石垣島引っ越し法

   

石垣島への引っ越しはかなり大変である。費用が普通の引っ越しの3倍近くかかる。間に船が入る。船にはコンテナで載せる。その積み下ろしがある。コンテナが小田原の家そして、越してゆく石垣の家に横付けられればまだいいのだが、どちらもトラックでの積み下ろしが必要になる。家の条件がとても悪い。そういう場所が好きだからしょうがないとは言えるのだが。普通の引っ越しよりかなり手間がかかることになる。11月7日の10時半小田原の家に石垣引っ越し便の池田さん達6人が来てくれた。2台のトラックである。そこから荷物を一気に運び始めた。大変な荷物を手際よく運んでくれた。てきぱきと、一気に1時まで運び続けた。見事という運び方であった。絵の入ったタンスなどは300キロは超えていると思う。それを4人でなんと持ち上げた。専門家とはいえすばらしい仕事ぶりだ。11月15日が石垣の家への搬入になる。こちらはさらに大変な仕事になりそうである。不安が膨らむ。

彫刻の関係のもの。そして私の絵に関するもの。2つ併せるとなかなかの荷物になる。2つのアトリエの引っ越しだから、仕方がないのだが、それにしても荷物がすごい。半分以上は廃棄したのだがすこしも減った感じがない。生前整理のつもりで、ここ2,3年は毎月最低は軽トラ一台分は捨てるという事で来た。それでもこんなに荷物があるという事が恥ずかしくなる。生前整理は1年間使っていなかったものは捨てると言われているが、年に1回でけは使うというものが山のようにある。捨てればまた買わなければならないものが山のようにある。それが絵を描くという事のようだ。面倒くさいところがある。何か仕事をしている以上生前整理にも限界があることを思い知った。絵を描いて生きようというのだから、どうして生涯無一物という訳にはいかない。

それでも、なんとかかんとか、荷造りを進めた。私の本の類は段ボール箱に7つだけにした。どれも死ぬまでにもう一度読みたいものだけにした。絞りに絞り限界である。水彩画は保存ダンス2棹が一杯になった。もっと減らす方が良いのだが、もう少し描き続けたいという絵が山のようにあり無理だった。古い油絵の類はすべて持って行かない。小田原に残してどうなるかはわからないが、持って行かないことにした。押し入れにぎっしりある。恐ろしくなるがこれもどこかの段階で処分するほかないのだろう。アイランデクス株式会社「石垣引っ越し便」という大阪の会社にお願いした。離島専門に引っ越しをしているらしい。ネットで見つけた会社である。3か月前に連絡をした。下見と見積もりに来てくれた。とても紳士的な池田さんという方だった。いわゆる、引っ越し業者さんにも見積もりをお願いしたが、そこよりかなりの低価格であった。有名な引っ越し業者さんは明らかにやりたくないという感じでもあった。石垣には引っ越し業者さんというものはないから、港から引っ越しする家までは専門業者ではない運送業の人にお願いするほかないのだそうだ。こういう面倒な仕事は大手の引っ越し会社は気乗りしない。

石垣の越して行く家が狭い路地の先なので、ここがまた厄介なことになる。その石垣の運送業の人が、どうしたらいいのかを下見してくれた。お隣から入れさせていただくしかないという事で、工事に引き続き通していただくことをお願いをした。「玉那覇酒造所」さんである。古酒を寝かす倉庫が隣にある。生涯玉那覇酒造所の泡盛しか飲まないことにした。駐車場を通させていただくことになっている。有難いことだ。石垣に着いたならば、古酒を記念に一壺入れてもらうつもりだ。良い壺を運んだ。

 

 

 

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