国家情報局の新設

高市内閣は国家情報局の新設を提案した。「インテリジェンス司令塔機能の強化」と官房長官の木原氏は説明した。「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境において、国益を守り、国民の安全を確保するためには、インテリジェンスに関する国家機能の強化が急務だ」と強調した。
戦後最も厳しく複雑な安全保障環境、と言う認識が少しでもあるなら、中国との間で、平和の構築の為の努力をすべきだろう。わざわざ、高市氏は中国を怒らざる得ないことを発言して、対立を深めているではないか。その背景にあるものは国防費を倍増しようというもくろみである。
この戦後最も複雑で厳しい安全保障環境を作り出しているのが、高市政権の登場である。中国はなるたけ穏やかに進もうと、首脳会談で強調したにもかかわらず、穏やかになったらば、困るというのが、高市氏の方針である。国民に脅しを架けようと考えて居る。
高市トランプ会談では、中国との緊張を高める作戦を打ち合わせている。アメリカの手先になって、中国と戦う覚悟を語ったのだ。トランプの作戦は、中国との経済戦争に勝利するのが目的なのだ。台湾軍事侵攻を引きづりだそうとしている。台湾や日本はアメリカファーストの犠牲になれば良いと考えて居る。
政府は内閣情報調査室(内調)を格上げする形での創設を想定。トップの国家情報局長は、外交・安保政策の司令塔を担う国家安全保障局長と同格とする方向ということだ。日本にはCIAがないというのは、不自然なことだった。情報管理は軍国化の抑制のためにも必要な部署だ。
では日本版CIAが本当になかったかと言えば、商社や広告会社をとおして、情報収集をしてきたと考えることが自然だ。そのために、企業と自民党がお金でもつながる関係になっているはずだ。自民党が企業献金を廃止できない一つの理由のはずだ。
秘密機関である以上、外部委託ではなく内閣直属の方が良い。内閣が、情報局を持つのは当然であり、しっかりしたものを作らなければならない。日本は平和主義という特殊な国である。その特殊性を発揮するためには、よく聞く耳、とよく見る目が必要である。
その場合に、どこの国でもそうであるが、海外情報局と、国内情報局が存在することになる。この国内情報局が現内閣の維持のために国民誘導を行っている。NHKの支配などもその一つである。また、自民党の好感度を上げるための、洗脳を広告会社に裏で依頼しているのではないか。
内閣情報局が世論調査を行い、民主主義を軽視して、内閣の望む政策の実現のために、国内の世論形成を扇動する可能性を防げないと言うことだ。しかも、SNSを利用して誘導を行うやり方は、極めて危険なことになる。すでに、SNS選挙が言われるぐらいなのだから、当然小ずるい知恵者はその工夫に必死なはずだ。
中国を怒らせた高市政権に対して、中国は国内世論誘導に躍起である。中国に交渉に向かった金井局長に対して、玄関先で国民服を着た不遜な態度の人物が、両手ポケットで鼻であしらっているような映像が、中国国内で流されているという。
はたして、高市政権がしたたかな中国に対抗できるだろうか。「日本の株価が大きく下落した」「中国人旅行者が大幅減すれば損失は巨額」。「韓国も竹島問題で抗議」などと中国での報道が行われているそうだ。首相答弁に対する中国政府による事実上の対抗措置が、日本に与える「打撃」を国内外に知らしめ、自国の対応を正当化する狙いがある。
中国は世論操作を常に行っている。日本に行けば中国人が危ないという理由はどう考えても、日本の現状から考えれば虚偽報道である。高市氏を危険視してきたはずの中国が、この機会にとことんへこませてしまおうという姿勢なのだろう。
高市氏はそれに対して、さらに中国の危険性を表面化させようとするはずだ。発言を撤回して謝罪するなど行うことはあり得ない。下手なことをしないでくれれば良いと思うが、中国は危険な国だと、日本人に認識させるための、手段に出ると思われる。これは最初から想定されている筋書きにい違いない。
連携している石垣島中山市長は高市発言は正しいとわざわざ発言して、さらに石垣市民を不安にさせている。日頃、尖閣諸島に上陸させて欲しいと主張しているから、もしかしたら、灯台の設置調査と称して、尖閣は篠一部なのだからと、出かけてしまうかもしれない。
これからが情報戦で、ここに馬鹿な事件が暴発しなければ良いかと思う。次に中国政府が採る政策は、レアメタルの輸出禁止であろう。これはかなり日本企業には痛手になる。トランプもこれで黙って引っ込んだ。中国の無理には誰でも従うしかないのだ。
どちらの国にも、おかしな輩がいる。中国に暮らしている日本人のかた方は本当に気をつけて貰いたい。中国が日本にいる中国人が危険だという表明は、中国にいる日本人が危険になっても良いのかという、通告なのだ。中国政府にはそういう捨て駒はいくらでもいますよ。と言うことかもしれない。
内閣情報局の設立は正しいことだと思う。問題はその扱いである。プーチンはそういう組織出身と言うことだ。日本で、いわば行動が見えない組織が産まれ、予算の使い方も見えないときに、その組織をどのように管理して行けば良いのかである。
たぶん内閣に直属する組織と言うことでは、危険である。高市氏が何をしでかすか危うくて成らない。内閣とは距離を置いた、第三者機関として情報収集を行う必要がある。いわば、会計検査院のような独立性の高い機関でなければならない。その任命権も内閣に持たせない方が良い。トランプのように、人事で動かそうと言う人が出てきても困る。
戦前の軍国内閣では、内閣情報局は存在した。国策遂行を強化する為に行動して、国家の広報宣伝、出版統制、言論・報道への指導・取締りなどを強化するため、各省庁の情報業務を一元化した。国策遂行の基礎となる情報の収集、報道や啓発宣伝、新聞や雑誌、演劇などの指導・取締りをした。
たぶん今の時代であれば、SNSの監視また誘導を行う機関になるのだろう。高市氏の頭の中は、すでに戦前世界にある。以下は戦時体制で設置された、内閣情報局の役割を上げておく。
1940年12月6日に各省部局との調整権限強化のため「情報局官制」(勅令第846号)により設立。発足当初は総裁及び次長の下に、第一部(企画担当:企画・情報・調整)、第二部(報道担当:新聞・出版・放送)、第三部(対外担当:報道・宣伝・文化)、第四部(検閲担当:検閲・編集)、第五部(文化担当:施設・映画演劇・文芸・事業)及び官房(二課)の合計5部・17課体制(160余名)であった。
1945年4月の改正で、陸軍省報道部・海軍省軍務局第四課・外務省及び大東亜省の対外宣伝業務が情報局へと移管され、ようやく各省ばらばらの広報宣伝担当業務が一元化した。なお下部組織として日本新聞会や日本出版会、また外郭団体として大日本言論報国会や日本編集者協会などの組織を有していた。『写真週報』に代表される広報媒体の編集出版や、新聞雑誌の用紙統制は、内閣情報局が行った。---国立公文書館
歴史を見てみると、高市氏の頭の中はまるで1940年に戻っている。そして、国民の中にも、SNSで非国民と叫ぶような人間が生まれてきている。何でこんなことになってしまったのかと思うが、これは日本一国のことではない。アメリカにはトランプ、中国には習近平、ロシアにはプーチン、そして日本には高市氏が登場した。