小田原の土壌放射能
西大友にある大豆畑の土壌放射線量の結果が出た。全セシュウームで21ベクレルであった。これは土壌を表土から、15センチの深さまで採取して測定したものである。すでに3月11日以降に耕された土壌である。そのやり方が正しいか、間違っているのかの議論はあるが、政府のやり方に合わせないと比較のしようがないので、15センチまでの土壌を取って測定してもらった。この値は、作物に影響が出るようはことは全くないと言っていい値である。測定はだいぶ前にお願いしたのだが、やっと結果が出てきた。今はさらに依頼が多くなり、さらに時間のかかる状態らしい。これで小田原の土壌の測定結果は4つになった。これで土壌の放射能汚染の状況がだんだんに見えてきた。今結論めいたことは言ってはならないが、あくまで推測として、放射能汚染と言うのは偏るということだ。同じ小田原でも10倍から20倍くらいの上下の振れがあるだろう。高濃度の地域でもさらに濃縮されてゆく地形がある。
福島、宮城、栃木、の稲藁から極めて高濃度の稲藁の汚染が起きた。これは農家にとって重大な事件だ。このことをどういうことかと良く良く見極めて、様々なことを類推する必要がある。本来素人の私のようなものが書くことは、誤解のもとに成る危険もある。しかし、農水省は想定外で、原因究明をしているのかどうか。対策すら混乱している訳で、全く期待できない。東北では、稲藁が冬の田んぼに置かれていることが普通にあるそうだ。寒さと雪が降るということで、稲藁の扱いが他の地域とは違うようだ。また、放射能の汚染が起きたために、稲藁の扱い、動きにも若干不自然さも生じた。農業者、業者の責任を問題にしているのではない。田んぼに置かれたままの稲藁は、雪や雨にぬれる。条件によっては、雪や雨が降った時だけ用水の水が冬でも入るような所もあるようだ。雪が降り積もることもあり、冬の間の田んぼの水管理があまり気にしていない人もいるようだ。
雪や雨にぬれた稲藁はしばらくすると乾く、乾けば溜まっている周囲の水を吸い上げる。又降る。又吸い上げるを繰り返しただろう。そして放射能を濃縮していった。お茶の葉に降り積もって新芽に集まる仕組みと同様で、放射能特有の状態を作る。似たようなことは草原などでも起きている。枯れ草など、土壌以上に高濃度に成っている可能性がある。できる限り生草を含めて、枯れ草を集めて埋め込んでしまうこと。落ち葉や枯れ草を堆肥には使わない。と言っても山全体が放射能がある訳で、木材の放射能汚染の問題はこれからのことだ。木材を現段階ですべて切りだしてしまえば、材としては放射能汚染なく使える。今は樹皮と葉や枝だけが汚染されている。放射能は根から吸収されるとしても、古い材に浸透することはほとんど無いから、年輪表面の2011以降を廃棄すれば問題ない。早急な対応が、太い材では有効な方法ではないだろうか。
植物の根からの吸収は、降り注いだ大気の放射能物質からの吸収とは比べられないほど低い。小田原の土壌放射能汚染は、一番高い地域の表土であっても、1000ベクレル程度と推測される。この場所で、移行計数が一番高い作物を栽培したとしても、100ベクレルを越えることはない。政府の安全基準は500ベクレルと言うことであるから、子供であっても高い作物が100ベクレル以下であり、大半の作物は不検出の状態なのだから、影響は極めて低いと言える。それでも不安な人は多いと思われるが、稲藁の汚染を見ると、すでに地域性で考えるだけでは駄目である。堆肥など汚泥を使うものもある。稲藁や草が食べさせられないなら、堆肥として使うならと考えた人もいる。間違うと畑に放射能がたまる結果もある。販売されていた腐葉土1袋から1キロあたり1万1千ベクレルを検出したと秋田県が発表。焼却灰がコンクリート材料に成る。海の汚染がどうなるかも、何かが出ない限り想定外である。科学的に連鎖を推測することしかない。