舟原田んぼの7月

      2016/08/10

2007年7月は小田原地方は低温と日照不足が続いた。これは実は昨年も同じことで、昨年が新記録といわれていたが、今年も同様の感じだ。世間では、野菜が高騰した。梅雨明けが、8月に入ってから、気象庁は発表した。私は今年の梅雨明けを7月23日にした。いつもそうだが、百姓は梅雨明けぐらい自分で決めないといけない。夏の空気を感じて、これからはしばらく晴れると思ったのだ。そこで、田んぼはすぐ干しに入った。生育の遅れている、水口の上の田んぼはそのままの水管理にして、下の2枚の田んぼは干した。案の定雨は上がり、干し田はいい感じに3日間結構深いひび割れまで進んだ。4号台風の影響の雨が、20日時間雨量で62ミリの新記録。連続雨量では400ミリは降った。舟原でも土砂崩れが4箇所、その始末がまだ行われているぐらいの雨だった。その後、梅雨明けが23日として、明けて2週が過ぎた。

田んぼの色がぐいぐい変わってゆく。特に1本植えの、苗床で作ったアキニシキは気持ちの良いほど色が黒くなる。遅れていた分結も急速に進み、16本平均にはなった。まだ増え続けているので、もう少し増えそうだ。機械植え用苗を分けてもらったサトジマンはまだ葉色は遅れていて、色ムラが生じている。それでも日増しに分結が増えているので、そこそこにまで行くだろう。これからの問題は無効分結に成る。どう言う事か、毎年分結が止まらないのだ。稲刈りをしていても分結している。葉色がそこに至っても濃いというのが、その現われだと思うのだが、肥料がその頃になって発現するのではないか。有機栽培の場合、この辺りの対応はどうすればいいのだろうか。結果、お米の粒張りが悪くなる。

草に関しては、ソバカス抑草が成功したと言えると思う。草がない訳ではない、程ほどにあるコナギがある。拾い草程度ある。つまり、良い土になれば、草が生えない。この考えはおかしいと思う。良い土なら、草にとってもいい状態で、稲雑草は繁茂するだろう。草も生えない土壌を良い土壌といいたくない。この辺が分からない田んぼの土壌だ。不可思議なのは、名人が長年やっている田んぼでは草が生えない。抜ききって種がなくなる、とか言うが、そんなことは絶対にありえない。いわゆる土が良くなって、草が生えない。この土がよくなるというのは、土壌分析すると、有機質が多い。そして6要素のバランスが取れている。それは数値に表れた部分。その背景には、分析不能の微生物状態があると思われる。

トロトロ層の形成。いい土壌はトロトロ層を形成する。何故。確かにそんな傾向は感じるが、原因結果の繋がりが見えない。とろとろ層は土をかき回さないと、できる。冬水田んぼはトロトロ層を形成する場合が多い。何故だろう。勉強が足りない為か、この辺が全く見えない。かき回さないから、微生物が死なない。そんな馬鹿な。米ぬかを撒いて、上手く水管理をすると、トロトロ層が作られる。イトミミズの大発生が原因する場合が多い。アカ虫が大量に居る事もある。土壌が乳酸発酵になっている。(乳酸発酵は多様で、曲者)有機酸がいい形で発現すれば、雑草の発芽抑制。病原菌の死滅。などの可能性はある。こういう辺りをスッキリしたいがために、田んぼは興味が尽きないのか。例年8月15日から、25日の間が、穂揃いに成る。走り穂がそろそろ出る場合もあるが、ともかくまだ待ってもらいたい。

 - 7月, 抑草法, 稲作, 農法(稲作)