北国の春のごとく

   

舟原のしでこぶしが咲いた。3月に入ってすぐである。舟原にこの花が咲くと、春ということになる。杏子やスモモ。そして桃に桜。さして椿から、ミツバツツジまで、今年は一斉に咲いた。こんな年は初めてのことである。「 花の湯に こころさわがしや 山の音 」昨晩行ったなんりゆーでは、客は2人きりだった。強い風に吹かれて、春が一気に近付いたことが分かる。野菜の苗作りもどんどん進んでいる。北国の春というのは、花という花すべて一緒だと聞いたことがあったが、キャベツや白菜も花が来てしまった。

黄色いのは、食べ逃した白菜の花である。緑に広がるのが、麦である。去年よりは花が花として、美しく見える。畑の緑もさわやかである。人間の気持ちは、持ち直すものである。元に戻るということはないが、花が咲いてよかったと思う。いつになったら、花を描く気になるのだろうか。春が美しい季節で、花は美しいものだという、観念はある。しかし、自分の描きたいものと関係することがあるかは、まだまだ距離がある。北国の春が、格別であるのは冬が長く大変なものだからだろう。今年は青森県の酸ヶ湯というところで、5m66cmつもり、観測史上一番の積雪になったという。まだ、4メートルを超えた雪があるというから、ものすごいものである。今年の小田原では、雪がちらついたことはあったが、積雪はなかった。雨は週一くらいで適度に降る。恵まれた冬から春への季節の流れだったと思う。

タラの芽を25日に採った。すぐてんぷらにして食べた。春の味である。フキの葉もだいぶ大きくなってきたので、そろそろ取れるだろう。ワラビもウドももうすぐである。何度もは食べないが、一通りは食べることにしている。常食にするには、山菜は向いていない。やはり野菜というものは素晴らしいものだ。かなり食べても体に変調をきたさないし、飽きない。ご飯もそうだ。毎日食べてもおいしいと思うものなどめったにない。そういうものは特段の味ではなく、単純な味であり、奥深い味わいがあるものだろう。今年の春の植樹は、4月の20日(土)である。舟原ではミツバツツジが咲き始めてしまったので、山に植えた、つつじはその頃が見ごろだといいのだが。まだ花の時期に山に行ったことはないので、今年はとても楽しみである。なんでも早く進むので、少し心配になる。お茶摘みは5月1日ということだが、今の調子だとこれでも遅いのかもしれない。何度か4月中のお茶摘みというのもあった。

「頭山」にも桜が咲いた。毎年咲く。桜の盆栽が流行っているとテレビでは言っていた。土もほとんど入れてない。山ごけだけでくるんである状態だ。特に水をやったこともない。雨がかかるだけだが、今年も咲いてくれた。苔が緑ということは、結構雨が降っているということだろう。今年は、少し桜の枝ぶりを整えようと思う。

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