セルトレー播種
セルトレーの播種を行った。舟原田んぼでは田植えは6月13日を予定しているので、8週間前の種蒔きとなる。これで5葉期の苗が出来る予定である。籾洗い、海水選を行ったのが、3月22日だから、さらに4週間前。種籾は眠りから覚めて、晴れて田植えを迎えるのに、12週間となる。昨年の流れを思い出すと。4月1日浸種。 4月19日セルトレー種蒔き。苗代設置 6月10日あらおこし。 6月14日田植え。 7月5日転がし。 7月20日と8月7日干し田。 8月10日走り穂。 8月24日穂揃い。 10月24日稲刈り。ハザ掛け。11月1日脱穀。 11月10日籾摺り。これは昨年の流れである。毎年繰り返している。繰り返していることなのに、少しも心配が減るものではない。頭の中で作業をなんども反芻している。その通り行くことなどない。
今年ビックリしたのは、予定していた種もみの量が200グラムしか余らなかった。良かったといえばいえるのだが、例年もっとあまっていた。10キロの種籾を籾洗いする所から始めた。それは去年も同じ。籾が軽かった訳ではない。むしろ重かった。播種が少し今年は多かったかのではないか。3粒蒔きを考えているが、これが4粒平均に成ると、33%は種籾が多く必要になる。6,7キロと10キロの違いが起こる。4粒がまずいと言うのではない。33%多く用意していて助かった。いつもあまってもったいないと思いながら、そのくらいの余分は必要と考えてきた事が生きた。来年は12キロは籾洗いしよう。そうだ、それも違った。今年直播の実験をするので、その結果による。
26日に「シバタプラセール」滋賀長浜まで見学に行く。そこでは湛水直播をしていて、きわめて興味深い。山北では直播をしていた。自給なら本当は直播である。作業時間がぐんと減る。稲にもいいし、いいお米が採れる。それは分かっているのだが、リスクがとても高い。よほど、観察力が無いとできない。田んぼが大きくなれば、リスクが膨らんでいって、無理と言うのが今までの判断だった。しかし、2センチ発芽しただけの稲に、水深10センチの水張りをすると言う考えが、芽からうろこ。いや目からうろこ。なぜ、稲がこの水深で弱らないのか。この点を実験してみたい。7畝の上の田んぼ1枚でやってみるつもりだ。舟原のみんなも許可してくれたので、挑戦して見る。だめなら、いつもの流れに戻れるので、やって見たい。特に今年は、いわこしさんという、とても観察眼の優れた人が居るので、ディスカッションしながら、実験できると言うのは心強い。
直播の実験を何故やるのか、今のやり方で充分でないか。ある人から詰問調で言われた。答えながら思ったのは、結局、新しいことをやりたくてしょうがない。と言う性格からきているのだろう。あえて理由を挙げれば、こんな実験は農家の人はやれない。研究機関の人はやらない。とすると、馬鹿げた人が、無駄を承知でやらない限り、自給農業の集大成は出来ない。自給農業は一日1時間の農業。1年365時間の中に、合理的に全ての農作業が納まる。その為には、さらに精査を繰り返す必要がある。今のセルトレー方式では、苗作りに相当の時間を費やす。直播とセルトレー苗作りを混合した方法が、イメージとしてある。直播を行いある程度の、完全ではない発芽ぞろいの田んぼの状態を作る。おおきく、補植を行うように、田植えを行う。結局、雑草がどうなるかである。これで、なんども失敗している。しかし、雑草については、抑草技術の進歩がある。考えるだけでも楽しみである。結局性格である。
昨日の自給作業:種蒔き4時間30分、苗床1時間30分 累計時間:14時間