「エネルギーの自給自足を考えよう」4
自給生活の基本的技術に保存法がある。夏野菜の保存法。冬の端境期対策。上手に貯めることが楽に自給を行うコツだろう。お米を籾のまま保存すれば、むしろ美味しくなる。これなぞ自給らしい有難い知恵である。漬物なども保存に始まりむしろ、より美味しいものにしてしまう。これこそ自給の知恵だろう。自給エネルギーを保存する。12月に一年分の薪を作る。これは子供の頃の大きな作業だった。木小屋がまさに溢れるまで、周りにもぎっしりと積みあげた充実感は、子供にだってよく理解できた。東京に出てからもこの作業だけは手伝いに行った。あの必死な暮らしの空気が味わいたかった。それこそ真剣なもので、5人で2週間ぐらいの作業だったと思う。木を切り倒し、山から引き下ろし、長さをそろえて切って、割る。そして木小屋の積み上げ。あの木小屋の大きさは3間2間の6坪。高さが1間半。40㎥と言うところか。おじさんが実に頼もしかった。
問題は電気である。蓄電池と言うものが高価で、消耗品である。これが電気エネルギーの最大の弱点だろう。自給生活では、暗くなったら寝て、明るくなって起きると言うのが基本だが、現代の自給生活は、江戸時代のような訳にはいかない。江戸時代と現代の違いの一番は部屋の明るさである。ろうそくですら明るく贅沢という感覚の中で暮らしていたことは、もう想像すら難しい。今技術革新が一番望まれるのが、蓄電法。まだ蓄電が難しい以上身近な自然エネルギーに合わせて暮らす。太陽光とマイクロ水力発電と樹木チップボイラーである。あるものの範囲で暮らす工夫である。断冷房は使わない。太陽に合わせて暮らす生活習慣。3回のまちづくり学校の講義は、自然エネルギービジネス講座であった。エネルギーの自給自足に焦点を合わせなければならない。
小田原の自然エネルギーを見直す時、重要なことは何があるかを、徹底して研究する。あるものをどう生かすか。そして暮らしをあるものの器にどのように合わせて行くかである。この精神を忘れると、ビジネスが優先される。ファンドの話や自然エネルギー証書販売があったが、地域外から資金を導入する発想。これは自給自足の思想から外れる。それならドイツの国債を購入するのが一番ということになる。どれほど貧弱であるにしても、自分の暮らしを考え、変えて行く所からである。次が舟原の地域自給。そして小田原の自給である。自分の暮らしの自給なら、借金をしないで可能にしなければいけない。小田原の自給なら、小田原の力量に合わせることだ。大規模水力は自然エネルギーに加えないというきれいごとを述べている割には、外部資本を入れると言うことでは、再生可能エネルギーとは思えない。
自然エネルギーは必要な時に発電することが出来ない。その為にも、貯める技術である。余っている時に熱にして、地域暖房や冷房にする。これは大きなビルや工場なら、可能な技術だろう。一つの地域でこういうことを行うことの方が合理性もあるだろう。しかし、こういうことが行われないようにしてきたのも、独占電力のシステムが影響している。地域電力会社が可能ならば、地域として最も有利な流れを模索出来たはずである。個人としては電気自動車にして、搭載の蓄電池に貯める実用性を待っている。こういう車が実用範囲に成ったら購入するつもりだ。原油の輸入に頼らずに自給生活が出来る。ソーラー発電の売電分を自分で貯めて使う訳だ。夜間電力で水素を作り。水素燃料で発電する方がいいという意見もある。技術革新である。原発に無駄に投資したお金が、自然エネルギー技術開発に成っていればと思うと悔しい。政府の無能が国民を苦しめている。
昨日の自給作業:種まきや苗作り2時間 累計時間:4時間