お茶畑の放射能除染作業

   

昨日、24日やっとお茶畑の除染作業が終わった。来年の新茶は飲めるようになるかもしれない。私が飲めると考えるレベルは、100ベクレル以下である。それより低ければ安心して飲む。自分で決めた基準である。それは生葉でいえば、20ベクレム以下になった時である。お茶は厳しい食品である。生葉で600ベクレル出ていた畑である。30分の1まで下げなくてはならない。何年かけてもやりたいと考えている。7月25日時点の県の調査によるお茶の全セシューム量は160ベクレルである。農の会のお茶は現時点で測定はしていないが、100以下であることは確かである。それは出来る限りの除染を続けているからである。放射能が一番強く存在するのは、お茶の木の枝葉である。そして表面土壌と降り積もっている腐植質である。葉や枝が堆肥化して存在する部分である。これは、稲藁の汚染で、そうしたものが放射能を吸着し、乾燥と濡れることを繰り返しながら、高濃度になることが分かってきた。

13人で9時に開始して午後3時に作業は終了した。先日までに下の畑は終わっていたので、今回の作業は上の畑である。全員本気で作業したのでかろうじて終わった。終わった時は疲労困憊だった。みんなでやるから出来る作業である。一人なら、諦めざる得ないだろう。これが出来ない一般農家が普通である。農協の放射能汚染損害賠償説明によると、放射能除染を自ら行った作業費は、賠償要求から外すようにと言うことであった。これでは、いよいよ作業に取り掛かれないことになる。一人で行えば、1反で10日かる作業である。1町歩やっている人なら、家族で1カ月かかりっきりになる。この作業は放射能が降り注がなければ、いらなかった作業である。当然のこと東電が来てやるべき作業である。それを変わってやっているのに、その労賃を請求しないとはどういうことだろう。農の会は当然のこと請求するつもりだ。

作業は放射能汚染が公表された段階で、土壌測定、線量測定を行った。その結果濃度の濃い部分と、低い部分があることが分かった。表土と表面を覆う大量の堆肥化した腐植質に集中的に放射能は存在する。お茶の木はすで高濃度に汚染されているので、即座に葉は刈落とし畑の一番下に積みあげてきた。次は表土と腐植質の持ち出しである。これが困難な作業であったが、できる限り行った。10数年の努力で、お茶畑は表面5センチほどが堆肥化している。これを持ち出すのだから、悲しい作業である。しかし、又10年、20年すれば良くなるのだと思いながら行った。漠原人村のマサイさんに言われたことである。枝も草も相当に伸びているので、刈払しながら作業をした。畑に影響の少ない場所は限られているので、積みあげる山も大変な量になった。一年ほどしたら小さくなるだろう。穴を掘って埋めたいと思う。

足柄地域で放射能測定をしてきた。そして、他機関で測定したというデーターも測定方法を含めて集めてきた。100くらいにはなるのだろうか。すべて放射性物質の量である。空間線量では曖昧さが伴い、役に立たない。食べ物を販売するものの責任として、自分の土地は自分の責任で測定しておきたい。同じ麦でも、小田原でも94ベクレルもあれば、7ベクレルのところもある。福島の市町村では農産物の測定を一つもしていない市町村の方がはるかに多いそうだ。測定をしない食品は放射能がないということで流通できる仕組みだ。行政が測定をためらう訳である。例えばお米の測定が今行われ徐々にデーターが出てきている。しかしこの行政で行ったデーターは信頼性が乏しい。どんな機種の測定器で行ったのか。土壌はどうだったのか。田んぼへの入水状態のデーターは。第3者が理解できるデーターとなっているかを併せて、公表しなければならない。特に、不検出の範囲は統一すべきだ。

昨日の自給作業:5時間お茶畑作業 累計時間:10時間

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