荒茶の規制値

   

農水省が荒茶も5〇〇ベクレル規制をすることにした。ああ、静岡茶も規制に入るのか。こう深刻に考えた。所が何と、静岡県知事が検査をしないと発言している。これは一体どうなるのか。理解しがたい不思議な事である。この混乱をお茶を購入する者がどう受け止めるかである。規制値を超えているかもしれないお茶が、どれほど売れるだろうか。第一に販売者には、チェックする責任はないのだろうか。伊藤園は独自検査を発表した。国が規制を出して、それを県が測定しないとしても、すでに生葉の値は出ている。それが5倍の値に成るのだから。生葉で、100ベクレルであればもう出荷できないということに成る。これは、静岡どころでなく、九州のお茶だって不安がないとは言えないだろう。それにしても静岡県知事は元早稲田の政経の教授である。農業分野には詳しい方である。検査拒否がどういうことに成るぐらいは、十分計算しているのだろう。

農水省にはスタンスを一貫して欲しい。食糧の安全において、ごまかしはきかないのだ。ここまで延ばしたこと自体が、政府の危機管理能力の欠落を表している。このように繰り返されるずさんさが絶望感を引き起こしている。補償には万全を期す。これがそうとうに怪しい。農の会でもお茶を生産している。そこで、補償問題を直接東電に問い合わせた。実に低姿勢な、懇切丁寧な対応であった。農の会のホームページを即見てくれて、こういう組織であるなら、組織としての賠償請求をして下さい。申請書類を送るので、申請して下さい。こういう答えであった。ところがすでに何週間もたつがなしのつぶてである。こちらも田植えに入り忙しい。このいい加減な東電とかかわっては居られないので、現状進まない。どこの農家もそうだと思う。あれこれ書類を準備をしろ、電話をしても口ばかり。誰が悪いのか分かっているのだろうか。嫌気がさしてくる。

食品の安全は現在のところ、食べる人自身が恐る恐る決める以外ない。ほぼ無法状態に陥っている。検査をしないで、やり過ごそうという静岡県知事の態度は、逆効果に成る。お茶以外の食品も、検査をしないだけで、実は基準値以上なのかということに成る。不安が不安を呼び、食べるものがない。こういう話を時々聞く。子供に食べさせられないからということで、農の会の野菜の宅配を休みにした人も数件ある。当然のことだろう。小田原でこの状態である。不安で東北、関東の食品は食べられないという人も多数いるはずだ。これは間違っても風評被害ではない。販売されたお茶が基準値を超えていた時、一体だれが責任を取らされるのだろう。疑心暗鬼が広がれば、魚の問題である。静岡知事の対応と同様で、魚も検査が極めて限られている。

東電は周辺の積算放射線量を、やっと発表した。それが何と間違って過小に評価したというのだ。こんなことが、何十回と繰り返されている。燃料棒溶融の結果のテルル132が早い時期に周辺に出ていたことが今に成って公表された。原発自体の設計も不備であった事が判明。壊れたのは地震で、津波ではない。原発がこれほどでたらめな構造の上に運営されていた。農業者はこの被害をどう受け止めればいいのか。持って行き場のない怒り。反対しきれなかったわが身を嘆くしかないのか。静岡県知事も同じ被害者である。浜岡原発の再開は絶対にさせないと誓って欲しい。廃炉にすると宣言して欲しい。土壌でも作物でも、食品はできる限り測定する以外道はない思う。そして、国際基準に従って安全の範囲を決めて欲しい。その上で、農業者の被害を政府の責任で補償してもらいたい。農業者が身をこごめていても、放射能は簡単には通り過ぎてくれない。

昨日の自給作業:苗取り、代かき7時間 累計時間16時間

 - Peace Cafe