ウクライナ侵攻で分かったこと

   



 ロシアのウクライナ侵攻が、当初予想出来なかった膠着状況に陥ってきた。ロシアがたちまちにウクライナを占領してしまうだろうと思われたが、やはり正義の無いロシアの兵士の士気が上がらないことがあるのだろう。また一方にウクライナの強い愛国心に基づく団結した抵抗で、膠着した状況が生まれている。

 台湾ではロシアの暴虐を見て、他人事では無いと国防の強化が図られている。日本人の受け止めは、可哀想、見ちゃいられないぐらいで、残虐な場面は見たくもないガオお言いのでは無いか。自分の国の防衛とは結びついてはまだいないのだろう。平和主義は決して国防をないがしろにすると言うことでは無い。

 ウクライナを攻めたロシアは日本の隣国である。ロシアの行った日本人のシベリア抑留の強制労働ほどの戦争犯罪は無い。ああいう行為を見ぬ振りをしてきたことが、今回の遠因だろう。米軍も自衛隊もその昔は対ロシアを意識して北海道を重視していた。ところが北方4島を返して貰いたいというので、ロシアの極東開発に協力するというのがアベ政権の軟弱外交方針だった。そして完全なる失敗に終わった。

 ウクライナの団結した抵抗を見ていると、国防で一番重要なことは国民一人一人の自由意思に基づく国を守る気持ちだと言うことが分かる。石垣島では市長の主張では国防は国の専権事項だから、市民レベルでは口を挟むことが出来ないと主張している。これは右翼市長の間違った思想だ。

 国防で重要なことはそこに住む人間の気持ちだと言うことが分かっていない。国を守るための気持ちと自衛隊基地の有無は大いに関係がある。自衛隊基地をそこに暮らす人と関係のないものにしてしまえば、中国の攻撃が始まったときに住民は国防は国の専権事項だと言えば良いのだろうか。

 市議会ではよく話し合うことも無く。3分の2以上の住民が要求した住民投票も市長に拒絶された。しかし、その国防は国の専権事項の市長が再選された。国防は自衛隊がやってくれるのだから、市民には関係ないという無責任な市長が支持されたのである。果たして、これでいいのだろうか。

 国防こそ国民一人一人の問題では無いのだろうか。自分の問題として日ごろから考えて来たからこそ、ウクライナは持ち堪えているのでは無いのだろうか。そうでなければ、たちまちにロシアに占領されただろう。国防は自衛隊の問題だから、勝手にやればいいと言うことでは国を守ることは出来ない。ウクライナの姿を見ればその厳しさが切実に分かる。

 それは何も銃を持ち、敵に立ち向かえというのではない。国民一人一人が自分のこととして、どうすれば平和に暮らせるかを自分事として考える必要があると言うことだ。どうすれば中国と平和に暮らせるかを、常日頃から考えなければならないと言うことだ。ウクライナを見て改めて、日本の平和主義とそれに基づく外交を考えなければならない。

 ウクライナは平和外交に失敗したのだ。早くロシアと話し合いをすべきだったのだ。クリミヤ戦争以来ロシアと戦闘状態で敵対していた。クリミヤではまともな投票でロシア帰属が選ばれたのだ。その背景にはロシアの方がウクライナより経済が良好と言うことがある。
 何故、ウクライナはロシアとの間で戦闘状態を続けて、NATO加盟を持ち出したのだろうか。NATO加盟をちらつかせれば、ロシアがひるむとでも考えたのだろうか。それならばプーチンを読み違えたと言うことになる。独裁者としてはこれ以上引けなかったと言うことが今にしてみれば分かる。

 平和外交とは敵を知ると言うことがまず第一である。アベ氏のようにプーチンにおべんちゃら外交をやって、極東開発に利用だけされる蒙昧ではどうにもならない。何度も直接会いながら、プーチンを見抜けなかった判断力の鈍さが日本の総理大臣として情けない。4島返還で目が曇っていたのだ。

 日本国憲法に示された平和外交は何も行っていないというのが現状である。中国との間には尖閣諸島問題がある。中国の漁船と称する舟や海洋警察が領海侵犯を繰り返している。中国にしてみると中国の島を巡視していると言うことなのだろう。

 何故か日本政府は断固抗議を繰り返すだけで、実質放置している。嫌むしろ尖閣を日本の軍国化の引き金にしようとしている。石垣市長など尖閣に市の標識を立てたいというので、国に申請し、調査に出掛けて中国を刺激している。そのようにしろと自民党右派からの指示と言うことなのだろう。中国をイキリ立たすことで、自衛隊の強化につなげようという方針だ。

 石垣島にいよいよ自衛隊ミサイル基地が動き出す。まったく他人事のまま、危険な敵基地先制攻撃ミサイル基地が動き出す。専権事項で口を挟めない状況のまま、それこそ先制攻撃をして下さいという基地が準備された。これでは愛国心どころではないだろう。自衛隊の存在が不安材料であり、反感以外の何も無い。

 石垣市長の言うところの自衛隊は、国の専権事項の迷惑施設である。これでは国の安全保障どころではないのではないか。作るのであれば住民の受け止め方は極めて重要なことになる。ウクライナの強い抵抗を見てつくづく思うところだ。日本とはまるで違うと言うことだ。国防は国の専権事項どころか、国民一人一人の問題なのだ。

 石垣市長が右翼的人物であるのは仕方がない。その市長当人が自衛隊基地を推進するために、国防を国任せの事にして良いのだろうか。台湾の対応を見ていると、それどころでは無いことがよく分かる。現状では敵基地先制攻撃ミサイル基地は逆効果である。

 まず尖閣問題を国際裁判所に持ち出すことだ。ウクライナの失敗を見てみれば分かることだ。中国が何故せめてきたくなるかである。中国の攻撃の口実を無くすことが平和外交である。尖閣を懸案にしておきたい連中を黙らせることだ。ウクライナも何故親ロシア地域のウクライナ離脱を認めなかったのかと思う。

 国連に仲介して貰い、クリミヤ半島で、公正な投票を行うべきだった。その結果ロシア帰属派が多ければそれに従うほか無い。ロシアに帰属したいという人がはるかに多いいというのが、行われた住民投票の結果である。その住民投票が作られたものというのであれば、国連に独立の投票を監視して貰えば良かったのだ。概ね自由意志に基づく公正な投票の結果と言われている。

 尖閣もまったく同じようなことだ。世界中が見ている中で、公正な判断をして貰う。その結論に従う。それを試みようとさえしないことは、戦争のきっかけを中国に与えていることなる。もし、中国の領土であると国際司法裁判所が判断したならば、日本はそれに従えば良いだけのことだ。中国に対して裁判で決めようと平和外交をすることだ。

 中国が尖閣を領有したからといって、次は石垣島を中国領土だとは言わない。そうした根拠の無い妄想に基づき外交をするようでは、日本の安全保障は成り立たない。現実を平明に見ることだ。中国から日本がどのように見えているかである。

 中国にとって重要なことは自分の商売の利益になるかどうかが重要なのだ。尖閣を問題にしているのは、中国は日本との間に外交問題を作りたいからだ。それは中国の反日教育も同じである。中国国民を敵を作り、まとめようとしている。
 それでも中国人は商売人である。日本が儲かる国であるならば、日本で儲けたいと言うことだ。日本と戦争をして儲かるならば、戦争をするのかも知れないが。しかし、日本と戦争をして何の儲けも無いのであれば戦争はしない。

 

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