もみがらクン炭作り

   

クン炭は有機農業では実に重宝な資材である。苗土作りや堆肥づくりそして、酸性土壌の調整。土壌の物理性の改善と。なくてはならない資材である。簡単に作れる。今年は3回も連続して作り、作り方の要点が分かった。
1、もみ殻は乾いている方が良い。
2、保米缶作りが簡単で良いものが大量に出来る。
3、消火法が要である。
4、もみ殻の中に竹とか、牡蠣ガラとか入れると特徴のあるクン炭に成る。

作り方は農文協のビデオが、「保米缶もみがらくんたん作り」が、現在無料公開中なので、是非それを見てほしい。何度見ても新しい確認があり、参考に成る。映像情報は素晴らしい。それを見れば大体は分かるのだが、気が付いたことで、出ていないことを私なりに整理してみる。

保米缶を手に入れることがとても重要であり困難なことだ。要らない保米缶もすでに捨てられ、無く成っている。古い倉庫などに眠っている可能性はあるので、あちこち声をかけて見ることである。給油タンクの廃棄物なども少し加工すれば使えるだろう。直径1メートルあり、密閉性のある缶。クン炭の利用は効果を上げるには、かなりの量が必要である。ともかく大きな缶が良い。ドラム缶でやるのでは、手間の割に量が少なく効率が悪く実用的でない。香蘭社のクン炭製造機も頂いて持っているが、保米缶方式の方が格安だし、私は好きである。ただし取り出しは、香蘭社のものは良く出来ている。

まず、もみ殻クン炭機と言う三角錐の煙突を購入する。2900円位のようだ。これを保米缶のような直径1メートルはある大きな缶の中に設置する。もみ殻が良く乾いていれば、最初の着火には苦労しない。しかしたいていの場合、もみ殻には湿気がある。この時は、三角錐の中に藁を入れるだけでなく、薪を入れる。また、最初に入れるもみ殻の量を減らす。三角錐が少し見えている位にする。もみ殻が煙突のそばから黒くなったならば、もみ殻を足す事を繰り返してゆく。この際はまだ煙突を長くせず、煙突から、追加の薪を投入して行く。ある程度燃えたなら、煙突は3メートルくらいに長く継ぎ足して置く。長ければ消えにくい。煙突を傾斜して設置できるようにして、下の方に水蒸気が滴り落ちるようにおけば、籾酢を採ることもできる。保米缶の良い所は下から空気が入る穴がある所で、燃焼中にはこの穴はふさがないで置く方がよく燃える。燃焼時間は6時間位から15時間位まで、大いに幅がある。

炭に成る時間はもみ殻の状態で変わるので、経験を積むまでは目を離さないこと。12時間はかかる覚悟をして、朝明るくなったならすぐ始める。一時間ごとに見て、もみ殻を足してゆく。この時どの程度、上のもみ殻が濡れているのかはチェックポイント。最後の出来上がりで、保米缶がクン炭で満杯に成るまで作れる。消火が一番の技術である。穴のないビニールで酸素を遮断して消す。当然、下についている空気の取り入れ口も泥をかぶせふさぐ。水の量は2リットルでも消えるが、多くしたからと言って問題は無い。空気を遮断できるかどうかは、古い容器では穴があるので、丁寧にあちこちをふさぐ。そして36時間は置いてから袋にとりだす。24時間位では、再着火する可能性がある。再着火すると火事の可能性があるので、用心してしばらくは野外に置く。この時雨に当たらないことは注意する。雨に当たると、クン炭の良い成分が流れてしまう可能性がある。

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