イラク派兵・違憲判決
名古屋での高裁判決が出た。イラク自衛隊派兵は違憲と言う事だ。この裁判は支援者の1人として、参加してきた。全国で同様の裁判が起こされたが、名古屋が最初の訴訟だった。そこでこの裁判の支援者の1人になった。1100人が起こした訴訟である。ついに判決まで、名古屋には出かけて行けなかったが、「自衛隊イラク派兵差止訴訟の会」からのメールニュースが逐一届けられ、頑張っている様子は伝わっていた。1月31日に結審し、いい判決が出そうだと言う事は、高裁で、実質審理を行ったということで、予想されていた。名古屋のメンバーの活躍は目覚しいものがあった。良くあるパターンとして、最高裁で覆るのだが、今回は、名目、国勝訴で、実質違憲判決という。素晴しい形となった。つまり、国は慰謝料など出す必要はない。という判決だ。しかし、憲法判断に主文で踏み込んでいる。
判決は、多国籍軍の武装兵士を輸送する航空自衛隊の活動について「憲法に違反する活動を含んでいる」として違憲との判断を示した。現在のイラクの状況について「泥沼化していて、国際的な武力紛争が行われており、イラク特措法でいう戦闘地域である」と指摘。空自が米国からの要請を受け、2006年7月以降から実施しているバグダッド空港への空輸活動について、多国籍軍の戦闘行為にとって必要不可欠な軍事上の後方支援を行っていると認めた。
その上で「他国による武力行使と一体化した行動であって、自らも武力の行使を行ったとの評価を受けざるを得ない」と述べ、「イラク特措法に違反し、かつ、憲法9条1項に違反する活動を含んでいる」と認定した。
やはり、憲法9条の力だ。これが無ければ、当然今回の判決は出なかった。今回の判決は、これからの国の動きに対し、枠をはめた事になる。自衛隊に対する違憲判決が確定したのは、初めての事だ。町村官房長官はこの判決を不当だとしている。泥沼化しているイラクを、バクダットを、戦闘地域でない。こう強弁している。そんな個人の感想はどうでもいいのだ。法事国家である以上。町村氏の個人的見解で、政治を行うの訳ではない。判決が出た以上、従うのが3権分立の憲法規定だ。それは個人であれ、国家権力であれ、当然の事だ。それでも従おうとしない。つまり、国民に対し、権力者は法を破ってもいいという事を、自ら示そうと言う事になる。4月11日最高裁で、イラク派平反対のビラを自衛隊官舎にポスティングしたことでの、住居侵入が確定した。不当判決ではあるが、罰金は払わざるえない。それが一般国民の止む得ない対応だ。
イラクが、現状のような泥沼になることに対し、一役買ってきたのが、日本政府だ。この現実を正面から見て欲しい。フセイン時代が良かったと言う事ではないが、フセイン政権時代より、イラク人の暮らしが、さらに困難に成った。これはイラクから来て証言する人達、全てが発言するところだ。悪いものと更に悪いものとを較べて、判断しろといわれても困る。こう言われた。イラクでの航空自衛隊の輸送活動が、違憲であるとされたのだから、即刻引き上げてもらいたい。アメリカの顔色を伺って、こんな事を続けていたところで、何の益もない。日本という国家の国際的信用を失うばかりだ。チベットの問題でも、日本政府は実に曖昧だ。姿勢を示す事ができない。気配りはいいが、強い者の顔色だけを窺うだけでは、国家としての信頼は結局得られない。