ごみは解決できる。

   

小田原市から「ごみ処理広域化の考え方」と言う冊子が出た。正確に言うと、小田原市・足柄下地区ごみ処理広域化協議会からだされた。この組織は小田原市役所内に存在し、各行政から担当者が出向し構成されている。この考え方に対して、総務常任委員会で、充分な議論がなされたとはとても思えないまま、了承されたらしい。採決があったわけではないし、スルーという感じだった。ごみが素晴しいのは、市民が成熟できる課題であるからだ。では、本当はこの考え方に対し、何を議論すべきであったのか。この点を指摘したい。熱回収施設という名の「ごみ焼却施設を小田原市に置く。」と決めた理由。本来都市計画の中で決めるべきことである。1市3町どころかさらに広い南足柄や、足柄上郡を含めた。広域化も同時平行で検討されている。この地域の全体性を先ず眺める必要がある。結論としては、焼却施設は工業地域におくべきと考える。

住居地区、工業地区、商業地区、農林業地区、魚業関連地区、観光関連地区、水源地域。人口の濃度の今後の展開予測。首都圏全体との交通。港湾との関係。そしてどのような未来図に基づき、ごみをどのような位置づけの物として考えるか。ごみは資源であると言う言葉があるが、ごみは今後より高度な、選別と、処理が必要なものとなるであろう。ただ燃やせば良いとか、熱回収という名の10%程度の熱回収でお茶を濁していて良いのか。こう言う根本問題から、始める必要がある。環境が産業になる時代だ。32年に稼動を開始したときには、時代に合わない方法になっている可能性がある。大きく俯瞰すると、再生できるものは、資源としてより再生に回るであろう。生ごみの堆肥化は紆余曲折はあるにしても、少しは進むであろう。又、環境意識の高まりと共に、今以上に温暖化の問題や排出物質には、配慮が必要になる。そうした将来図に基づき、設置場所、処理施設の内容、全体の流れを考える必要がある。

重要な所は、経済性である。経費が、15年で見ると320億から、233億円に減少するとしている。これは施設の比較に過ぎない。はっきり言って嘘の数字である。本当の所は、廃棄物会計を1市3町で行い、広域枠でも行って見ない限り誰にもわからない。今の所資料がなく、解らないはずのものを、「安くなるメリットがある」と示していることは、大きな罪である。ごみについては、その不都合デメリットも含めて市民に示し、どうしましょうと共に考えない限り、後退するだけになる。小さく脚注として、「※生ごみと選定枝の資源化の方法によっては、堆肥化施設などを整備することがあります。」とある。実はこのことが、全てをかえる可能性がある。ごみの半分がなくなる。このことを早急に検討することが全体にとっても、緊急課題である。

私案としては、
1、今の三つの焼却炉を総点検して、残存利用可能期間を見定める。できれば、メンテナンスを順次おこなう。
2、廃棄物会計を行う。
3、焼却を最小限にすることを基本方針にすえる。
4、堆肥化施設を早急に作り、実行の可能性を探る。
5、他地域と緊急時相互協力契約を結ぶ。

小田原の農業地域に生ごみ堆肥化施設を小さくいくつか作る。3町にも堆肥化をお願いする。これには農水省系統の様々な補助制度がある。その位置は、農地の配置できめる。そして、どの程度まで堆肥化が可能か、検討を進める。まず、生ごみと呼ばれる資源の中で、飼料化できるものであれば、飼料施設に回す。これには経済性が重要になるので、出来れば民間企業への委託も考える。堆肥になるものは、堆肥化施設に回す。両者に使えない物は、焼却処理。生ごみの堆肥化は、単一の手法では難しいので、様々な手法を実験的に行ってみる。この結果、どの程度の生ごみが減量できるか試す。平行して、堆肥の利用農家への呼びかけを行う。全体が経済の合理性に従うよう仕組みを工夫する。生ごみを分別する努力が、報われなければ、生ごみの堆肥化は進まない。

昨日の自給作業:お茶の草取り1時間 累計時間:36時間

 - 環境関連