2025.2.27の「のぼたん農園」

      2025/04/24

 小田原から戻り、この一週間の稲生育が順調だったことがわかり安心した。日差しがある程度あり、稲はかなり生育したようだ。マイコス菌の試験栽培もそれなりに動きがあり、興味深くあたりをうろうろ歩いていた。石垣での稲作栽培の確立に、いよいよ真剣に取り組むつもりだ。
 
 
 よく見えないが、里芋が8つ発芽してきた7番畦の畑。堀口さんが作ってくれた50㎝ある高いベットの畑である。せっかく堀口さんが作ってくれたのだが、それを他の人が里芋を植えてしまったので、堀口さんのやり方を見せてもらうことが出来なかった。堀口さんは平塚の「いかす」におられた人である。
 
 素晴らしい人が加わってくれたものだと思う。「いかす」と農の会はいくらか関係がないわけではないようで、二宮の中村さんが以前、単純農法の関係で代表の方と関わりがあったらしい。中村さんは炭素循環農法をやられていて、長い時間がかかりながらも、今は収量もかなり上がってきている。
 
 
 
 
 
 ここから上の写真は、マイコス菌をまぶした「にじのきらめき」の8番の苗代である。天水だけで水をやったことはない。苗の芽が出てきている様子を見ると、水がないのに確かに芽はそれなりに出てきてはいる。まずまず順調に2葉期である。発芽率はもう一つ良くない。種籾にまぶしただけでも、何か効果があることはわかった。
 
 同じ時期に蒔いた4番田んぼの「にじのきらめき」の苗代がある。そちらは毎日水をかけているのだが、そちらと比べると、生育はむしろ良いように見える。まだわからないが、水やりなしでどうなるかをよく観察してゆきたい。小田原の根守さんが菌根菌ならば、種から発芽までに影響があるのはおかしいと言われていた。さすがに根守さんの見解である。
 
 確かに言われてみればそうなのだが、稲の籾は発芽に関してはさして水はいらない。浸種した種は、水がなくてもなんとか発芽してくる。それが稲の性質である。そして遅れて根が出ているのだろう。出た根に対して、菌根菌が初期から手助けをしてくれて、水がない苗代でも、雨だけの苗代でも生育するのかもしれない。今後の生育に興味がますますわいてきた。
 
 
 4番田んぼの畦の畑1,5m角の正方形の畑を連ねている。なかなかよく出来てきた。すごいのはよく草が管理されていることだ。きれいな畦ができあがってきた。畦の畑の一つのやり方見えてきたかもしれない。確かにこうした高畝栽培が良いやり方かもしれない。
 
 
 
 3番田んぼを西側から見たところ。こちら側は初期いくらか遅れていた場所。全体に分ゲツが20本を超えてきた。30本以上の株もある。これを見ると「にじのきらめき」は石垣の気候でも出来るのかもしれないと思えてきた。当初3番田んぼでも、生理が狂い早く穂を出した株があったが、それもなんとか収まり、うまくゆく可能性が出てきた。安堵した。
 

 
 なぜ3番田んぼがよく出来て、他が悪いのかはまだ完全にはわからないが。昨年この田んぼは私が栽培した。ともかく腐食を入れられるだけ入れた。それが今年の栽培に生きたような気がする。昨年は干ばつで水が少なく後半悪かったのだが。
 
 ここは30㎝×40㎝植えである。南に日照を広くとるために空けてある。これが幸いした可能性もある。先日、熱圏の小林先生はどうも土が良いように感ずると言われた。さすが研究者である。確かに土壌が他より大分改善された気がする。
 
 ここは古くから田んぼだった可能性がある。そして昨年私が管理して、かなり土壌に腐植を増やす努力をした。それが今年現われてきた気がする。土が良くなれば、石垣でも有機栽培が出来る可能性が見えてきた。もうひと頑張りである。
 
 
 他の1番、6番田んぼはそもそも田んぼではなかった場所である。まだ土壌が出来ていない可能性が高い。1番は深い岩盤で、そこを砕いて田んぼにしている場所である。6番は長いこと放牧地であった。すごい石混じり土が客土された場所である。
 
 田んぼの土になるためには7年かかると言われている。まだ3年である。それでも去年よりは、いくらか良くなったかもしれない。そうでもないか。ともかく土壌を育てなければダメだ。腐植を増やすことだ。まだ土壌が出来ていない間は、適時追肥をすると言うことも必要だと思う。
 
 
 
 2番田んぼの「ゆがふもち」昨年はそこそこで来たのだが、今年も徐々に生育してきたところ。どこまで行けるかいくらか楽しみになってきた。最初はダメかと思うほど遅れた。多くはとれないと思われる。鹿児島での作出品種のため、石垣ではもう一つの栽培になるらしい。
 
