石垣島の農業

   

 石垣島の農業の良さは地産地消という事だろう。そこで出来たものをそこで暮らしている人が食べる、こんな基本的な大切なことが普通に成立している。こういう場所は少ない。島という条件がこんな素晴らしいことを成立させている。
 
 もちろん農産物は島外にも出荷はされている。しかし、島の耕地面積と暮らす人の数がある程度バランスが取れている。 お米の生産量と消費量はかけ離れてはいない。スーパーに行くと様々なお米が売られてはいるから、入る分は出ていってはいるのだろう。
 
 石垣島での農業は生産高で言うと、一番が牛(黒毛和牛)の取引高は40億円、昔は子牛の生産が中心。最近は親にまで育て、島内に肉にして石垣牛や岬牛として販売されている。
 
 サトウキビ16億円、サトウキビは天候にかなり影響を受ける作物だ。大きな工場が名蔵にあり、ここに島中からサトウキビが運ばれてゆく。サトウキビは年に6回畑に行けばいいから、楽さ。という事だった。大型機械が使われ、大型トラックが島を走り回っている。
 
 葉タバコ10億円、米4億円、パイン3億円などとある。お米が少し寂しい。現在はサトウキビ畑に今成っているところも昔は田んぼだったところが多い。戦中ぐらいの航空写真を見ると、かなり田んぼが広がっていたことがわかる。
 
 そのほか野菜もかなり作られている。自家用というだけでなく、直売や加工などされて、野菜として統計に出てこないのではないかと思われる。農協の市場には島で作られた野菜が溢れるように並んでいる。私はほぼ地元野菜を食べている。
 
 果樹はパインは確かに多いのだが、マンゴーや島バナナもかなり出ている。パッションフルーツ、ドランゴンフルーツ、そのほか初めて見る果物もかなり出ている。果物はお土産は、島から親戚への贈答として使われることが多いのではないか。宅急便の旗が島中に立っている。観光客は立ち寄って、果樹の生産農家にお願いすれば、すぐに送ってくれる。
 
 全体に衰退しているというより、農業は活性化しているような印象がある。その原動力は観光が盛んになり、島内での消費量の増加だろう。石垣牛は島内消費が多いいと新聞にあった。確かに日常食べるには高い肉だ。しかし、観光客なら食べてくれる。アグ―豚の生産もある。豚にはサトウキビの搾りかすを餌に使うというようなこともあるらしい。
 
 何といっても田んぼの継続が大事ではないだろうか。島には豊年祭というものがある。これは祭りが大切な島の行事のなかでも、最も大切なもので、お米の収穫を祝うお祭りである。お米が島の人の暮らしを支えてきた。
 
 お米を作るという事に伴い、島の暮らしが生まれたのではないだろうか。石垣島には他所の島から来た人がとても多い。他所から来て、多良間田んぼなどは多良間島から出作りで作られていたらしい。
 
 そのほか、パラピドーは宮古、西表、多良間から来て開墾したと石碑が立っていた。白保地区も他の島から来た人が開墾したという地域がある。名蔵の山の方には、台湾から来た人たちが、開墾して作った地域もある。
 
 様々な人がやってきたとしても、水というものは限られた、貴重なものだ。これを大切に分け合い使うというところに、その地域の暮らしが生まれる。これが日本人というものを作ったと考えている。
 
 今は大きなダムが5つできて、水には困らなくなっているが、田んぼというものを通して、暮らしが生まれたことを忘れてはならないのではないだろうか。学校田というものが、石垣にはないそうだ。もし始めるなら、協力したいと考えている。
 
 
  さとうきび パインアップル 水稲 野菜
  面積   (ha) 10a当り 収量(kg) 生産量  (t) 面積   (ha) 10a当り   収量(kg) 生産量     (t) 面積   (ha) 10a当り    収量(kg) 生産量  (t) 面積   (ha) 生産量  (t)
石垣市 1,319 14,442 67,863 115 2,024 2,328 474 299 1,300 102 1,130
 
  総面積       (ha) 耕地面積  (ha) 耕地の内訳 (ha) 世帯数 総人口 農家戸数 一戸平均耕地面積(ha)
水田 畑 (畑、樹園地、牧草地) 全体 専業 第1種兼業 第2種兼業
石垣市

22,900 5,400  325  5,080  22,152  47,873  965 399 252 314 5.6 

 - 地域, 石垣島