のぼたん農園の田植え12月8日

苗代の様子。播種は11月10日である。12月7日に苗取りを三番田んぼと六番田んぼが行った。苗はトレーに入れてあるもの。手前の苗が、ゆがふもちの苗である。奥の方の苗が、「にじのきらめき」である。4,5葉期ぐらいの状態である。次は14日に残りの苗取りを行う。こちらは5週育苗である。
のぼたん農園では12月8日に田植えを行った。たぶん日本で一番早いというか、一番遅い田植えだろう。石垣島では稲の苗作りは一年中可能である。日照時間や日照の強さ、気温が13度から下がることがないなどの気候条件がある。そのためいつでも育苗は出来る。
そこで田植えの時期は、二つの条件から考えた。一つは水が一番多い時期となると11月から2月ぐらいが安定して雨が多い。湧き水の水量も一番多い時期である。最近気候が安定しないから決めつけることは出来ないが、重要な要素になることは確かだ。

手前が「にじのきらめきの苗」
二つめは台風が来る前に稲刈りをした。それには4月中には一回目の稲刈りを終わらせたいと考えている。何しろ1回の台風で全滅してしまうことがある。台風の過ぎ去った後、田んぼに行ったらイネ株自体が風で引き抜かれて、田んぼに残っていなかったというほどの強風である。
また4月中の稲刈りなら、梅雨前で比較的稲刈りが適期に出来る。遅れると梅雨入りしてしまい、雨続きで稲刈りが出来なくなる。また比較的暑くない間のイネ作りになるので、作業が楽と言うことがある。夏場の作業はかなり苦しいことになる。
もう一つ要件があるとすれば、ひこばえが稲の開始が4月と言うことになり、7月収穫になり、2回目のひこばえがの収穫が11月と言うことになる。年3回の収穫が可能になる。そして次の稲作に入るとすれば、田んぼの循環が具合が良いと考えている。

均しを終わった田んぼ。浅く水を張っておき、トンボで土を引っ張った。足跡を残したのは良くない。このくらいの状態になっていたら、線引きもきれいに出来るし、水もきれいに張れる。だんだん田んぼも良くなっているが、土壌はまだまだである。
一回の収穫が多くなくとも5俵づつ3回収穫できれば、十分の収穫になる。ひこばえ農法の試行錯誤を続けたいと考えている。今年は追肥のタイミングを十分に見定めたいと考えている。あれこれ迷いながら考えたすえに、過去一番早い、11月10日種まきにした。
苗の出来は今まででは一番良い出来だったと思う。比較的堅い苗になった。いつも徒長気味の軟弱な苗だったので、それから思うと大分良い方である。ただ小田原の苗に較べるとまだまだ不十分ではある。苗半作と言われる、勝負はここでは決まらなかったという所だろう。

六番田んぼの田植えが終わり、すこしづつ水を入れているところ。向こうに張ったのは風よけのネット。このネットがないと風にやれてしまい、忽ちに苗は白化して行く。できるだけ風がないほうが良いのだが、冬の間の北東の強い風は必ず吹く。
六番田んぼは40㎝×40㎝である。かなりゆったりと植えられている。これだけ広く植える理由は作業が楽と言うことに尽きる。田植えでも短時間で終わらせたい。コロガシも楽にやりたいと言うことである。またひこばえをやる場合は広い方が良い可能性がある。
今回は「にじのきらめき」を30㎝×30㎝一番田んぼ。40㎝×30㎝を三番田んぼ40㎝×40㎝を六番田んぼと植え付け巾を変えている。結果を見て今後の植え付け間隔を決めたいと思っている。40×30が一番良いのではないかと想定している。

三番田んぼである。今年は3本植えをやるつもりだ。石垣島は風が強くて、田植えの後かぜにやられてしまうことがあるので、3本植えにしてみた。また分ゲツもよく取れないと言うこともある。苗は4,5葉期で悪くないので、3本植えで、田植え直後からそこそこに見える。
苗は種籾1キロで6畝分である。3本植えで十分に余るほどあった。沢山余るようならば、下の予定のない田んぼのどこかに植えて置こうかと思う。一本植えであれば、2反分の苗になる。11月5日浸種、11月10日種まき、4週育苗で4、5葉期。5週育苗で5,5葉期で、良い発芽である。
田植えが始まると同時に、防風ネットを張り始めた。風の強い日で苗がすぐにも痛みそうだった。田植えが終わる頃やっとネットが張れた。ネット張りはかなり手間がかかる。田植え前に張っておくべきだったかも知れない。たうえに邪魔にならないように張れれば良いのだが。
大勢が来ていた。30人ぐらいは居たかと思う。担当の田んぼの人以外も随分参加してくれた。田植え自体は2時間はかからなかっただろう。すべてが午前中で終わった。午後もやるのであれば、一番と二番の田植えも最後まで終わったはずだ。
余裕がある方が良いので、このくらいで丁度良かったかも知れない。来週は自分の担当の田んぼになる。苗取りもこれからなのは私の所だけだ。ゆっくりとしっかりと進めたいと思う。今年こそ良いイネ作りが出来るように頑張りたいと思う。

六番たんぼの下の畦に高いベットを作り、里芋を植えた。高い畦作りは新しく参加された堀口さんが指導してくれた。堀口さんは平塚の内田達也さんという方の農業会社で勉強されてきていて、野菜作りに深い知識を持たれている。私が尊敬している、石渡薫さんも内田さんから学んだそうだ。
ともかくベットを高く作ろうと言うことになり、50㎝高のベットを目標に土挙げをした。作業も機敏で、かなりの速度で作業をされていた。ベットを高くする意味は、小田原では渡部農法として定着している。やはり50㎝のベットである。
土壌環境が良くなるためである。土壌が空気に接する面積が倍になる。土中の水に動きが出来る。土壌の改善には一番重要なことになる。これは台湾の有機農家の方も、特に上からの斜面が畑に接した部分は溝を掘らなければならないと、説明されていたことだ。
少し手違いがあり、堀口さんに学ぶ前に、作業をしてしまった。残念だったが、これから、まだ続きがあるので色々教えて貰いたいところだ。