ワシントンポストの記事
4月14日アメリカで行われた核安保サミットに、鳩山首相は参加した。日本が唯一の被爆国としてこの会合に期待するものは大きかった。昨年12月準備会合を東京で開催している。準備会合には米のほかインドやパキスタン、イスラエルを含む計43カ国と国際原子力機関(IAEA)など国際機関からも参加した。核安保サミットでは、日本は核兵器を持たない原子力平和利用大国という立場から、貢献すると表明した。日本政府は核鑑定や人材育成を提案した。茨城県東海村の日本原子力研究開発機構にセンターを設けて、アジアを中心に専門家を受け入れ、原子力施設や核物質の保全、防護の教育をする。国際原子力機関(IAEA)に資金提供するプランも示した。だがサミットで、日本の存在感は薄かった。鳩山由紀夫首相は昨年九月の国連安保理会合で「唯一の被爆国として核廃絶の先頭に立つ」と誓った。今回は非核化への貢献をいっそうアピールできる好機だったが、生かすことは出来なかった。
ワシントンポストでは、日本の総理大臣に対し、異例とも言える揶揄を掲載している。もちろん普天間の戦いが背景にある。愚かな日本の報道は、アメリカの報道の尻馬に乗って、日本の総理大臣を愚弄している。情けない。鳩山総理の問題ではない。核兵器廃絶の事だ。核兵器と言うと日本に対して特別な反応が起こることが、アメリカの常である。唯一核兵器を使用した記憶が蘇るからであろう。その日本の首相の行う、核廃絶へのアピールはアメリカ批判と単純に感じてしまう、アメリカがある。ただでさえ、神経を逆なでするような状況下で、普天間を無理やりに持ち出した、鳩山首相に対し日本人であるなら、深く感謝しなくてはならない。宇宙人でもなければ、あの夕食の場で、必死に追いすがり主張はできない。立派な事である。アメリカの報道の傲慢さは、自由に使える占領地域という、勝者意識がありありと感じられる。
最大の敗者と指名された、鳩山首相は何を負けたのであろうか。プロレスのミスタートウゴウのような反則負けなのか。アメリカが自由に使える基地は日本に一つとしてあってはならない。アメリカがこのように日本を軽視している以上、日本は覚悟して、日米安全保障条約の見直しをすべきだ。アメリカ軍事依存がこういう、日本を属国と思い込ませている。アメリカはアメリカの為に、極東に基地を持っている、これが基本的立場。普天間移転は辺野古沖以外ない。こう繰り返す根拠は明確ではない。なぜ、他の案が考慮に値しないのかすら示さない。何故、日本国民はアメリカに対して怒りを向けないのか。アメリカは日本人が、アメリカの軍事の方針に対し、意見を言う事すら許す気が無いのだ。長い自民党政権時代に作り上げた、アメリカの植民地的日本像である。日本は軍事に関して、たぶん、全ての分野で、意見を言えるような関係ではなかったのだ。
経済さえよくなれば、日本と言う国家が少々屈辱的状況であれ、かまわないと言うのが、戦後の日本の来た道である。戦争に負けて、経済で勝つ。しかし、戦争に負けてアメリカに占領されることで、日本に起きた状況は、意外に鬼畜米英ではなかった。むしろ、その後のアメリカの手先となって、すばしっこくお金お金と走り回ることで、失ってきた日本国の尊厳の方が大きい。占領と言う屈辱をバネに、経済に活路を見出そうとした、日本の方向が間違えと言う事ではない。アメリカと言う虎の威を借りた状況を、延々と続けていることが良くない。軍事をただ乗りして、経済で有利に動く日本。このイメージが定着した。だから、軍事について日本が口出しするなど、許せない気持ちがアメリカ人にある。そう言う事が、あからさまに出た、ワシントンポストの記事だ。