沈黙の社会にしないために

   

「沈黙の社会にしないために」立川・反戦ビラ裁判の上申書集が出来た。これだけは許せないと思い、離れていは居るが、支援をしてきた裁判だ。最高裁に上申書を出して欲しい。という要望があり、早速出した。230通の上申書が、現在出されている。どの上申書も熱のこもった、本音が出ている。

2004年2月自衛隊官舎へのイラク反戦ビラを配布したという罪で、3名の者が、「住宅侵入」に当るとして逮捕された。その後75日に渡り、拘留されました。そのことだけでも、驚くことでしたが、東京高等裁判所中川武隆裁判長は有罪の判決を下しました。近じか12月頃に、最高裁でこの歴史的裁判の判決が下されようとしているところです。

この事件は国際アグネスティーによって、人権抑圧の事例として、日本の恥として、国際的に取り上げられております。どのような形で、戦争の出来る社会に変わってゆくかを示す。象徴的な事件だと思います。その後、こうした逮捕は続いております。何故、自衛隊の官舎に、ビラを入れることが、住居侵入になるのか。他の沢山の入れられているビラは、何の問題にもされていません。たまたま、中に住む自衛官の家族が、不愉快なビラが入れられるということで、警察に届け出たようです。

ビラを入れないで下さい。ですんだ話です。それが、75日の拘留から。裁判での有罪。警察国家への第一歩を踏みだそうとする事件です。戦前の思想弾圧を髣髴される事件です。私の父は、戦前友人の逮捕に始まる公安事件で、福島県の土湯に逃亡していた体験があり、その話を子供の頃聞いております。幸い逃げ切れたそうですが。東京駅頭で軍人の制服を見たとたん、もどしてしまったそうです。この生理的に権力を許せない気持ちは、私にも乗り移っています。

自衛官の家族として暮らすものが、こうしたビラだけを警察に訴えるという感覚が、いかにも軍人精神です。堂々と自らが、対応すればいいことなのに、警察に届けるところに、いやらしい精神構造が見えます。イラク派兵違憲裁判にも参加していますが。「イラク派兵」そのものが、違法行為です。国連の承認もなく、大量破壊兵器を隠しているという、「虚偽の情報をでっち上げ」アメリカと日本が無理やりイラクに攻め寄せた国際犯罪行為です。

これがもし逆の立場で、北朝鮮が日本に大量破壊兵器が隠しているという理由で、攻めて来たらどうでしょうか。国際的に許されてしまうのでしょうか。許されるわけがありません。イラクの現状はフセイン独裁といわれた時代よりも、更に悪い状況です。アメリカ兵が、9月270人死亡し、開戦以来最悪の事態ということです。すでに内戦状態とアメリカ軍が認めている状況です。

武力による平和が無いことを、イラク派兵から学ばなければなりません。戦争は何も解決をしません。状況を悪くする一方です。どれほど、歯がゆくとも、不安であろうとも、戦争をするよりは、まだ増しである事を知るべきでしょう。

そのイラク反戦ビラを撒いたことに対し、国家が挑戦してきたのです。弾圧をしてきたのです。自由な意志の表明を、止めようとしているのです。高々ビラ一枚入れて、3名が75日拘留されるという異常が、平然と行われる国に、日本は成ってきています。ここで黙っていることは、自由に生きることが出来なくなる。そう考えねばなりません。

まさか最高裁の判断が、有罪となるとは思えませんが。日本は危機的な国家になりかかっています。今ならまだこの流れを止める事ができます。この位は良いでしょう。と思得る、今が。歯止めを描ける最後のチャンスかもしれません。

 - Peace Cafe