法人税の赤字
09年度の一般会計税収は30兆円台後半にまで落ち込む見通し。企業への還付金が税収を上回り、一兆3075億円の“赤字”に陥った。実績に基づく前納分が、納め過ぎだった。要するに急激な企業業績の悪化。税を納めないどころか、返してもらう企業が増加して赤字になった。それにともない政府の財政の悪化はさらに進む。赤字国債ばかり出し続けてきた日本政府の、公共事業政策がついに、世界でも最悪の財政の国に日本をしてしまいそうだ。IMFが主要20カ国の財政見通しを発表した。日本については2009年の財政赤字が国内総生産比で10.5%と予測し、14年時点の一般政府の債務残高は対象となった20カ国で最も高いGDP比245.6%。前回より6.4ポイント悪化した。
鳩山首相は、44兆円以下の国債発行にしたいと、予算委員会で約束をした。しかし一般には到底無理であろうとされている。予算の概算要求規模が95兆円とかで、小さな政府どころか、自民党以上の放漫財政を表現している。法人税が赤字、当然所得税も大きな落ち込みなり、税収は30兆円台になるらしい。月収30万円の家庭が、毎月40万円借金しようと言うのだ。しかも累積の借金は6,800万円すでにある。亀井大臣なら、返済猶予を言い出すところだ。どう考えても普通の事ではない。44兆円と言うのは麻生政権を超えないという事らしいが、もう一円たりとも借金が出来るような状況でない。借金を返せるあてもない中、さらに借りようという状態。借りた金で子供手当、あるいは年寄りの医療費。もうそれどころではないと思う。高速道路は無料化。石油税は廃止。民主党に変わり、少しは目が覚めるかと思いきや、相変わらずの垂れ流し路線である。
経済が回復すれば何とかなる。こういう考えは一日も早く、捨てなければならない。日本が高度成長期に戻るような事はない。世界を、歴史を考えれば、至極当たり前の事だ。早く目を覚まさなくてはならない。日本人だけが優秀で、競争に勝つと考える事が、天孫民族の愚かさだ。オリンピックを見てみれば、日本人だけが優勝している訳ではない事が分かる。あれほど強かった、東ドイツが今やどこに行ったのかと思うほどだ。世界経済が競争状態で、日本が有利性を発揮できた環境はなくなり、ごく普通にやるしかなくなった。身の丈の暮らしをすると言う事。今ままでの暮らしを維持したままという訳に行かないのだ。この発想の転換ができないでいる。世界中の国家が日本になったらどうなるか、考えてみれば全ては分かる。にっちもさっちも行かないで、世界は忽ちに崩壊しているだろう。金メダルは限られているのだ。
日本の幸いは、国土の豊かさである。何とか8000万人くらいなら、普通には暮らして行ける。少子化を是否進めることだ。国が強制しなければ、人口爆発が止められない国が多いなか、ありがたいことではないか。自然減で人口減少を進められる。年金が維持できない。こんな寝言を言う輩が居るが、さらに次世代に負担をかけようというのは、ひどい話だ。借金は残すは、老後の面倒を見ろでは見捨てられる。江戸時代という太平の300年は世界史史上希な、実践を実現した国である。鎖国をしろというのではない。よその国に物を売らないでも生きて行ける国になろうと言う事だ。この豊かな国土は、一日1時間の労働で食糧の自給を可能にしてくれる。化石燃料が全く手に入らなくても、可能だ。週一日を自給の日にすれば、後は普通に他の事で働ける国なのだ。こんなに恵まれた国は他にはないだろう。今日本人が受け入れる事は「あきらめる」と言う事を認めることだ。出来ないという事実を受け入れる事。