田んぼの放射能対策
いよいよ田植えが始まっている。福島県だけでなく関東平野全域が量の差はあっても、放射能が降り注いだ。小田原では箱根山麓に当たった放射能雲が、比較的強く山に降り注いだと私は考えている。政府の公表の数値は意外に低いことになっている。放射能の土壌測定値でもだいたいのことは見えてきている。高度差や地形の違いで、微妙に変化が大きい。しかし、箱根山麓全体に降った量はそれなりのものであろう。それは、結局は海に流れ込む。直接、3月16日前後に風の流れに乗り、関東に到達した。その時葉のあった常緑樹には、こびりつき、吸収された。それが昨年のお茶やシイタケに現われ、驚くほどの高濃度になった。お茶などは深刈りを繰り返すことで、農家では10分の1まで放射能が削減した。しかし、冷凍みかんの騒動でもわかるように、常緑樹は樹木内部まで貯め込んでいた訳だ。それが翌年のみかんにもいくらか表れる。という経過である。現状での農地の土壌への蓄積はさしたることはなく、畑の作物はすでに殆ど放射能は表れていない。
しかし、田んぼでは問題がまだ解決したわけではない。関東地方の稲作農家は万全の対策が必要である。農水省では土壌からの移行を中心に考えているために、土壌汚染のレベルの低い、関東地方については安心している節がある。農水省は土壌にカリ肥料を入れるという対策を中心に主張している。この考えは、土壌放射能が低い田んぼでは充分ではない。確かに、カリがあれば、セシュームを吸収しにくいということは事実だが、土壌にカリがあったとしても、水自体にカリが存在しなければ、田んぼでの効果は低い可能性が高い。玄米にセシュームを貯めるのは、穂が出来てから以降の水根からの吸収という事を疑わなくてはならない。この時にいくら土壌にカリウムがあるからと言って、水根からの直接のセシューム吸収を防ぐことはできない。放射能については、農水省の指導を信頼した所で、放射能が現われてしまってからでは遅いので、冷静に考えて欲しい。
関東の山も多くは杉檜の植林である。この山では、樹木が大量の放射能を吸着させた。それが落ち葉となり落ちている。それは昨年も起きたことであるが、常緑樹であるから今から落ちて来るものもある。そして、その枝葉は地面で腐食し、腐植物から離れセシュウムは雨で流され下流域に流れ下る。かなりの部分は雨で流れ下るのだが、そのピークは東京湾においては来年あたりという予測が京都大学から出た。田んぼへの流入も、今年はまだ安心が出来ないということである。色々放射能数値を挙げて説明したいところだが、数値は風評に繋がるので、控えざる得ない。ともかく、心配が解消された訳ではないと考えている。東京湾では再来年に成って、高い場所のヘドロ中で5000ベクレルになるとされている。これは流入する水が、これからの方が油断できないということになる。平均的にも400から500ベクレルの海底の土壌になるらしい。
これは、水に含まれる量という事では、ただ事ではない数字である。田んぼの土壌に増えるほど水に含まれていれば、稲の吸収では大変な量になる。つまり、土壌に増える量はほぼ、稲が貯める可能性があるともいえる、大変なことだ。対策としては、田んぼで使う水を減らすこと。特に保後半。根が浅くならないような耕作。強めの干し田。また、流入口に溜池や迂回水路の設置。入水口付近にもみ殻、もみ殻クン炭。ゼオライトの設置。粉末状の牡蠣ガラの散布。吸着後の資材は地中に埋めれば殆ど問題ない。水生植物を後半に繁茂させられれば効果が考えられる。お米は就職なので重要である。シイタケや、お茶とは違う。食べる量が多分1000倍くらいにはなる。1ベクレルでも下げることは意味が大きい。対策については、本来であれば専門家が指導すべきだが、大半の人は土壌からの吸収に気を取られている。それであえて、拙い素人考えを書かせてもらっている。
昨日の自給作業;お茶の刈り込み3時間 累計時間:14時間