田んぼの冬の管理
菜の花がよく発芽してる。川沿いの寒い部分。
今が一番寒い時期だ。田んぼではマイナス5度まで下がった。朝は完全に凍り付いている。川沿いの日陰の場所は一日中凍り付いている。寒風に晒されることは土壌には悪いことだと思っている。畑の土壌は何かで覆われているという事が大切だと考えている。冬でも何か植物があるといい。小田原の冬ならば畑で何か作物が作られているという事が良いことだと思っている。田んぼでも冬場に何かを作ったいた方が良い。麦、ネギ、えんどう、空豆、あるいは菜種。小田原の気候であれば、冬畑をあけておくのはもったいない。もったいないし土壌にも良いことになる。今年は畑に菜の花を撒いた。この菜の花は実るまで持って行けば、菜種油は取れるのだろう。ただ食糧になる菜種油の品種ではない。冬の緑肥作物である。緑肥にはマメ科。麦科。アブラナ科と3種ある。これを畑の様子で使い分ける必要がある。肥料が不足しているなら、マメ科。土壌改善ならば麦科。アブラナ科は雑草の抑えには効果が高い。
どの緑肥も共通して腐植質の増加である。表土を露出させないで、湿度を保ち土壌微生物を守るという事もある。日当りの良いところではすでに緑肥が覆っている。種の蒔き方が悪かったこともある。稲刈りが終われば、出来るだけ早く秋起こしをする。秋起こしをするときにはそばかすを入れる。ソバカスの量は1反150キロ前後。稲の様子が8俵ぐらいの物足りないものであれば、300キロ以上入れる。秋起こしをしたら、緑肥の種をまく。蒔いたらレーキや熊手で種が埋もれるようにした方がいい。緑肥はなかなか良い発芽にならない場合が多いい。寒さや乾燥が強まる時期だからだろう。種を撒いたならば稲わらを田んぼにすべて戻す。稲わらで土を覆っておくことは土壌にとって良いことだ。また緑肥の発芽も順調になる。藁はほぐして撒き散らせば、春までにはほぼ腐食が進んでいる。田んぼに生藁を漉き込むことは良くない。コナギを呼ぶことになる。藁を戻すのは大切なことだが、腐食した藁を戻さなければならない。緑肥も麦科やアブラナ科の場合は追肥をしなければ十分には育たない。冬場は肥料の効果が遅れるので、必要な1か月前にはそばかすを追肥してやる。
上に出た土はこのように乾ききっている。藁の下の土はしっとりとしている。
1月一杯はそれほど成育はしない。土に十分の力があれば、この間緑肥は根を延している。緑肥の生育で土壌の状態が分かる。その根が充分成育をしていれば、日差しが強くなるに従い目覚ましい生育を見せる。2月には一気に成育できる肥料分が土壌に備わっていなければならない。稲の状態で判断しきれない場合は土壌分析を秋に行い、土壌の状態を把握しておく必要がある。特に菜の花の場合は充実した土壌でなければ、良く育つものではない。有機農業でありながら、冬の緑肥の菜の花を育てることが出来れば稲作は安心してよいだろう。江戸時代の小田原では冬は菜種が作物として作られていた。それだけでも当時の農家の実力がいかにすごいのかという事がわかる。今の時代菜の花農法などと言いながらも、せいぜい花までである。油を取りながら、稲作も行う。これが出来なければ自給農法とは言えない思うが、出来たのは過去1回だけである。