アベ元首相の馬脚

アベ元首相が残念な発言を繰り返している。「防衛費の5年での倍増」、「敵の中枢へのミサイル攻撃能力の保持」「日銀は政府の子会社」「核共有論」「憲法9条の改正」今更なんだと言いたい。こんな人が日本の総理大臣をやっていたのだ。
今この人がしゃべらなければならないのは、プーチンのお友達自慢だ。総理大臣の自宅にまでお招きしてしまった事の謝罪だろう。何故お友達が侵略戦争を始めたのかを語るべきだ。そして、自分が同類では無いことを説明しなければならない。それがお友達の説明責任である。
誰がしゃべらせて良いと綱をほどいたのだ。病気と称して職場放棄したのは誰だったのか。一国の総理大臣がお腹痛いので辞めたのでは無かったのか。止めた後を受けたスガ氏の無残さはひどすぎたでは無いか。発言はしばらく控えるのが人間としての道だろう。
人気に陰りが出ていることに実感があるのだろう。それで右翼的なことを言えば、注目されると思っている。雑誌などでも極右本は一定は売れると言うことになっている。党内でも注目度が下がり、時代が過ぎて行く実感があるのだろう。この人はどうも長老向きでは無い。
アベ内閣ほどひどい時代はないと言えるのだろう。親会社のアベ社長と子会社の黒田社長で日本を衰退させた。日本を先進国から脱落させたA級戦犯である。アベノマスクでもして、アベ記念小学校名誉校長にでも就任していろといいたい。日本の経済が借金まみれの危機的状況にまで落ち込ませた責任者では無いのか。何しろいわく子会社日銀の親会社の社長だったはずだ。
こうして日本の進んではならない方向をすべて並べてくれる辺りは分りやすい。この人が自らこういうことを考えるとは思えないのだ。誰かに言わされている。後ろに誰かがいて、何か腹話術の人形の口パクに見えて仕方がない。
そう考えてみると、このタイミングでしゃしゃり出てきたのには、意味があるはずだ。ウクライナ侵攻を契機に日本の軍事国家への道を明確にしようと言うことなのか。確かにそういうきな臭い匂いはし始めている。そのくすぶる火だねを止めることこそが、日本の役割だ。
日本は前世界戦争の責任がある。二度と戦争はやらないと誓うことで迷惑をおかけした近隣諸国に許しを請うたのだ。それが日本の平和憲法である。世界平和の為に努力を惜しみませんから、許して下さい。これが日本の国際社会への復帰の道程である。
中国の軍事大国化を止める努力をすることが平和国家日本の道だ。もし、中国がロシアと連携して、自由主義諸国と対立することになれば、世界全体が戦争の時代に入ることになる。もし中国を止められるとすれば、もちろんアメリカの中国友好国ではない。中国を取り巻くアジアの中堅国の連帯だけだろう。
中国はすさまじい高度成長をしてきて、ゆがみも大きい。国家主導の経済強硬政策によって成功もしているのだが、一歩間違えば大きな破綻に進む可能性も常に持っている。落ち着くまでにはもう少し時間がかかるとみた方が良い。
今あわてて対立的政策を行うことは、何の益も無い。下手をすれば中ロ連携に押しやることになる。中国はロシアと同類に見られることは避けたいはずだ。中国を支持する国を増やすことには熱心である。といっても中国の支援を受けている国はいつもウクライナと同じで、不安感を抱いている。
何時、どんな難題が持ち込まれるのか、腹の底では不安があるはずだ。ザンビア、タンザニア、ナミビア、エジプト、ケニア、エチオピア、マリ、ジンバブエ、パキスタン、イエメン、セルビア、ルーマニア、マルタ以上14カ国が全天候型の友好国と人民報に書かれていた。
アフリカ諸国が多いいが、中国の外交政策は国連における多数派工作の傾向が強いように見える。オリンピック開催都市争いと似ていて、利害の少ない国も1票には成る。中国は影響をそうした国々に広げている。中国と国境を接している国がパキスタンだけなのが印象深い。これは覇権主義とは又別の一面だろう。
パキスタンの地元世論調査会社が「ワクチン摂取の場合には,どの国のワクチンを希望するか」というアンケートを取った際に,中国製を希望すると回答した者が35%に達して第1位になり,米国製(9%),英国製(8%)となっている。パキスタン人の意識では中国の評価は高い。
その一番の原因は印パ紛争がある。インドから分かれて生まれたパキスタン。その原因はパキスタンがイスラム教国家と言うことになる。ヒンズー級のインドとは宗教対立が起きた。パキスタンは以前はインドの東西に国が分離していた。後に東パキスタンがバングラディシュに変わった。
両国とも中国の国境問題を抱えてきた。紛争は複雑に推移している。現在でもインドパキスタンの間にはカシミールの帰属問題が存在する。中国はパキスタン側の主張を支持し、インドとの国境では戦闘が時々勃発している。
しかし、かつては国境問題で対立したパキスタンと中国が抗して、一番の友好国になったことは注目すべき事だ。日本も尖閣諸島問題を早く解決して、友好国になるべきだ。国境紛争で人が死ぬことほどくだらないことは無い。尖閣が中国になれば、今度は沖縄を要求するというコメントが以前あった。
どういう思考をしているのだろうか。そうした可能性も含めて、すべてを話し合いで解決すると言うことだ。そしてパキスタンと中国のように信頼し合う国になる。それが互いの利益に繋がることになる。日本が中国を許せないのは、中国を何時までも下に見ている人がいるからだ。
中国人は有能である。付き合ってみればよく分かる。私なりに色々の国の人と接してきたが、中国人の優秀さには驚かされるばかりである。人を見抜く力が強い。それだけ厳しい人間関係の環境の中で生きているのだろう。気配りがすごい人達だ。
中国の農村へ有機農業の指導に行ったときに、田舎家庭料理レストランに招待されて、中国の人達と一緒に食事をした。その時出てきたお皿がなんとなく汚れていた。それで持っていたちり紙でこっそり拭いた。すると中国の人達もさりげなくお皿を拭くのだ。
中国人には心より信頼して良い人がいる。日本人と同種の感覚が存在する。今の中国の印象はおかしな物に作り上げられているが、中国人は日和見である。かならず、中国には次の時代が来る。中国との関係をこれ以上悪化させては成らない。アベ氏のように仮想敵国を必要とする考え方に騙されては成らない。