稲作 おかしな夏
8月に入った。7月前半の高温、後半の低温。8月になったと言うより9月にと言いたくなるような天候である。おかしいというより、この先どんな天候に成るのかが読めないでこまる。暑い夏になる心配ばかりしていた。大震災以来、どんな自然現象も起こりうる状態に入っている。気候と地震は関係ないかもしれないが、地球上で起こっていることだから、すべては繋がっている。これは農作業上の認識である。前半が高温で後半が低温だと、平均気温は例年並みとなる。それでは、稲も平均的に生育するということに成るのか。稲作の作況としてはどんな夏か。神奈川県の7月27日の稲作概況では平年通りとある。足柄平野全般を見て歩くと、全体に葉色は上がらないし。葉先がすでに枯れてきた稲も結構ある。しかし、県の調査では平均気温のように、生育は普通になっている。面白いことだ。
これで神奈川県が平年作と行くのだろうか。ちょっと信じがたいが、県の調査は、茎数とか、稲の丈の高さから見ているのだろう。私の眼には葉の厚さや色から、日照が足りないという感じがしている。こういうおかしな天候では、稲の自然対応力がものを言う気がする。植物は引き出せば驚くべき対応能力がある。動けないものは、自分が合わせるしかない。舟原田んぼではこのまま干し田はしない方針である。現在穂ばらみ期に入った。この先、出穂期、乳熟期となる8月は水が一番必要な時期と考えている。8月はもう田んぼには入らない。この後はいると稲を傷めるような気がする。どこかのタイミングで間断潅水に入るつもりだ。このタイミングが難しい。間断潅水に入ったら、夜水を入れて朝止める方針である。まだ暑くなるとみている。追肥をするならまさに今の時期だが、このおかしな天候を考えると、何もしない方が安全な気がしているが、迷いはある。
稲が弱い感じだ。葉色が例年より明らかに浅い。土の力が稲に現われていないのだろうか。葉が軟らかいのも気に成る。新潟、福島で大雨で田んぼが水没したようだ。いよいよもってしっかり田んぼをやらなくてはならない。日本中でしっかりとした稲作をやらなくてはならない。放射能汚染米の問題が出て来る。お米は食べない訳にいかない。今年は西日本はおおむね天候は良い。関東以北はこのままで終われない、8月日照が戻ることを祈るしかない。一番必要なものは日照。日照不足が続く場合どう対応したらいいのか。今までで分げつは採れたのだから、早めに間断潅水に入るようにして、土壌に刺激を与えたらどうだろうか。化学肥料を使う水田の水管理と、自然農法での水管理では、干し田に関しての管理が一番異なる。土を乾かすことで、土の窒素の影響が変わる。化学肥料の場合、肥料を止める効果。昔のやり方では、窒素を発現させる効果。
例年、無効分げつが多いということは、窒素分がだらだら効いているような感じがある。これが効かないなら根に活力があっても、穂の充実度も下がる。穂を充実させたい訳だから、後半に根の活力が残っていて、生きた土壌でなければならない。今ある幼穂が充実した穂になる為にやれること。春から湛水状態が続き、土壌が腐敗するところが出て来る。この段階では、漉きこんだ植物残さの腐敗と言うより、土壌そのものの性質が変化し、腐敗方向に入る。水に酸素が十分にあれば、あるいは酸素を発生する微生物が出て来ているなら、土壌は活性化する。干して酸素を入れてというより、良い水とのかかわりで、回復を図る。その意味では流し水管理は意味がある。一枚目と2枚目の田んぼは、流し水で、3枚目は溜水的管理である。3枚目は早く水が変わるように間断潅水にしてみる必要がある。
昨日の自給作業:田んぼの草取り2時間 累計時間:49時間月間最高記録。