ピースカフェの役割
ピースカフェを始めたのは、憲法9条改定を何としても止めたいからだった。もう2年近くになる。その頃小田原9条の会の立ち上げも、同時に進められていて、その動きには当初関わりがあったわけだが、9条の会だけでは心細いと思った。憲法なんて、ずうーと遠くに感じているけれど、平和な地域の暮らしには密接な活動を続けている人達が、あしがら地域には沢山居る。この人達と繋がって行くことが出来れば、それは力強いと考えた。憲法を改定して、軍隊を持とうと考えている人達に対し、それが私に出来る事だと考えた。その時考えたのが、今回の参議院選挙だった。参議院選挙が山場になる。そこまでに、できる限りの事をしようと考えたのが、ピースカフェに成った。このブログも当然その動きの中で書く事になった。出来ることをやらないで、日本の平和主義の旗を降ろすのでは、立つ瀬がない。
憲法改定には衆参両院の国会議員の3分の2の賛成が必要である。その為には参議院は民主党の曖昧さもあり、危うい状況であった。現在も民主党には前党首の前原氏のように明確に、9条改定を主張する議員もいる。しかし、新聞報道のアンケート調査によると、参議院議員の55%が9条の改定には、現在反対を表明しているそうだ。これで、憲法9条改定の危機はひとまず、少なくとも、3年間は猶予が出来たと考えられる。民主党議員は内部的な混乱があり、今後も監視して行く必要はあるが、さすがに参議院議員になろうという人が、そう簡単に憲法という根幹に対する意見を変えるとも思えない。つまり、ピースカフェ立ち上げの目的は完了したことになる。
ピスカフェも現在22号の平和特集を編集中だ。それだけ続けてくると、時限的に始めたとは言え、新しい役割が出てきている側面もある。しばらくは責任編集制でやることになっているが、その後の方向は、改めて考える必要があると思う。ピースカフェが直接に目指した事は、日本憲法の平和主義に向けて、地域での一人ひとりの、平和に暮す姿を、際立たせてゆく事だと思ってきた。例えば21号は水特集だった。足柄地域の水をライフワークとして、調査研究されている人達が居る。湧水や地下水脈が分かることが、何故、平和につながるのか。一見脈略のない、遠い話のように見える。実は、この地域の暮らしの本質的な豊かさは、深く水と結びついている。そのことを自覚してゆくというような、いかにも遠回りの活動の積み重ねこそが、平和な暮らしには不可欠だと考えているのだ。
市民民主主義の復権。これが具体的な目標でもあった。市民自治とはなにか。これを探ることでもあった。現在この地域では広域ごみ処理の為の検討が進められている。行政は議会答弁で、明確に迷惑施設の検討に、市民を加えることは馬鹿げている。行政の責任において全てを決める事が行政の役割だ、と発言した。これは明らかに、市民自治に対する行政の挑戦だ。市民をそこまで駄目な利己的なものだと、決め付ける事はあってはならない。ここは、市民がごみ処理広域化に対し、市民案を提起してゆくことが必要だろう。そのことが、この地域の市民自治の成熟に、大きな役割を果すことではないだろうか。ごみはこの地域に暮らす以上全ての人が出す物だ。そのごみをどうするかを、「愚かなお前達には無理だ。」と行政に決め付けられたままで、済ます訳には行かないじゃないか。