米不足が近づいている。
アジア各地で「米騒動」が起きている。米需要の増加に生産が追いつかず、インド、ベトナムなどの輸出国が自国優先で輸出をストップしたことが国際価格を急騰させた。輸入に頼る各国で買い占めや米不足が表面化、庶民の暮らしは大揺れだ。政府は慌てて米増産を打ち出したが、需給の逼迫(ひっぱく)感は止まらない。配給に殺到 比国では米の配給に殺到する人、人、人――。世界最大の米輸入国フィリピンで「米有事」が勃発(ぼっぱつ)した。(日本農業新聞)
日本でも2007年の畜産向け飼料米の販売が、前年より30%増加した。2008年は倍増する可能性もあり、作付けが一気に増えそうだ。以前より、備蓄米から飼料米へ転換する手法が、食糧安全保障の上でも、重要と主張してきたが、現実化してきている。
WTOの食料完全自由化構想が、いかに、間違った方向であるか。世界の食糧需給は、食糧不足が始まる前提で考えなければならない。WTOに於ける食料の自由化は、アメリカの農業生産を背景にした世界戦略として作られたものだ。日本はアメリカに全てを便乗して、工業製品の販売を、最優先として経済を構想している。その為に、日本にとっては国益でない、農業のグローバル化を受け入れる事になった。しかし、ここに来て、世界の食糧事情が、変わり始めていることが、目に見えるようになった。地球規模で考えれば、食料はあまっていたわけではない。食糧の増産より、人口の増加の方が早い。しかし、購入できる国は限られている。WTOの自由化構想では、世界の食料格差がより拡大する事が明白だ。石油の高騰に伴い、農産物も工業製品になった。石油は更に値上がりするだろう。エネルギー輸出国が、農業国という図式が当然になる。
食料は、特に農産物は別枠で考えなければならない。各国が、食糧生産に見合う、人口の維持を図る必要がある。日本の食糧自給が、39%と言う事なら、人口を今の39%にしなければ成らない。基本的食料は輸出入すべきでない。アメリカも、何も食料輸出しなくても、エネルギー輸出国に成ればいい。WTOに変わる、食糧の枠組みを決める組織が必要になっている。このままでは、農業基盤の弱い国の農業は崩壊してしまう。農業は人間が行う事だ。食糧生産は暮らしと密接に結びついている。その範囲で行う事が、地球が安定して生き延びる、根底にある。資本主義経済の、拡大再生産が不可欠な構造では、食糧には相応しくない。食糧生産はその国独自に管理すべきだ。農業生産に余力があるなら、輸出でなく転換する方法を考えるべきだ。
今年のお米の作付けも、減反政策が続く。米が余っているといっても、米を食べなくなっただけで、他の物を食べるだけだ。食料があまっているわけではない。これから、輸入穀物は、うなぎ上りに値上がりする。蕎麦でもうどんでもパンでも、みんな輸入なのだ。しかし、こういう報道の中現実はどうか。小麦を作るとすれば、60キロで36000円は欲しい。平成18年産小麦の政府の売り渡し基準額が「60キロで8040円」です。大暴騰していると言われるシカゴ先物市場の価格を当てはめるとそれが「60キロで2000円」ほどでしかない、という事が判ります。 つまり、これほど日本の小麦生産費は、現実離れしているのです。上がったとは言え、農家の生産費とは、かけ離れています。小麦のように、政府が農家保護をしているとは言え、現実には、保護にも何もなっていないことがわかる。高い小麦を食べさせられることで、消費者が被害を受けているような主張がある。そういう消費者は、食べるものがなくなったとき。やはり被害者のように主張するだろう。
自給の作業:書き忘れて、16日、17日、18日と2時間ずつ。草刈が主な作業。畑の中の草刈で、本来なら、草取りというべきところ。 累計時間24時間