調査しましたところ、バッテリーの劣化により蓄電が十分に行われず、曇りや雨の日、夜間に無線機が停止し、観測所から雨量値の送信ができなくなっていることが判明しました。
今後、バッテリーを交換いたしますが、バッテリーの納入には、1ヶ月以上の期間を要するため、10月末頃に復旧する見込みです。
それまでの間、ご迷惑をお掛けしますが、何とぞご了承くださいますようお願いいたします。
なお、今回の回答に当たりましては、河川課 防災グループ ○○(電話)が担当しましたことを申し添えます。――以上引用
有難い返事をいただいた。行政からこれほど明快できちっとした対応をしていただいたのは、初めてのことで感激してしまった。どの道おざなりなことなかれで終わると思っていたのだ。本当に失礼な思い込みであった。行政は変わってきている。
田んぼをやっていると雨量計はとても役に立つ。箱根に降る雨と、舟原の雨では降り始めも、雨量も全くに違う。舟原で何時ごろから降るかも少しわかってきた。小田原土木の雨量計と舟原でも違う。最近のゲリラ豪雨では地域差がとても大きい。小田原市役所で新記録の雨量があったが、実はもっと大きな雨量を舟原では依然記録した事がある。その時は土砂崩れが何か所でも起きた。今回、そういうことはなく、市役所の方で記録的豪雨だったのだと思う。この時は小山町や山北町から南足柄にかけて、さらなる豪雨で友人の養豚場でも土砂崩れが起きた。昭和38年の豪雨に匹敵するものであったようだ。実は38年当時は正確な雨量記録が無く、比較はできないのだが酒匂川の氾濫や塩沢川の崩壊などからの推測であるが、今回以上であったのかもしれない。記録とは今後の災害対策にとても重要なことである。先日も最高気温が草に覆われていて取り消しになったところがあるが、こんないい加減なことでは肝心な場面で役に立たない。この程度のことは、地域の人にお願いできないものだろうか。舟原でやることがあるなら引き受ける。
八ッ場ダムの建設中止問題でも、利根川のもとになる、治山治水の総合計画の基礎データーこそ重要である。山の雨量と、川の流量が正確に積み重ねられることで、山の持つ保水能力の変化が表れて来る。山北の沢水生活の経験で知ったのだが、山の樹木はわずかな植樹や木の成長で全く変化してくるものである。一年で変わる場合もある。すべては現場のデーターの地道な積み重ねである。数値というものは長いこと睨んでいると、見えて来るものがある。今年の六月の水温の上昇変化が、何を意味していたのか。その後の異常高温を含めてとても気になっている。一年間久野川の水温測定するだけでも、いろいろのことが分かるはずだ。誰でもやれることなのだから、市民が取り組むというのはこういうところからではないだろうか。私がやっているのは、田んぼの取り入れ時期だけである。