鳩山首相の沖縄
鳩山首相は一体どういう人間なのだろう。底抜けな善人なのか、愚公なのか。もし腹案がこの普天間から辺野古への杭打ち移設案だったとしたら、腹案などという程のものではない。これまでの進め方は、沖縄県民の神経を逆なでし続けていることに、気がつかないところがすごい。徳之島案の進め方もまるで策がない。この流れは全てが、稚拙なパフォーマンスの結果というしかない。善人としたらまことに困った善人だ。確かに沖縄県民に負担を押し付け続け、何も省みようとしなかった自民党政権よりは、増しではないかという意見がある。そう考えられた時はあった。しかし、この経過を見ると、思いつきで、最悪でも県外移設と言ってしまったことを、ただ周囲に丸投げしただけである。そうして育ってきてしまって、乳母日傘で3文安いだけのようだ。こうなると、親から毎月1500万円もらっていても、何も知らなかったが本当に見えてきた。
愚公移山で貫いてくれるならまだいい。馬鹿馬鹿しいほど簡単な引き際だ。ボクも、頑張ったつもりですが、無理でした。これで済む訳がない。残り時間は1ヶ月と自ら線を引いてしまい。間際になって、兼ねてよりの見え見えの腹案とやらを持ち出すのでは、交渉にもならない。何年かけても沖縄から、基地は無くすと愚公をやってもらいたかった。ああ疑いたくもないが、交渉はしたのだろうか。本気でアメリカと交渉はしたのか。交渉というのは、何と交換するのかだろう。汚染牛くらいなら、全部買いとってもいい。心配だったのは本土の沖縄化だった。東京周辺に米軍基地を集中させたいぐらいに、アメリカは考えている。アメリカの前線基地として、どこに置いておくのが、最善かだけを考えている。騒音被害とか、基地の危険性など、アメリカには関係がない。アメリカが怖いのは日本人の反アメリカの動きである。
外交交渉になっていないのは、アメリカがいかに理不尽であるかを、国民に分かるように交渉しないことである。体裁だけではだめだ。日本が本当にアジアに軸足を移します。日米安全保障条約はこのままなら破棄します。この姿勢を見せない限り、交渉にも何もならない。アメリカの軍事力の後ろ盾は欲しい。これが見えてしまえば、交渉にならない。報道も分かっちゃいない。ポーズだろうが、やらせであろうが、アメリカに帰ってもらおう。こういう世論を作り出す必要がある。仲良き事は美しきかな。では外交交渉にならない。日本は最も信頼できない国。これがアメリカ人の奥底には眠っている。ここを刺激すること以外、沖縄の負担軽減はない。本土復帰ご40年の方が、占領下25年よりもさらにひどい仕打ちといえるだろう。何の努力もしなかった自民党政権。そして、ポーズだけの民主党政権。
悪いもの(フセイイン)とさらに悪いもの(アメリカ)は、比較の仕様がない。イラクの人が言っていた事は日本の事だった。沖縄に対して、何もしなかった日本人全てが良くなかった。沖縄県民の人権侵害の放置は、日本人全ての行っている事だ。私もその一人だ。何が出来るのか、何が行動できるのか、真剣に考えなければならない。そうしなければ、鳩山さんへの批判は天に唾することになる。それにしても、自民党の谷垣氏の鳩山批判には、ビックリする。辺野古移転だけを主張している自民党が、なぜ、鳩山氏を批判できるのか。対案として何か自民党案を言うならともかく、5月末の約束が守れないなら、退陣・退陣では情けない。努力もしなかった自民党よりはこれでもまし。国民が怒っているのは、努力の仕方の拙さである。出来ない事は言わない自民党はさすがだ。まさかこんなことを思う人は居ないだろう。
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