欠の上(かきのうえ)の田んぼの再生
小田原久野欠の上(かきのうえ)の田んぼの再生がいよいよ始まる。久野川沿いに三国工業の前の道を舟原に向って登ってゆくと、右側に小さな美しいお堂がある。お堂の前に大きな柱が立っているので、とても目立っている。ときどき祭事の後が見られるし、掃除も良く行き届いて、綺麗に草花が植えられえいる。このお堂の前まで来ると、つい左下の久野川沿いに広がる農地に目が行く。昨年、農の会の仲間が農地を探していて、このお堂のお隣に住む、長く連合自治会長さんをされていた瀬戸さんをお訪ねした。それで、川沿いの農地を紹介していただいた。その時の話はまとまらなかったのだが。そのことが、里地里山協議会での田んぼの再生の事業に繋がった。そうしていたら、今度は国土交通省の補助金で、農地が再生されることになった。その事業も併せて、この地域に適応される事が決まった。全体では1.5ヘクタールほどに広がる川沿いの、とてもいい農地である。
今回国交省の補正予算で行われるのは、現在ミカン畑の場所2反である。昔は当然全てが田んぼだったはずの場所だが、ミカンがいい時期に田んぼにミカンを植えた。個人ではミカンの片付けはなかなかやりきれないので、負担になりながらも、ミカン2反を続けてきたと言う事らしい。そのみかん畑を田んぼに戻した後は、農の会で管理する約束になっている。一部は耕作されているが、全体的に田んぼに戻す事が、この地域の農村景観的として最善の方法だと思う。久野川を蘇らせるためにも必要なことだと思う。多分川沿いには水車もあったであろう。水路を使って、発電を行えそうな場所だ。全体では4枚のミカン畑だ。大きなミカンが全てに植わっている。どうやって再生するかを、一緒にやる予定だ。田んぼに戻すために石が入らないこと。畦をしっかり作ること。平にする事。水が洩らないように固める事。あれこれあるが、なかなかの大事業である。
今回の国土交通省の事業は、地域の建設業界の緊急支援的意味合いが強い。公共事業を否定してきて、又、今回の15兆円の補正予算に反対でいながら、まさかその事業の一翼を担うとは、不思議な巡り会わせだ。農地を再生しても、継続して耕作できる条件がなければならない。また、個人的な利益になってしまう事も、問題がある。そうしたことで総合的に、農の会が請負う農地と言う事で、この田んぼが選ばれたと聞いた。ミカン畑を田んぼに再生するという事業の目的にも、この場所が適合していたと言う事は大前提である。先日初めて、工事を指導する建設業組合の方と、打ち合わせをした。田んぼの再生など、したこともない業者が行うので、これは相当に大変なことになりそうだ。鬼柳の田んぼの再生では県土木と業者にお任せして、大失敗をした。今回はそうしたことがないようにと思ったら、口うるさくて迷惑な感じになっている。
1、全体が完全な平らになるようにお願いします。
2、木を切り、完全に抜根すること。大きな根が残ると、トラックターがはまります。
3、その後、水漏れが起きないように、しっかりとローラーをかける。
4、その上に耕作する土壌を30センチ入れること。土壌は石が入らない細かなもので、
5、耕土は柔らかいままでいい。(緑肥作物を10月末に播種する。)
6、当然ながら、田んぼには水が入り、水の排水が出来るようにお願いします。
7、入水口、排水口をきちっと整備する事。そうした器具があるので利用する。
8、田んぼ周囲の畦は「安全畦畔ブロック」
9、あるいはつき固めた土で、巾60センチのものにする。
10、畦の高さは耕作面より15センチ高くするようにお願いします。
どこまでやってもらえるかは、別にして、ミカン畑を田んぼにするには色々手がかかる。私の見立てでは200万円ほどの仕事になる。