生ごみの削減法

   

「生ごみを少しでも減らしたい。」これが養鶏を続けた動機のひとつだった。餌になるものは餌にする。2000万トンも存在すると言う、食品廃棄物の量は輸入畜産飼料の総量に匹敵する。この2000万トンをごみとして燃やしてしまう、この無駄は、畜産の飼料の考え方を変えれば、解決できることだ。そのための技術開発が、私が試みた20年の養鶏業だった。私が育った時代は、そうやって生活の周辺で家畜は飼育されていた。それが臭いとか、うるさいとか言う事で、徐々に隅に追いやられ、人目につかない巨大な工場のような、閉じた空間で行われるようになってしまった。養鶏について私なりに提案はしてきたつもりだが、自然養鶏はむしろ後退してしまった。養豚の方も、同じことである。その大きな要因になったのが、食品リサイクル法と言う悪法である。出来る前はこれで廃棄物問題が、解決できると期待した。所がこの法が出来たために、畜産関係者の収集が排除されることになった。

廃棄物取り扱い資格を持つ者が、発生源と利用者の間に入る事になった。食品廃棄物を1箇所に集め、堆肥や飼料を生産する。そこで、価格の問題が出てきた。廃棄物業者は廃棄物の引き取り費用をもらう。1キロ25円とか。70円とか言う価格である。これは1軒の豆腐屋さんで、100キロのオカラが廃棄されるとして、1ヶ月10万円にはなる。昔なら、畜産業者が引き取りに行き、お互いに無駄なく回っていた。このオカラは例えば富士宮の方まで運ばれて、堆肥になっている。私が使う方が全てにまさることが判る。学校給食廃棄物でも同じことである。以前は、地域で使えた。小田原市でもこれを認めていた。所が法があると言う事で、私たちは貰えなくなった。先日再度申し込んでみたが、無料で引き取ると言うのに、法を根拠に拒否された。

先日報徳小学校の学校給食廃棄物の処理システムを見学させてもらった。生ごみ処理機が置かれていて、そこで、地域の生ごみや、学校給食で出る生ごみを処理してゆこうと言う仕組みだ。とても良く考えられている事例であった。問題は現状では活発化するというより、少々衰退の方向にあるようだ。一番は誰がこれを担うのかの、主体の存在の弱さである。ボランティアで支えられているために、善意の人が、一人減れば、活動が途絶えると言うような状態とのことだった。一言で言えば、市民の出す生ごみの焼却が減れば、1キロ減れば、25円の経費が削減できると言うコスト意識だ。自治会が集めて、持ち込む量はわかっている。月に100キロなら、2500円はお払いすべきだ。

生ごみの削減はその地域の特徴に併せて行わなくてはならない。小田原のように、様々な暮らしが複合的に存在している地域では、方法を組み合わせる事が重要だ。そして、削減した生ごみの量に併せて、減らした者が少なくとも1キロ10円程度のコストを受けることだ。生ごみは焼却炉で燃やせば、炉は傷めるし経費もかかる物だ。市はそうした支出をおこなっても、財政的にはマイナスになることはない。
例えば、
1、生ごみを出さない自治会を募集する。応じた自治会が100世帯なら。1軒あたり4000円。年間40万円の自治会費を市は補助する。時にその自治会のごみを検査すればいい。
2、個別に行う家庭にも、補助を出す。市役所の環境部に出かけて、誓約書を提出する。私は生ごみを入れません袋を配布する。そこに名前を書いて、ごみを出す。

徐々にそうした自治会が増え、市民全員が生ごみを出さなくなれば、4000万円程度の経費がかかることになる。これは高すぎるか。どの辺りが、廃棄物会計として適正であるか検討する価値がある。

昨日の自給作業:タマネギの植え付け準備1時間 累計時間17時間

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