水と土壌の判定法

   

今日から、中国鎮江市に自然養鶏の指導に行っております。
生き物を育てていると、水というものが大きなウエートを占めていることを感ずる。田んぼを雨水だけでやったことがあるが。これは良くなかった。雨水にはミネラルがないという事だと思う。蘭を育てていると、雨水に相当に降られても、やりすぎと言う事がない。酸素の含有量がおおきな要因だと推測する。鶏を育てるには、岩清水が一番いい。これは思い込みかもしれない。いずれ、水と微生物の関係が深く、水の状態によって土壌微生物の状態が決まってくる。この辺の所は、エセ科学の横行する分野となる。水商売とはよく言ったもので、水という基本のものを商売にしてはならない。空気を商売にする、空気清浄機などもそうなのだが、生きる基本であるものは、操作しなくてもそのまま生活に差しさわりがない、安心レベルにする。これが政治の基本目標。水について、日本は極端に恵まれている。だから、この国土に1億3000万人も暮せる。地域の水の状態を分析してゆくと、さまざまな、否、全てが見えてくる。

田んぼはまさに水と土壌のバランスによって作られる。この微妙なバランスが、実に巧妙な駆け引きによって作り出せるところが、古代日本人がはまってしまった所ではなかったかと思う。麦や、トオモロコシや、ジャガイモ、タロイモ、こういう物を主食にした文化と、稲作文化とが大きく違うのは、土壌と水の関係に由来するのだと思う。稲作は日々の努力というものが、分かりやすい結果となって表れる。冬季湛水。春水田んぼ。深水管理。浅水管理。間断潅水。干し田。流し水管理。いずれの方法を取るにしても、結果は収穫と言う事に集約される。いいお米が沢山収穫できる。この事だけで判断すれば言い。もちろん、いいお米とは何か。発芽する力だ。美味しいとか、健康にいいとか言うのは、別な事だ。農薬や化学肥料をやるとかやらないなどというのも、絶対的な問題ではない。結果が全てである。自然農のお米は生命力が満ちている。などと言い切ってしまう人がいるが、枯れかかった稲の自然農では、生命力はない。生命力の源は、水と土壌が作り出す土壌発酵の世界である。

「土壌の臭い」を判定する。これは、田んぼめぐりをした時の基本的判定基準である。当然、腐敗臭はいけない。発酵の判定は、臭いが大きな決め手となる。臭いにも、表土の臭いと、深層の臭いとがある。土壌は5センチも下は嫌気性になる。深層での発酵は嫌気性菌による発酵になりがちである。だらから、適当な時期に土壌を攪拌する事は、重要な作業になる。攪拌は機械的に行うのが普通だが、合鴨や、微生物や水の浸透性に伴う攪拌もある。堆肥の作り方と変わらない仕組みである。冬の間の土壌管理や、緑肥や麦の作付けも大きく影響する。臭い土壌は良くないというのは、誰でも思うところだが、臭さにも種類があるようだ。メタン発酵のどぶの臭い。植物残渣の腐敗臭。米糠などの発酵臭。水自体の腐敗臭。いずれ微生物の量と種類ではないか。同じことでも違う結果になるのは、微生物の傾向が違う。正確なところは分からないが、良い微生物を増やす努力が、水と土壌の良い関係を作り出す。

田んぼを見方
1、 入水調査。水源の確認。水温。水質。汚水の混入。生活排水。他の田んぼ排水からの入水。水のことだから、水源を必ずたどってみる。
2、 入水口と排水口の比較。土壌と水の状態の確認。田んぼの中で水がどう変わるかが重要。結果は土壌に表れている。
3、 トロトロ層、ふわふわ層の確認。微生物量が分かる。表土の臭いをかぐ。深土の臭いを比較。
4、 干し田以降の土壌の変化。干し田による刺激が、土壌にどんな影響になるか。湛水が続いて土壌が腐敗していないか。

昨日の自給作業:人参、キャベツの種蒔き カボチャの植え付け2時間 累計時間:2時間

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