マイナンバー制について
マイナンバー制についてコメントがあったので、もう少し考えてみる。この秋から施行される。その目的は大まかに言って3つある。1、行政の作業を効率的に行うこと。2、国民の利便性を向上する。3、公平な社会の実現。行政の業務が極端に増大し、限界に近付いている事は確かだ。行政の業務費用負担も大きくなり、充分な住民サービスに支障がきたす恐れが出てきている。目的の一番は税の公平な負担という事になるのだろう。土地売買を行い莫大な金銭を得て、税を逃れるために夜逃げをしてしまった人を2人知っている。その人は、そう遠くない所に引っ越して暮らしていたらしいのだが、そのまま脱税をしてしまったと思われる。そうした事例を考えると、マイナンバー制度は基本的には必要だ。公平な社会を作る為にも、ない訳にはいかない仕組み。行政の仕事の範囲に対する住民の要求は年々広がっている。行政はどの分野でも十分にこたえられていない。その為の事件も良く起こる。
10月には住民票に基づき、すべての日本で暮らしている人に番号が付けられ、送られてくる。マイナンバーは、社会保障、税、災害対策の分野での利用に限定されている。 年金・雇用保険・医療保険の手続、生活保護・児童手当その他福祉の給付、確定申告などの税の手続などで、申請書等にマイナンバーの記載を求められる。 例の厚生年金の記録を厚生省が無くしてしまったというような、馬鹿な事故が起きないためである。私がたまに講演をして、講演料をいただくときとか、又農の会などで講演をお願いしたときに、マイナンバーが必要になると言う事が起こる。
問題は、その悪用の不安だと思われる。政府は、
「制度面の保護措置としては、法律に規定があるものを除いて、マイナンバーを含む個人情報を収集したり、保管したりすることを禁止しています。また、特定個人情報保護委員会という第三者機関が、マイナンバーが適切に管理されているか監視・監督を行います。」と曖昧に述べている。
現在の、政府や行政の様子では、危険に感じざるえない。現在政府が表明している程度の対策で悪用を防ぐことなど絶対にできない。本来であれば、どうやってその悪用を防ぐかの問題が解決するまでは、採用を見合わせるのが当然のことである。振り込め詐欺蔓延国である。情報の流出は必ず起こるとしなければならない。全くの見切り発車である。最近私の所にも、保険の勧誘の電話が頻繁にかかって来る。そこでどうやってこの電話番号を手に入れたのかと聞く事にした。何と、アトランダムにダイヤルをまわしていてたまたま、笹村の家にかかったのだといい訳をする。もしそれが本当であるなら、そんな迷惑電話を営業方法にしている会社は、悪質だと思うので消費者センターに相談するので、あなたがどういう会社なのか述べて下さいと言う事にしている。するとすぐ切る。それでも、新手の営業電話がまた掛かって来る。どうもどこかで65歳の一覧とでもいう、電話番号が出回っている。
さらに不安な点はマイナンバーを政府自身が悪用する恐れも考えられる。第三者機関が監視をするというが安心できない。その機関を作るのが政府である。自分の監視を、自分が指名するのでは話にならない。しかし、実を言えばマイナンバーの情報どころではないのが、現実の情報管理である。マイナンバーは政府の情報管理を便利にしようという程度の氷山の一角である。既にそれどころではない、情報の集積が起きている。これからの社会情報を制御する事が出来ない社会だと思う。私の場合、すべての情報が把握されているという前提で暮らしている。ありとあらゆる情報が、整理され、蓄積されている。私が今日の昼何処にいて、昼ご飯は何を食べたくなるかだって、予測できる日が来る。否応なしの未来社会だ。情報を政府に把握される事を嫌がるより、悪用しないような、良い政府を選択する事だろう。