 餅米でも、石垣に適した品種を探さなければ、ダメだろう。品種で言えば、やはり台湾の品種だろう。台湾には良い餅米はないのだろうか。餅米を食べる文化はむしろ日本より深いのだから、おいしい餅米がありそうな気がする。なんとか探したいものだ。
 
 実は西友ストアーで台湾のお米が売られた。日本の米が高くなり、台湾からのお米を輸入して、関税をキロ360円ぐらい払うらしいが、それでも日本のお米より安いと言うことだ。何という品種を輸入したのだろうか。このお米は11月14日から販売して、売り切れになってしまい購入できなかった。
 
 そこそこおいしいということだった。それではと思い探したが見つからなかった。また輸入してくれないものか。台湾の品種で日本で作られているのは大豆では枝豆品種である。お米でも最近日本中がひどい暑さである。台湾品種を取り入れることは出来ないのだろうか。
 

 
 2番田んぼである。遅れていたが、徐々に良くなってきた。完全にアオミドロに覆われている。照沼さんはアオミドロが問題だと言われたが、私はこれがあるから、腐植が増える。また水温が下がり、良いと考えている。のぼたん農園の水温は稲には高すぎるのだ。
 
 長年アオミドロのある田んぼで耕作をしてきた。風でアオミドロが苗を押し倒さなければ、アオミドロはあった方が良い。これで完全に草が抑えられている。アオミドロ抑草になっている。そしてこのアオミドロが腐植を増やすことにもなる。
 

 
 天水田のために水が停滞する。それで水温が40度まで上がってしまう。この時期でも25度まで上がっている。アオミドロが分ゲツを止めるという人がいるが、それはない。分ゲツは日照に影響されることはない。いつもアオミドロガ出てくる田んぼで耕作してきたが、問題は起きない。
 
 
 アオミドロがでるとその後に、アカウキクサが出てくる。うまくアカウキクサがでれば、窒素が固定され、それが補肥になる。十分分ゲツがとれたならば、一度水を止めて、浮き草を土壌に貼り付けると良い。12葉期ぐらいが良いと思うのだが、この点石垣では補肥の時期が決められないでいる。
 
 
 
 
 1番溜め池はアカウキクサが広がっている。1番溜め池に咲に広がると言うことは、水温がある程度必要と言うことなのだと思う。23度の水が湧いている。溜め池の方が田んぼよりも水温が高い。上の写真が2番溜め池で、下が1番溜め池である。2番溜め池は水が冷たいので、アカウキクサがでていない。
 
 
 カワチバイの苗代 低温のため葉先が白くなったが、徐々に回復してきたところ。「かわちばい」は石垣の熱研で作出したという、インディカ種である。試験栽培をさせてもらっている。どういうわけか、登録申請がされて、5年もたつのに申請が認可されていないため、種籾の購入が出来ない。
 
 石垣島の泡盛品種と言うことだ。インディカ種の中でも低温に弱い品種らしい。もしかしたらそれは、暑さには強いという可能性がある。去年の不稔の多さは、暑さのせいもあるので、少し期待できるかもしれない。さてどうなることか。
 
 県の試験場の大野さんの栽培した感想では、穂のそろいが悪く、脱粒が多く栽培しにくいのではないかと言うことだった。石垣島で泡盛品種が出来れば良いことなので、試験栽培はしてみたい。私たちのように手刈りでやるなら問題ない可能性もある。
 
 
 
 
 1番田んぼ。遅れながらも少し分ゲツを増やしてきたところ。まだ分ゲツを増やしている最中なので、これから良くなる可能性が出てきている。もし土壌の問題であれば、土壌は一年一年良くなってくれるだろう。来年のこその稲作である。
 
 今は「にじのきらめき」が石垣の気候に適合するかどうかである。その点、3番田んぼで大丈夫だと言うことが見えてきた気がする。11月はじめの播種。12月はじめの田植え。4月中の収穫。そして、7月の1回目のひこばえの収穫。10月の2回目のひこばえの収穫。
 
 
 一番田んぼはともかく生育にばらつきがある。この原因は土壌が出来ていないためだ。岩盤があり、それを壊しながら田んぼにしている。去年の暮れに大分崩して田んぼにしたが、そのために土壌が良いところと、新しくなったところがあり、生育むらになっているのだろう。
 
 3回の収穫が終わったならば、今年生育の悪いところを把握しておき、よくトラックターで耕し、石拾いをする。そして来年に備える。浅い耕土の下が岩盤ではしっかりとした栽培が出来るはずがない。そしてアカウキクサとアオミドロを利用して腐植をさらに増やすこと。
 
 
 4番田んぼの畦の畑である。畦の畑の一つの見本のような姿である。1.5m角のベットの畑である。回りから管理が出来るので、かなりわかりやすそうだ。また草がよく取られて入れていて、管理が素晴らしい。お茶の苗を植えているのだが、枯れたものもあるようだ。
 
 

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