NATOへ北欧の加盟
北欧の中立国であるフィンランドとスゥエーデンがNATOにはいることにした。これは世界の平和の構図が崩れると言うことになる。永世中立国の可能性が残念ながら消えた。日本の目標の一つの形であると小学校の頃教わった記憶がある。ロシアとの関係を刺激しないようにしてきた。過去にロシアとの良くない歴史を踏まえての中立政策であった。
ロシアのウクライナ侵攻がはじまると、NATO加盟を表明した。表明せざる得ない危険な情勢に至ったと言うことだろう。ロシアは危険な国ではあるがウクライナで苦戦している。今ならばロシアも手一杯で北欧に軍事侵攻できないと判断したのだろう。
トルコの懸念表明がある。クルド人への対応が受け入れがたいと言うことのようだ。エルドアン大統領は北欧はテロ組織のたまり場だとまで発言している。エルドアン大統領は一筋縄の人ではない。簡単に決まるというわけでは無いだろう。
いずれにしても紆余曲折があっても一度表明した以上、中立政策を撤回して、NATO加盟か、違う形の集団安全保障体制が進むとみて良いのだろう。世界の安全保障体制に変化が起き始めていることは確かだ。
ウクライナがすでにNATO加盟をしていたとすれば、ロシアは侵攻できなかったと各国見ていると言うことになる。それだけ軍事同盟が抑止力になると世界が考え始めたのだろう。それほど理のない軍事侵攻をロシアがしていると言うことだ。
それに対して今も、ウクライナに対する軍事支援はアメリカを中心に膨大な兵器が送られている。もう軍事支援の是非を問うどころではなくなっている。ロシアが苦戦し、消耗して行くことはアメリカやNATO諸国にしてみれば、軍事的な見返りが大きい。
この先戦争が長引き消耗戦になることが予測されている。ロシアがこのまま疲弊すれば、ヨーロッパ諸国にとってロシアの脅威は大きく減ずることになる。日本だって同じことなのだろう。ロシアが一気に勝利すれば、その勢いがヨーロッパのとてつもない脅威になったはずだ。各国がウクライナに援助し、ロシアに経済的制裁をするのは当然のことといえる。この辺のロシアの読みはあまかった。
世界のの安全保障の在り方に変化が生じている。日本でも国防が見直されている。対中国の戦略の見直しが盛んに言われるようになった。中国はある意味で漁夫の利を得ている。黙っていることが悪い事では無い。このまま行けば、ロシアは中国に対して何も言えなくなるだろう。
中国にしてみても、ロシア貿易を独占できるわけだから、悪くはないはずだ。日本やアメリカが天然ガス開発から手を引けば、中国は有利な条件で参入することになるのだろう。そしてロシアは中国の影響下の北朝鮮と同じになる可能性が高い。
今回NATOの存在が大きく注目されたわけだが、日本も集団安保体制に変わるべきなのでは無いだろうか。ロシアの第二次大戦後の安定を正面から破壊した、侵略を⾏い、非⼈道的な子供達まで殺戮する戦争を遂⾏したロシアと国際社会の関係は大きく変わらざる得ない。
戦争前に戻ることはなとしたら、日本はこの情勢にどう向き合っていくべきだろうか。 アメリカとの二国間の関係よりも、複数の国家での安全保障体制の方が、よりよいはずである。核保有しない自由と民主主義を尊重する国と連帯するのが目標になる。
中国は今後も明確な態度をとらないと思われる。ロシアに対する欧米やアジアの自由主義国の連携した経済制裁は、自国の利益を損なっても強行されている。これは中国にしてみると、信じがたいことのはずだ。中国はまさかウクライナとソ連の戦争で、ここまで自由主義諸国の連携がとられるとは思わなかったはずだ。
中国はもし自らが、台湾侵攻を行えば、ロシア以上の経済制裁になると言うことは自覚したはずだ。中国はロシア寄りの姿勢を見せながら、曖昧なロシア支持というくらいの態度である。ロシアの販売先を失った資源の輸入は行うだろうが、あくまで自由諸国と大きく敵対しない範囲と言うことに成ると予測する。
日本は中国と関係を模索しなければならない。アメリカが中国と対立を深める中、現状では日本もその戦略に引きづられている。しかし、日本の国家的利益は中国との関係に大きく影響される。日中関係の互恵関係を構築することこそ世界平和の道である。中国との関係が改善されれば、日本は経済不振から抜け出せるかも知れない。
先ずは中国をロシアとの連携に進めないことが重要である。日本は自由主義圏の国として、アメリカとの同盟関係は維持するとしても、軍事同盟は後退させた方が良い。そうして中国との友好関係を模索することだ。中国がロシアと関係を強め、世界から孤立することほど、日本にとって困ることは無い。
中国はロシアの失敗から学ぶはずだ。台湾への軍事侵攻の可能性はかなり減ったとみても良い。中国を平和国家に変えることが出来るのが一番重要である。中国は経済大国化したと言っても、まだ一人一人の暮らしの経済は中位の国のレベルである。
中国国内の地方と都市部の経済格差は依然大きい。まだまだ発展途上部分があり、経済優
先で進まざる得ない状況である。中国人全体の国民所得の向上により、市場の拡大が起こる。これからさらに拡大する大きな市場である事は間違いが無い。中国はアメリカを越える可能性が高い。
先で進まざる得ない状況である。中国人全体の国民所得の向上により、市場の拡大が起こる。これからさらに拡大する大きな市場である事は間違いが無い。中国はアメリカを越える可能性が高い。
今回のウクライナで学習した中国は、台湾侵攻は出来ないはずである。日中関係はアメリカの介在とアベ政権の変更政策により、ここ10年は対立を深めてきたのだが、関係の修復を計る必要が互いにあるはずだ。日中関係の改善は中国にとっても重要になるはずだ。
中国との関係をいかに切り開くかが、日本の平和外交の鍵になるはずだ。尖閣問題の解消から計るべきだ。ウクライナの失敗の第一は領土問題である。領土を失うことをおそれすぎている。たとえ領土が縮小される可能性があったとしても、ロシアと話し合いをして解決を図るほか無かった。
日本もまったく同じである。しかも尖閣諸島など人のいない小さな島である。話し合いで解決を図るべきものだ。例えば話し合いで、尖閣は5つほどの小さな島なのだから、同じくらいで分けたらばどうだろうか。先ずは国際裁判所に調停を申し出ることだ。外務大臣対話では相変わらずで情けない。
話し合いで解決することが唯一の解決策である。戦争でどちらかが奪い取れば、それはより問題を困難なものにさせただけのことになる。領土問題というと、政治家には手が付けられない。それは譲れば選挙に不利なると議員と政党は考えるからだ。
国民の冷静な判断力だけが重要になる。軍事力増強派の主張は尖閣を問題化して置くことで、仮想敵国中国の危険度を浮き上がらせる戦略なのだ。また国民もキューピー人形のように、尖閣を押せばキーキーと音を立てて泣き叫ぶのだ。この愚かさが日本の未来を危うくしている。