農業が一番災害の影響を受ける。

   

今年は連続的に大きな台風が襲来した。家の屋根の方のソーラー発電装置も、停電と雷でコンデンサーが壊されてしまった。世界の平均気温の上昇傾向は止まらず、観測史上最高を更新している。背景にあるのは温室効果ガスの増加だ。主要な温室効果ガスである二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素の濃度が上昇している。気候変動枠組条約第24 回締約国会議(COP24)がポーランドで開催されている。気候変動枠組条約の意思決定の会議であり、今後の地球の未来を左右する重要な会議となる。地球環境がゆがみ始めていると考えておいた方が良いのだろう。これさえ認めない人がいるのだから驚く。地球が壊れてしまうのかどうかの境目に来ている。人間の暮らし方が、余りに自己中心的で、今さえ良ければの結果である。石油を地球の循環を損なうほどに燃やし続けてきた。暮らしが地球の器を超えれば当然地球が苦しみだす。アメリカがこの枠組みからの離脱を表明した。みんなが協力して我慢しようとしているときに、アメリカの行動はひどすぎる。確かにトランプさんを見ているとやせ我慢の美しさはからないだろうとおもう。

おかしな気象現象が目立っている。こうした中で作物を作るという事は実に難しいことになっている。一年丹精した畑も、一回の巨大台風で跡形もなくやられてしまう。幸い今年は、何とか乗り切ることができた。日本各地で水没した田んぼがあった。それでも日本全体では必要量のお米は確保できた。今年から田んぼをやりたいだけやってよくなった。結果的にはコメどころの東北、特に北海道が不良であっても、作付面積は増加したために需要分が確保された状況。大規模農家の作付けの増加があった。企業的農家の経営は大丈夫だろうか。田んぼには命が込められている。災害があれば、一瞬に消去されてしまう。テレビの映像を見るだけでも心を壊される。この辛さは言い表せられないものがある。その結果、もう田んぼを止めようという人が増加することになりかねない。田んぼを止めれば日本人でなくなると思ってきたが、すでに伝統農法の田んぼは風前の灯火。日本人は少数派になったのかもしれない。

この夏は暑すぎて農作業自体があまり出来なかった。外で働くことで身体を壊しそうで怖いほどだった。朝と夕方ブヨに刺されながらの田んぼの見回りだった。「会う人ごと、痩せたんじゃないですか。」と言われた。体重は変わらないのだから、色が黒くなる程度には働いたという事かもしれない。ブヨには刺されたが、蚊には一度も刺されなかった。蚊は極端に少なかったと思う。それなのに急にスズメの襲来が目立った。低地の方に雀が減少して、山際に移動したように思える。何かスズメなりに事情があるのだろう。スズメは餌を求めて移動したと考える。いつもの餌がいつもの時期にないという事である。餌のある所を探して、移動しながら、山の方にまで来たのではないか。様々な事象で、自然の循環がぎくしゃくしてきている。田んぼをやるにしても、昔通りではうまく行かなくなっている。自然の読みが実に難しい。次の世代の方々に申し訳のないことをしたと思う。美田を残さないどころか、すべてをダメにして置いてゆく世代である。せめてのこととして、自給生活で心ある人たちで力を合わせるほかない。

自給生活は自然に従う暮らしである。自然を手入れしながら、大きな改変をしない様にかかわってゆく考え方である。やせ我慢の必要な暮らしである。しかしこのやせ我慢は誇りあるやせ我慢だ。自分さえ良ければという考え方にはない、心地よさのある暮らしだ。 そう難しいことではない。自給的に生きて、人とくらべうことを止めればよい。それだけのことだ。自給的に生きるには良い時代になったともいえる。何しろ、素晴らしい農地が放棄されている。鹿でも、猪でも、出てきてくれる。これを食べれば、肉の不自由はない。自給生活者としては恵まれた時代ではないだろうか。インターネット時代である。どれほどの山奥にいたとしても、ソーラーパネル一枚で情報過疎になることはない。気象の読みは十分にする必要があるが、温暖化という事なので、むしろ自給生活可能地域は広がっているのかもしれない。雪のない、台風の来ないところが良いだろう。 

 

 

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