小田原市の絵画ギャラリー
小田原市の絵画展示会場は、残念ながら大変みすぼらしい現状だ。私には絵がかわいそうで展示する気になれない。照明の状態が悪く、色を正確に見ることが出来ない。現在は、中央公民館と、市民会館に一応はある。会議室に絵を展示するという状態だ。日本全国様々な20万都市があるが、小田原より、絵画展示のスペースの貧困な町が、無いことだけは確かだ。もし、あるならば、教えてもらいたい。
20万都市といえば、近辺では平塚市、厚木市、茅ヶ崎市、沼津市、などがある。平塚には立派な美術館があり、比較するのもおこがましい。厚木は文化会館に、420平米のギャラリーがある。その他3箇所に普通のギャラリーがある。
沼津市はどうだろう。225㎡のギャラリーが市民ホールにある。その他千本プラザの多目的ホール。小田原よりだいぶいい状態だ。
問題は、今後の展示スペースの改善の予定もないという事だ。今かろうじてある。市民会館の暗い展示スペースも廃止される。新しい、城下町ホールが出来れば、遠からず閉鎖される。それならと、考え出されたのが、城下町ホールの小ホールを展示スペースとして、共用使用しようという考えだ。今時、単独のギャラリーでも、展示の条件が厳しく要求される、芸術分野の状況だ。どうして、音楽の小ホールと共用できると考えるのだろう。これが小田原の文化行政の現状認識レベルだ。
絵画スペースがなくなることの言い訳のような形で、小ホールの中に、ギャラリーを併設すると言う。この発想の貧困は何処から来るのだろうか。市役所の担当部署を訪ねて聞いてみた。担当の、職員の文化レベルが、申し訳ないが、世間の文化の現状まで届いていない。平塚やら、厚木のギャラリーは、見たことが無いのだろう。話していて、外国の人と話しているようだった。同じ20万都市が、どんな文化施設を持っているか。全く知らない。そんなことは私の仕事ではないと嘯いている。何故、小田原に文化施設が何も無いにもかかわらず、借金は山ほどあるのか。少し解ってきた。
今度作ろうとしている城下町ホールは、一般の音楽ホールに較べて、安く出来るわけでは無い。ムシロ高いという事だ。奇抜なデザインが、建設費をべらぼうに高くしている。お城の前に、ガラス張りの前衛的な建物を建て、城下町ホールだ。その上、土地が充分じゃないから、更に経費がかさむ。
ギャラリーは、小ホールと併設。これは節約じゃなくて、音響や、照明や、特別なエレベーター、無理な搬入路で、費用は増えるばかりだ。建設業者の罠にはまり込んでいる。
城下町ホールは規模からしたら、土地に余裕が無い。周辺の土地の手当てがつくのか見極める必要がある。場所の変更、目的の変更も考えないと、大きな無駄遣いになる。
ギャラリーは海の見える丘に設置したい。外光を上手く取り入れて、景観を贅沢に使う。他の地域には無い、すばらしい展示スペースができるはずだ。空間の広さ、豊かさが、展示スペースでは大切なことだ。小田原には他にはまねのできない、明るい空間がある。
丘の上には美術館を作る、適地はいくらでもある。費用などかけないでも、神奈川県1の絵画展示スペースが出来る。そうすれば、あそこで個展をやってみたいという作家が集まってくる。小田原の作家も誇りを持って地元で作品展を行い。他地域から人に来てもらう事ができる。