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笹村 出-自給農業の記録-

石垣島に戻って

   

 

石垣島に戻った。さすがに暑いと言うことはなくなっていた。11月に入れば、さすがに石垣島の夏は終わるようだ。と言っても夜温はまだ24度より下がらないのだから、寝苦しいのは相変わらずだ。それでも小田原に行って5度を経験して、冬を思い出した。いつの間にかあせもがなくなっている。

のぼたん農園では、下の降りるための道路を作るために、柵をどけていたのでイノシシが侵入していた。サツマイモが食べられてしまったようだ。後は堆肥をひっくり返してミミズを探したようだ。田んぼには入っていなかった。サトウキビも、大豆も無事だった。

大豆畑には足跡はあるのだが、大豆を食べた様子はなかった。もう枝豆なら食べれられる状態だ。イノシシはサツマイモほどには、大豆は好きではないようだ。道路に柵を戻したら、一応柵でイノシシは防げたように思う。福仲先生がもう中で暮らしていないかと言われたが、たぶん大丈夫なようだ。

大豆は鞘に実が入ったようだ。このまま順調に進めば、大豆は12月中には収穫になるだろう。大豆が出来るのは初めてのことになる。4回も失敗しているので、今度こそはと挑戦したが、何とかなりそうで有り難いことだと思う。台湾嘉義の蔡さんのすばらしい指導のおかげだ。

すべて言われたとおりに栽培した。もう一度思い出しながら、手順を書いておくことにする。発芽には、水のコントロールが重要とのことだった。種まきまでの土壌の状態が決め手だと、指導いただいた。しっとりした土でなければならないが、濡れた土ではダメだと言うこと。この加減はかなり難しいと思う。

播種1週間前に井戸から汲み上げた水で、土壌がぐちゃぐちゃになるくらいに濡らした。そして播種前日にトラックターで耕耘した。しっとりした感じの土壌になった。握って固まらない土だが、乾いてはいない。

もし、播種後3日間の間に雨が降れば、発芽しないと言うこと。天気予報で降りそうなら、播種日を変更すること。できる限り、8月25日に播種すること。今回3日目の夜雨になった。そのためか出ないところが、3割くらいあった。水が届かなかった場所かもしれない。

9月に入ってからの播種では、1割減収すると言うこと。どれほど乾いても大豆は大丈夫だから、大豆には水はやらないこと。4日目には必ず発芽する。言われたとおりに栽培した。確かに4日目に発芽したときには、これほど嬉しいことはなかった。

大豆畑の土壌は深い耕耘をすること。播種直前に最後の耕耘を行い雑草の発芽を先に延ばすこと。完熟堆肥を沢山入れること。今回は山から採ってきた落ち葉と、よみがえり堆肥を一袋だけ入れた。播種間隔は、60㎝の畝間。15㎝の株間。1カ所に3粒蒔くこと。今回は種が少なかったので、2粒のところと1粒の所がある。

生育に従い、出来れば3回土寄せは必ずやらなければならないこと。最初の枝が分かれるところまで土寄せをし、畝を盛り上げること。畑は排水をよくするために、周囲に溝を掘ること。これはユンボで最初に掘り下げて、2畝の畑全体を大きなベットにした。

すべて教えていただいたとおりにした。芽が出れば喜び、葉が茂れば喜び、花が咲けば喜び、実が付いたら喜び、実が膨らんできたら喜び、播種73日目である。今日枝豆の試食をしてみる。まだいくらか早いかもしれないが、6日にはカレーの試食があるので、それに合わせて試食をすることにした。

大豆を播種してから、全く雨がなかった。これほど雨がなかったことはない。それでも大豆は問題がなかった。花が咲いても雨はなかった。10月後半に入って、播種60日を過ぎたあたりから、今度は雨続きである。晴れる日がない。大豆は一応大丈夫なようだ。

今年の厳しい干ばつで、イネのひこばえは根がやられたようだ。土がからからに乾いてしまい。根が枯れてしまうほど悪い状態になった。それでもひこばえは出ては来たのだが、出たひこばえがウイルス病にかかったようだ。ウイルス病は株が弱っていると蔓延するようだ。

今年の3回目はほとんど収穫がないのではないかと思う。3回目のひこばえが収穫できるためには、ウイルス病に耐性がなければならない。そうはいっても耐性のある品種で、亜熱帯向きという品種となれば、まずは見つからない。今考えられることは、イネを健全に育てる方に力を入れるほかない。

現在、下の田んぼ6畝を作っているところだ。畝を高くして20㎝くらいは水が溜まるようにした。田んぼはその高い畝を超えるように水が溜まっている。11月いっぱいは水を貯めておきたい。田植を12月末か1月初めにやりたいので、それまでは水を貯めて置くつもりだ。

下の田んぼの溜め池を作らなければならない。上下2つにすることが良さそうだ。しかし、溜め池作りは難しいから、福仲先生によく指導していただき、一番良い形で作りたい。まずは上の溜め池を作るところから始めたら良いかもしれない。いずれにしてももう少し水の湧きが収まってからだろう。

11月中には溜め池は完成したい。溜め池の堤防は幅の広いものにして、出来れば休憩できる日陰にしたい。日陰で休むことが出来る場所がなければ、夏場は作業が出来ない。溜め池を覆う木を残さなければならない。掘り起こした石を並べて、座る場所にしよう。

溜め池を作りながら、掘り起こした土を下の田んぼに運んで、田んぼの畦を作らなければならない。田んぼの畦は軽トラが通れるくらい広い幅のものにしたい。広い畦でなければ、水持ちが悪い。広い畦であれば、ユンボで行き来して固めることが出来る。

広い畦であれば、田んぼに水があっても、手刈りをして畦に干すことが出来る。半日広げて干すことが出来れば、コンバインにかけるとしても、かなりつまりが少なくなる。畦に干したイネを、集めて脱穀することが出来る。作業がしやすいためには畦の幅は2m。高さは20㎝までだ。

大豆の栽培に可能性が出てきた。大豆畑は2畝の畑が4カ所はある。大豆は8月から、12月までの栽培になる。1月から7月の間に栽培できるものを裏作で作りたい。五穀を作りたいと考えて居る。のぼたん農園は伝統農業で自給を目指している農場だからだ。

今年の厳しい干ばつで、五穀豊穣を願う気持ちがやっと理解できた。お米が干ばつで収穫できなければ、飢餓に陥る。そのときに五穀を作っている意味が出てくる。五穀の五はたくさんを意味しているようだ。お米が作れないほど乾燥しても作れるものなら何でも良い。

麦類が一番だろう。ハダカムギ、暑いところで作れる小麦があれば、それも良いかもしれない。大豆や小豆も五穀に入れてもいい。トウモロコシや、きび、あわ、ヒエなども作っていたらしい。のぼたん農園でも作れるものを捜して、大豆の裏作に作ってみる。

一ッ箇所はトウモロコシ。これは石垣で作られている農家があるくらいなので、大丈夫だろう。もう1カ所は麦の類。3番目にはもちきびも作ってみたい。学生時代の金沢にはきびもちや粟餅を販売しているお店があった。そっれは美味しいお餅だった。今はもうないのだろう。4番目にもちあわだろうか。

五穀が手間暇がかかることは分かっている。この手間のかかる収穫後の作業を作業所の仕事として、分担したらどうかと思っている。今度川平に農作業を取り入れた作業所が出来るらしい。ここにのぼたんのメンバーの石原さんが勤務される。うまく連携が出来たら素晴らしいことになりそうだ。

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