オタマジャクシの大量発生

オタマジャクシが居る田んぼは環境の豊かさを表わしている。と言われているが、どうも違うような気がしている。石垣島「のぼたん農園」の田んぼには、ヒメアマガエルとオオヒキガエルのオタマジャクシが一年中充満している。どちらが多いかと言えば、ヒメアマガエルである。
ヒメアマガエルのオタマジャクシは透明で小さい。日本で一番小さな蛙らしい。オオヒキガエルのオタマジャクシは真っ黒で少し大きい。田んぼをより占有しているのは、ヒメアマガエルの方だ。時期によってはオオヒキガエルのオタマジャクシは見なくなることもあるが、ヒメアマガエルはいつもいる。
通年通水しているから、オタマジャクシが居なくなると言うことが無い。一年中繁殖を続けていて、繁殖のしすぎになっている。最初の頃は田んぼを作り水を入れたらばすぐにオタマジャクシが沢山出現して、何か土壌の微生物世界が良くなる前兆ではないかなどと、喜んで考えていた。
ところが様々な微生物が現れないのだ。何かおかしいと思い、いろいろ考えていた。どうもオタマジャクシの異常繁殖が、他の生き物の出現を妨げているのではないかと思えてきたのだ。いつまで経ってもオタマジャクシだけなのだ。
オタマジャクシと蛙があらゆる生き物を食べきってしまうために、単調化が起きているような気がしてきたのだ。専門家という人が農園見えたので聞いてみたところ、オタマジャクシは草食性だから、田んぼの微生物に影響はしない。と確信に満ちた意見を伺った。そのときは、そうなのかと思った。
しかし、毎日見ているとそうでないことが分ってきた。しかし、草食の生き物だから問題ないというの意見は世間では一般的で、オタマジャクシが、他の生き物を絶滅させてしまうなど、あるわけがないということに今のところなっている。
私の観察が違うのか、流布された草食性が正しいのか。私が観察が正しいに決まっている。田んぼのわきに座って、ゆっくり観察しながら考えたことなのだ。実践に勝る学問無し。ここは自分の観察を信じて進んでみようと考えている。
生半可な学問というのは建前を覚えるようなものだ。実際の自然は多用で変化に満ちている。単純にオタマジャクシは草食の生き物だとは言い切れない。私は毎日田んぼの岸辺に座って長いこと眺めていて、何でも食べることが確認できた。専門家の見解が違っていると言うことは良くあるのだ。
専門家のホームページには以下のように書かれている。
カエルと異なり、オタマジャクシは肉食ではありません。おもに水底の水ごけなどを剥ぐようにして食べる植物食です。したがって食物連鎖ではコオロギやウシなどと同じ一次消費者(草食動物)となります。一般的に草食動物は数が多いのですが、オタマジャクシも例外ではありません。
水田の中では、圧倒的な数を誇ります。もちろん、そのすべてが変態できるわけではなく、大半が水の中で他の動物の餌となります。タガメ、ヤゴ、ミズカマキリなどの水生昆虫はオタマジャクシに依存する率も高く、もし、オタマジャクシがいなくなってしまうと、深刻な影響を受けることになります。
本に書いてあることとは相違して、実際には雑食傾向が強いように観察していると見える。数が増えすぎるとそういうことになるのではないか。オタマジャクシも特に後半になれば何でも食べてしまう。あまりに増えすぎると共食いもしてしまうと思われる。
まだ、学問的実験をしたわけではないので、観察の範囲でしかない。学問ではデーターを取らなければ、真実ではないらしいが。農業では自分の眼を信じなければならない。オタマジャクシがあまりに多く居ると、生き物の多様化が起きないで、むしろ単純化が起きてしまう。オタマジャクシを調整するのは簡単である。田んぼを周期的干して肥料にしてしまえばいいのだ
確かに厳密に言えば、様々な微生物や水生昆虫が増えない原因はまだ分らない。他にも原因があるのかもしれない。分らないが、わたしの目にはオタマジャクシと蛙が増えすぎて、他の生き物を抑制している気がしてならない。間違っているだろうか。観察を続けてみる。
石垣島の特別天然記念物指定のカンムリワシは、主にオオヒキガエルを食べていると言われている。のぼたん農園にも、カンムリワシが常駐しているのは、オオヒキガエルがいるからだと想像している。あれだけのオタマジャクシが居るのだ。かなりの数の蛙が居るはずだ。
大ヒキガエルのオタマジャクシが減少した原因は分かっている。田んぼをネットで囲ったために、ネットの網目の大きさでは入ってくれなくなったのだ。それで田んぼには、小さなネットを通過できるヒメアマガエルのオタマジャクシが専有したのだろう。
所が蛙はヘビよりも見ることが少ない。蛇も大きなものはネットを通過できないの可能性がある。先日、過去最大の1m越えのサキシマハブがネットに絡んでいた。何かを田んぼで飲みこんで、腹が膨らんだために、田んぼから出れなくなったようだ。
本当の理由は分らないが、夜行性である蛇はあまり昼間歩き回らないと言うことがあるかもしれない。昼間地表に居れば、すぐにカンムリワシや雉や孔雀やカラスに食べられてしまうのだろう。夜の田んぼの世界はすさまじい、弱肉強食の世界になっているのかもしれない。そういえば、ネズミの被害がこのところ見られない。
田んぼは穂がある時期には鳥に入られないためにネットで、覆っている。鳥が入れないから、オタマジャクシが異常に増加するのだろう。膨大な量のオタマジャクシが居て、蛙にになっているはずだ。その蛙を余り見ないと言うことは、鳥が食べているに違い。のぼたん農園は野鳥の餌の生産場所である。
しかし、あまりの量のオタマジャクシは問題が無いとは言えない。いずれにしてもこの膨大な蛙を減らすためには、干田を入れるほか無い。干田をすれば、これもまた生き物には良くないことになる。なかなか難しい選択になりそうだ。
田んぼにネットを張ることで様々なことが起きているのだ。まず今は稲刈りが終わり、ネットを外してある。また大ヒキガエルのオタマジャクシが現れるのだろうか。あるいはオタマジャクシがいなくなることになるのだろうか。よくよく観察をするほかない。
環境省によれば、大ヒキガエルは特定外来生物で駆除すべきものとなっている。しかし、大ヒキガエルがエサとなり、カンムリワシが生き残っているとすれば、駆除すればカンムリワシが危うくなる可能性はある。しかし、ここまで増えてしまった石垣島ではもう駆除は無理だろう。西表に入れないことが重要だ。
昔は日本にはいなかった蛙だから、当然といえばいえるがその理由は厳密にいえばわからない。不思議なのことは、ヒメアマガエルのほうも、捕食,競合.もし高密度に達した場合にはアリ等の小動物に影響が及ぶと考えられる.食物となる地表性の小動物(アリ等)と,食物を巡って競合する他のカエル類.とされている。
ということで、国立環境研究所によると、ヒメアマガエルも侵入静物データーブックでは、侵入外来生物に入れられている。駆除方法も云々されている。ここでもおかしな環境原理主義だ。石垣島には本来居た蛙なのだが、黒島や多良間島に侵入したというのだ。それを排除すべきだと考えているようだ。石垣島ではアリもいる。
沖縄からトカラ列島にはいた蛙である。それがたまたま、いなかったというか、発見されていなかった島で、見つかったので、侵入生物リストに挙げられた。なんという狭い考えか。お前も人間という侵入性物ではないのか。もうこれからは環境原理主義と戦わなければならない時代に入っている。