吉本興業とジャニーズ事務所

   

 吉本興業とジャニーズ事務所が世間を騒がせている。アイドルとお笑い。まさにテレビの問題。テレビはすでに政権を忖度して、持ちつ持たれつでできあがっている。テレビには報道という側面は失われた。変わって登場したインターネットの方が正しく伝えられている。インターネットが管理されるようになれば、独裁国である。
 
 芸能の持つ批判精神はテレビでは消えた。テレビでは選挙が終わり、急に政策のことを放映している。選挙前にやるべき事をやらずに、吉本やら、ジャニーズで何故騒いでいたのか。アベ政権の望んだ低投票率を導いた功績はテレビにある。テレビ局経営者は今頃、アベと祝いの会食であろう。
 
 自民党はテレビ報道に正式に圧力を掛けている。スポンサー企業に対して、政権批判をする番組には圧力を掛けろと表明している。そして、テレビ局は静かに忖度をしている。静かにとは、政権批判を味付けに加える。自由に報道しているがごとくに見せながら、政権を巧みに忖度する手法。テレビができたときに、一億総はくちと言われたのは当たっていた。
 
 アベ政権を支えているのはテレビが一番なのだろう。どんな形で影響するかと言えば、一見与党に苦言を呈しているかのごとく見せる。ところが、決定的な批判が起こる前で他の目立つものに興味を移行させる。忘れさせ、与党でなければ仕方がないよね。疲れたような空気を形成している。
 
 テレビが与党を支えていると言っても大半の視聴者には、そんなことないよ。ということになるのだろう。世論の動かし方が実に巧みなのだ。電通的ビックデーターの運用。
 
 直接的にアベ政権を持ち上げるような言動も少ない。ところが、周囲から真綿で首を絞めるような形で、圧力を掛ける。その番組を降ろす事もできますよと言う、見えない力が働いている。その辺を上手く渡ることができない人間は、徐々に表舞台から消える。
 
 ジャニーズ事務所を止めたスナップの3人が、いつの間にかテレビには出なくなる。これを公正取引委員会が注意喚起した。さすがに人気のある3人なので、テレビに出ないのは確かにおかしいと言うことは誰にでも分かることだ。
 
 ジャニーズ事務所としては、タレントは長年経費を掛けて育てた人材である。気に入らないから止めたなら、新しい人材で穴埋めしなければ、採算が合わないと考えるのだろう。だから、会社の他のタレントを使ってください。止めた人間はもういいでしょうと頼むのは普通であろう。無理に使うなら、内の人気者はお宅には出させませんよ。こういう話し合いは普通にあるだろう。
 
 これをいけないと言うより、テレビは普通にそうしてできていると言うことを知った方がいい。テレビは公正なものでは始めからない。公正に見せかけているところが怖いのだ。静かな独裁の手段がテレビと考えた方がいい。
 
 吉本興業の芸人が反社会性力の宴会に、無断で出演し100万円を貰っていた。許されるわけがない。しかし、興行主ってそういう類のものでもある。吉本興業がアベさんを舞台に上げた方の理由の方が私には怖い。お笑いの会社が企業になっているのだ。芸能の持つ反権力はどこにもない。
 
 お笑いが権力におもねるようにな国は独裁国家である。真綿首の独裁国だ。庶民が変わったのだ。アベさんを舞台乗せるような、立派な忖度会社のお笑いをありがたがり、笑い転げる。自分の意見を述べているかのようなお笑いタレントも、実は手のひらの孫悟空なのだ。
 
 先日の石垣島での音楽イベントの司会は吉本興業所属であった。どんなつながりがあってこういうことになるのかは分からないが、日本津々浦々大手興業会社が大手を振るっているのだ。
 
 吉本興業とジャニーズ事務所が世間を騒がせている。アイドルとお笑い。まさにテレビの問題。テレビはすでに政権を忖度してできあがっている。報道という本来の批判精神は、たまに現れてびっくりする状態。
 
 そんなことたいしたことじゃないだろう。こういう感覚が蔓延している。吉本問題も、ジャニーズ問題もすぐ世間は忘れるに違いない。アベ記念小学校事件すら消えた。トランプの日米安保の見直し発言も取り上げようとしない。何もかも消しゴムのように消してしまう、無神経社会。誰かが意図的にそうしているのだろうか。
 
 今目先のことで騒がしいのは日韓経済紛争である。これは何故こんなに騒がしいのか。何かを目立たなくするために、煙を立てていると見ている。参議院選挙で反韓国意識を利用した。
 
 選挙後のアベ氏は得意げに憲法問題を野党も議論して貰いたいと主張している。私には議論を避けているのはアベ氏自身としか思えない。韓国問題はたぶん憲法改正問題の煙幕にも使われるのだろう。これから、数年間は時々煙が濃く出るだろう。
 
 憲法は感情的に議論するようなものではない。国の方向を決めることがまず大前提である。そして、憲法は政権に対して、国の運営方法を決めたものだという、根本を確認することだ。
 
 憲法を正面から議論するのであれば、2つの前提がある。ひとつはアメリカとの軍事同盟の問題。もう一つが憲法裁判所のことである。アメリカとの軍事同盟を離れて、日本国憲法はどうなるのか。もう一つが、憲法が政権によって拡大解釈されるなら、憲法をどのように変えようとも有効ではない。どうやって憲法を有効なものにするのかが議論されなければならない。
 
 

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